『夜を急ぐ者よ』佐々木譲(ポプラ文庫)
12月
7日
留学に旅立つ時間は、裁判所の判決が言い渡される後で、無罪なら間に合いましたが、6年の判決が言い渡され、すぐに収監されてしまい空港まで見送りに出向くことはできませんでした。
刑期を終え、社会復帰をした<原口>は就職をはたしますが、すぐに公安が様子見にと顔を出し、次々と職場を首になっていきます。困り果てた彼は、刑務所時代の知人である金融業の社長<中村>を頼り、ボディーガード的な仕事でしのいでいましたが、ある日社長と随行した取引でトラブルが起こり、逃げる立場に追われてしまいます。
逃げ延びてきた沖縄でも追跡者らしき人物と遭遇、台風の影響で身動きが取れず、偶然泊まったホテルにて10年ぶりに<東恩納順子>と名を変えた彼女と再会することになります。
海外逃亡を図る<泰三>の力になろうとする<順子>ですが、運命のいたずらは悲しい結末へと導かれ、またしても二人の交わした約束は叶うことができませんでした