昨日のNew York Times電子版には”Do Drones Undermine Democracies?”と題するBrookings InstitutionのPeter W. Singerの署名記事が掲載されている。その概要は下記の如くである。
民主主義のもとでは国家に多大な影響を与える戦争は国民と不可分な関係にあり、国民は選挙による代表により参戦の可否を決定すると共に人的・経済的負担を承認する。アメリカ合衆国憲法によれば、大統領は米軍の最高司令官ではあるものの、宣戦布告は連邦議会が行うことになっている。しかし連邦議会が最後に宣戦布告を行ったのは1942年、ブルガリア、ハンガリー、ルーマニアに対してであり、それ以来1度も宣戦布告を行っていない。1973年に成立したThe War Powers Resolutionでは60日以内の連邦議会承認を条件に大統領に宣戦布告なしに軍隊を派遣する権限が与えられているが、ホワイトハウスは陸上軍を派兵していないことを理由に多くの紛争に際し議会の承認を得ていない。(くまごろう注:ベトナム戦争、アフガニスタン紛争、イラク戦争などは連邦議会が同意しており、ガルフ戦争、リビア反政府動乱などは国連安保理決議に従った派兵である。)2004年以降300回もパキスタンで無人機による攻撃を行っているにもかかわらず、この戦闘に関し連邦議会では1度も議論が行われておらず、更にこのオペレーションは空軍ではなくCIAの政治的に任命された官僚が民間人である法律家の助言に基づいて遂行している。2011年のリビアでのカダフィ大佐排除のためのアメリカの関与は、昔なら連邦議会の承認のもとに行われた戦闘行為がホワイトハウスの一存で遂行され、後方支援と言いながら無人機による150回近い攻撃を行っている。このような状況を可能にしたのは国民の血を流すことがないロボットによる戦闘が過去10年間に急速に増加したためで、現在米軍には7,000機の無人機と12,000台のロボット兵器が6カ国に配備されている。
New Year’s Resolution(一年の計?ちょっと違うような気がする。これに相当する日本語を失念して久しい。)としては、ここ数年同じだが徳を磨き、健康に注意してまわりに迷惑をかけないこと、更に仏教特に真言密教とここ数年興味が増している科学について一層学ぶこと、ゴルフではUSGAハンディキャップを15以下とすることなど、歳の割に欲張っている。