講談社文庫の<田牧大和>の作品としては、『花合せ 濱次お役者双六』 に次ぐ2冊目になります。
文政4(1821)年の師走、目黒・祐天寺が付け火で焼け、眼の見えぬ僧<笙雪>が焼け死に、一人の身元不明の女の焼死体が見つかるところから物語は始まります。
蕎麦屋の用心棒として居候している<遠山金四郎景元>は、火事は寺社奉行<水野左近衛将監忠邦>が仕組んだもので、亡くなった女は彼の従妹である<清姫>であることをネタに、<忠邦>を強請ろうと仲間の<鳥井耀蔵>と共に屋敷に出向いていきます。
<金四郎>は吉原に馴染の遊女<夕顔>がおり、その弟が<笙雪>であり、不運な出生を秘めていますが、足抜けをさせたあと<忠邦>に彼女の関所破りに協力させようと計るのですが、策略家の<忠邦>は迎え撃つ作戦を考えていました。
狐と狸の化かし合い宜しく、それぞれの思惑を心に秘めながら策略家らしい知恵比べが面白く楽しめ、心地よい読後感が味わえる一冊でした。
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