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くまごろうのひとりごと

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窓の話21『パティオドア』

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窓の話なのにパティオドアについて語るのは、パティオドアではガラスの占める面積が大きいためであり、構造や機能は異なるが幅900ミリ、高さ1800ミリのケースメント窓は標準寸法が幅914ミリ、高さ2032ミリであるドアと大差なく、アメリカの窓メーカーは例外なくパティオドアも生産しているためである。

アメリカでは高級住宅ではもちろん、お値ごろな価格の一戸建て住宅でもリビングルームの外に張り出したデッキは快適な季節のリビングルームの一部であり、晴天の日にはデッキチェアを置いて家族団らんや読書をしたり寝そべったり、または友人たちを招いてバーベキューパーティを開催したりする重要な空間となっている。このような多機能なデッキへのリビングルームからの出入りにはパティオドアが使われる。

パティオドアにはレールの上をスライドする引き戸タイプとヒンジによるスウィングドアタイプがあるが、これに固定ドアパネルや窓を組み合わせるなどしてデザインや採光に工夫が凝らされる。ドア専門メーカーもガラスの入ったパティオドアを製作するが、窓メーカーはガラスを扱うことについてはプロフェッショナルであり、そのためガラスパネルの断熱や遮熱などの熱的性能、更には嵐や防犯などに対するガラスの強度や安全性に関する知識や経験が豊富なため、寒冷地や砂漠地帯、ハリケーンが頻発するフロリダやテキサスなどはもちろん、アメリカでは窓メーカーの製作するパティオドアの人気が高い。アメリカで生産されるパティオドアのガラスは規制によりすべて焼き入れガラスまたは合わせガラスによる強化ガラスである。

アメリカで生産されるパティオドアは熱的性能を考慮してペアガラスを使用し、また夏の日差しが強い地域では高遮熱コーティングを施したローイーガラスが一般的である。また窓と同等の水密性能や気密性能を追求するため、特にスライドタイプのパティオドアは可動ドアパネル自身の重量が重く、日本で生産される掃き出し窓に比較して開閉が容易ではないという批判があるが、その分性能は高い。窓の話12『気密性能と水密性能』で述べたが、室内外の気圧差を75パスカル(1気圧は101,325パスカルまたは101.3キロパスカル、風速に換算すると約11m/秒)とした時のすきま風が日本ではJISのA-1、A-2、A-3、A-4基準があり、それぞれ750 m3/m2-hr、220 m3/m2-hr、60 m3/m2-hr、15 m3/m2-hrのすきま風に相当するが、日本の最も厳しいA-4基準でもアメリカ基準の約3倍のすきま風を許容している。また水密性能については日米での基準が多少異なるが、日本では1時間に240ミリの降雨のもとで風速20m/秒でも水密性が保たれるJIS W-3が最近の住宅用窓として一般的とのことだが、アメリカのパティオドアは設置される場所により地域差があるものの1時間に204ミリの降雨のもとで風速24m/秒での水密性が要求される。
#PC #テクノロジー #ネット

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Tai
Taiさんからコメント
投稿日 2012-02-19 15:21

フレンド登録ありがとうございます。専門的な話が多く、楽しく読ませて頂いています。

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くまごろう
くまごろうさんからコメント
投稿日 2012-02-22 16:55

ブログル仲間の登録ありがとうございました。

くまごろうの浅学非才を省みない独断と偏見に満ちたブログですが、その時々に感じたことを日記代わりに書いています。

窓の話については最初から読んでいただくと、少しはアメリカ製の窓をご理解いただけると思います。

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