今年の読書(65)『ゴンベン』小川勝己(実業之日本車文庫)
5月
27日
本書は2012年12月刊行と少し古いのですが、『ゴンベン』というタイトルに興味がわき手が伸びました。警察関係の小説は好きな分野で、隠語で「汚職」は<サンズイ>と呼ぶように、<ゴンベン>は「詐欺」を意味しています。
主な登場人物は6名、女子大生の<歩>と<夏子>を中心として、その取り巻きが起こす詐欺の手口が描かれていくと同時に、6人が歩んできた人生を並列させ、「詐欺」をビジネスとして面白く描いていました。
本来このような犯罪ゲームは映画『スティング』や、<ジェフリー・アーチャー>の『百万ドルを取り返せ』のように、死人が出ることもなく明るさが魅力的でしたが、冒頭で述べましたように、本書は「イヤミス」的な内容が入り、また「イヤミス」的な終わり方をしています。
投稿日 2016-05-28 06:39
ワオ!と言っているユーザー