今年の読書(32)『医療過誤弁護士』富永愛(ハルキ文庫)
6月
4日
<冨永愛>は、現役弁護士にして元外科医として、「医療過誤事件」をリアルを描いた本書『医療過誤弁護士』は、2024年9月に刊行され、2026年5月18日に文庫本として発売されています。
主人公の「白川銀子」は45歳バツイチで、事務局長の「深山金治」とアルバイトのロースクール生「清香」の医療過誤を専門にしている小さな弁護士事務所です。
ステージⅠの直腸がんの手術で、術後3日目の大出血により死亡した夫の手術ミスを確信する妻は、「銀子」に医療訴訟の弁護を依頼します。その病院は、14年前、20代の健康な女性が気胸の手術で命を落とした事件で、「銀子」が、師匠と仰ぐ「寺山」弁護士のもとではじめて医療訴訟を戦った病院でした。
医療の現場で、裁判で、患者側に寄り添い闘ってきた弁護士の立場でないと描けない医療過誤事件の現場のリアリティが、「銀子」という正義感にあふれた主人公を代弁者として描かれています。医療現場の小説として、また、法廷でのみん時裁判の小説としても十分に読み応えのある内容となっています。
また、師匠と仰ぐ「寺山」弁護士の補助としての経験、2つの事件を経て、「銀子」自身が人間的にも成長する物語にもなっています。
シリーズとして、続編を期待したい一冊でした。










shiropoko