今年の読書(96)『千石屋お奈津犬連れ日帖』五十嵐ひろみ(PHP研究所)
7月
30日
仙台藩士<佐々木織部>との見合いが成り立ち、嫁ぐ寸前まで話が進んでいたさなか、藩のもめごとに巻きこまれ許婚を亡くした過去を持つ<お奈津>です。
父親<千石屋嘉兵衛>の弟<籐五郎>は、「音羽堂」という骨董屋を営んでいますが、兄弟の仲はあまり良くありませんが、<お奈津>はこの叔父を気にいっています。
千石屋手代の<清次>、大目付の息子<有馬龍之介>と脇役も揃い、「音羽堂」に居候し始めた<龍之介>が気にかかる<お奈津>です。
江戸庶民の喜怒哀楽がよく描きこまれており、<龍之介>に淡い恋心が芽生え始めている<お奈津>の今後の関係が気になりながら読み終えました。