主人公<長谷清七郎>は、<長谷半左衛門>と下女<おしの>の間に生まれた厄介者で、2歳年上の嫡男<長谷市之進>のもと家士として不遇な生活を強いられていましたが、22歳のときに家を飛び出します。
25歳の現在、絵双紙本屋「紀の字屋」の筆耕等で生計を立てていますが、彼が「紀の字屋」の主<籐兵衛>から、店を継いでくれないかというところから物語は始まります。
「紀の字屋」には、店の引継ぎ話しに反感を抱く絵師の<与一郎>や、昔は巾着切りだった<小平次>といった生い立ちに関する出来事が主体となり、登場人物たちの人間模様が語られていきます。。
また、<50歳の<籐兵衛>に寄り添っているまだ年若い<おゆり>の素性も残したまま、<清七郎>は<清七>と名を改め「紀の字屋」を継ぐことになりますが、まずは念願であった江戸の「切り絵図」(地図)作成に着手していきます。
副題の<切り絵図清七>とありますように、これからシリーズとして続巻が刊行されて行くと思いますが、今後のの少年<忠吉>の成長や<おゆり>の正体などの展開に興味が尽きません。
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