刑事を主人公に据えた小説は、地道な捜査と推理で犯人を追いつめていくタイプと、悪徳刑事とに分かれますが、本書は完璧なまでに後者です。
主人公は赤坂署捜査課強行班に所属する<名和平太>44歳、三流大学出ながら28歳で警部補試験に通りノン・キャリアの道を快進していましたが、いまはさぼりまくる中年刑事に落ちぶれています。
迷宮入りになりそうな「違法カジノ連続強盗事件」の捜査を与えられ捜査中、17歳の女子高生の殺人事件の担当も任せられます。
赤坂署きってのギャンブル好きの<速水遊>と組み捜査に乗り出しますが、援助交際が絡んでいるのを掴み、自分が関係を持っている15歳の<麗>を囮捜査に使い、久々に捜査に燃える<名和>でした。
刑事でありながら、タカリ・強請なんでもアリの悪刑事が、「へいか~っ、申し訳ございません」の台詞が随時に飛び出す愛国心もある二面性が面白く、著者自らがギャンブラーだった知識も豊富に散りばめられ、下品な下半身の話題も多く、笑える一冊でした。
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