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神戸:ファルコンの散歩メモ

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  • ハッシュタグ「#読書」の検索結果1767件

今年の読書(92)『ぎっちょんちょん』群ようこ(新潮文庫)

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今年の読書(92)『ぎっちょん...
結婚式場に勤めている<エリコ>は、一人娘<チカ>が中学生のときに34歳で離婚、母娘だけの生活が始まりますが、ふと耳にした小唄の発表会で三味線の音に心を奪われてしまいます。

娘<チカ>の高校受験を控えながら、三味線の師匠につき<エリコ>は小唄と三味線の練習に励み、師匠も驚くほどの上達をとげ、やがてプロの芸者(地方)として花柳界の世界に飛び込んでいく物語です。

三味線の世界は門外漢ですが、これ一冊で芸事の知識が増え、師弟関係や組織の仕組みが、素人にもよくわかる内容にまとめられていました。

母親からは「芸者なんて」ということで絶交状態で物語は終わりますが、思わず<エリコ>に「頑張れよ」と言いたくなるバツイチ女性の奮闘記として、面白く楽しめました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(91)『燔祭の丘』篠田真由美(講談社ノベルス)

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今年の読書(91)『燔祭の丘』...
表紙の副題に「建築探偵桜井京介の事件簿」と書いてある通り、本書は大学院生の<桜井京介>が歴史ある建築物にまつわる事件を解決するシリーズとして、1994年4月に刊行された『未明の家』に始まり、15巻目の本書『燔祭の丘』(2011年1月)でシリーズとして完結です。

建築設計を生業としていますので、『未明の家』から読み始め、5巻ごとを節目とする第2部までの10巻目あたりまでは読み続けていましたが、その後の第3部からは読んでいませんでした。
「シリーズ完結!!」という帯の文字が目に留まり、久しぶりに手にしてみました。

残念ながら、推理小説としての事件モノではなく、主人公<桜井京介>の出自に関する内容で、このシリーズを続けて読んでいない読者には登場人物との関係などを含め、意味が分からないだろうとおもいます。

おそらく第3部の5巻シリーズにおいて、それなりの伏線が敷かれていると思いますが、これだけを読んでは楽しめない内容でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(90)『食堂つばめ』矢崎在美(ハルキ文庫)

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今年の読書(90)『食堂つばめ...
タイトルの『食堂つばめ』を見たときには、電車の食堂車(ビュフェ)を連想したのですが、グルメモノとは全然違う内容でした。

主人公<秀晴>は、夢かと見間違う臨死体験をして無事に意識を取り戻しますが、その夢の中で大好きな「玉子サンド」を車内食堂で食べるという奇妙な経験がきっかけでした。

もう一度<ノエ>という女性が作ってくれた<玉子サンド>を食べたいと考えていると、生と死の境目の世界(街)に再び迷い込んでしまいます。
その(街)で<ノエ>と再会、<りょうちゃん>という人物と出会い、生死をさまよっている人たちを生の世界に連れ戻す手伝いを求められます。

グルメモノではないと書きましたが、生の世界に戻る意欲は、「まずは腹ごしらえ ・ とにかく何か食べる ・ 食べたいと強く願う」といったことを底辺にして、物語は構成されています。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(89)『パイレーツー掠奪海域ー』M・クライトン(ハヤカワ文庫)

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今年の読書(89)『パイレーツ...
恐竜を復活させたレジャーランドを舞台とした『ジュラシック・パーク』、日本の企業を舞台にした『ライジング・サン』など映画化された作品も多く、人気テレビドラマ『ER』の製作者としても知られる<マイクル・クライトン>ですが、2008年11月に亡くなっています。

この『パイレーツー掠奪海域ー』は、彼の死後発見された遺作で、17世紀のカリブ海を中心とする物語です。海賊(私掠)船の船長<ハンター>を主人公に、スペインの財宝船を掠奪しに仲間と共に出航しますが、スペイン軍艦の悪名高い司令官<カサーリャ>とのし烈な戦いが待ち受けていました。

一度は手に入れた財宝船ですが、無事に寄港できるのか、<M・クライトン>らしい波乱万丈の二転三転の構成で、読者に最後までどうなるのかとハラハラと楽しませてくれます。

「訳者あとがき」には、プロデューサーを<スピルバーグ>とする映画化が進んでいるようで、これまた配役が気になり封切が楽しみです。
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今年の読書(88)『シンデレラの罠』セバスチアン・ジャプリゾ(創元推理文庫)

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今年の読書(88)『シンデレラ...
フランスのドノエル社から初版が刊行されたのが、1962年です。
創元推理文庫としては2012年2月に発行されている、古典的名作を読んでみました。

資産家の<ミドラ>を伯母に持つ<ミシェル>と<ドムニカ>とは幼馴染で、20歳の時に偶然に再開、仲良く暮らしていましたが、<ドムニカ>は<ミシェル>の資産に対して愛情とともに嫉妬をも感じ、<ミドラ>に虐げられてきた家政婦の<ジャンヌ>と共謀、<ミシェル>と入れ替わり余命少ない<ミドラ>の資産を手に入れようと火事を起こし殺害の計画を進めます。

計画通りに火事が起こし、現場からは顔全体に火傷を負った若い女性が救出されますが、記憶喪失に陥り生き残ったのは<ミシェル>なのか<ドムニカ>なのか、読者に推理をさせながら物語は進んでいきます。

記憶をなくしながら事件を推理する「探偵役」であり、火事の「被害者」であり、また「証人」の立場でもあり、「殺人犯」であるかも知れないという立場での<わたし>は一体どちらなのか、最後まで読者を引き付ける一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(87)『ブラックアウト』マルク・エルスベルグ(角川文庫)

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今年の読書(87)『ブラックア...
『ブラックアウト』は、電気業界用語として「完全な停電状態」を意味しています。
本書は(上・下)2巻で、1000ページを超える大作です。電気が止まった時の生活手段や、原子力発電所の安全性の問題など、多々考えさせられる内容でした。

十数日間におよびヨーロッパ大陸が停電に見舞われたパニック小説で、イタリアとスウェーデンで始まった停電が、他のヨーロッパの国々に次々と拡大、市民生活を脅かしていきます。

<福田和代>の 『TOKYO BLACKOUT』 も、東日本大震災が発生する前に書かれていますが、本書にも福島第一原発の話題が皮肉な内容の描写で登場してきますが、東京電力の対応ではさもありなんという感じでした。

イタリア人の元ハッカー<マンツァーノ>が、電力メーターの不審な動きを見つけるところから物語が始まり、大停電の真相に迫っていきます。登場人物の数も多く、ヨーロッパ各地の地名の場面転換もめまぐるしいのですが、上巻のなかばぐらいまで読み進みますと全体の関係がよくわかり、ハラハラドキドキの展開に最後まで一気に読み進められる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(86)『災厄の紳士』D.M.ディブァイン(創元推理文庫)

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今年の読書(86)『災厄の紳士...
イギリスにおいて刊行されたのは1971年ですが、2009年に翻訳「原書房2010本格ミステりベスト10」の海外ランキング1位ということで読んでみました。

妻がいながら定職に就かず、女性を口説いてジゴロ生活をしている27歳の<ネヴィル>は、一度父親の反対で幼友達の<ハリー>と結婚に至らなかった<アルマ>に言い寄って婚約までこぎつけようと努力しますが、その陰には<アルマ>の父親<エリック>に対する恨みを持つ人物の策略がありました。

<ネヴィル>が<アルマ>に近づいたのは、昔は有名作家として売れっ子だった<エリック>から大金を巻き上げるためにだけですが、<エリック>のアトリエで殺されているのが見つかり、大金も行方知れずです。

失恋を繰り返す妹を心配する姉<サラ>と、事件解決にあたる主席警部<ボグ>の脇役たちがいい働きをしており、各所に伏線をめぐらしながら、思わぬ結末が待ち受けています。
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今年の読書(85)『数学的にありえない』アダム・ファウアー(文春文庫)

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今年の読書(85)『数学的にあ...
主人公は、もと統計学の専門家<ケイン>です。
持ち前の統計学の確立論を駆使したポーカーゲームで、まさかの11000ドルの借金を背負い、マフィアに追われてしまいます。

そんな折、一卵性双生児の兄<ジャスパー>が総合失調症から病院を退院してきますが、<ケイン>自身が頭に異常を感じ特別な治療を受ける場面から物語は始まります。

かたやCIAに所属する女性工作員<ナバァ>は元ソビエトの諜報員としての経歴を隠し、二重スパイとしての生活に生きがいを見いだしていましたが、<ケイン>の未来を予測できる特殊能力に関心を持ち、<ケイン>兄弟と関わりを持ち始めていきます。

著者は世界情勢・国家戦略・数学・物理・現代医学・量子物理学といった分野を絡ませ、読者に読むだけで圧倒的な博学な知識を与えながら、人間の脳の持つ能力を考えさせるサスペンスに仕上げています。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(84)『殺人倶楽部へようこそ』M・ウォルシュ(文春文庫)

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今年の読書(84)『殺人倶楽部...
主人公<ジェイミー>は、ニュージャージー州グロリアの小さな町の女性刑事で29歳です。
イタリア系の家系に育ち、30歳までには結婚をと上司の<ロッド>と婚約中ですが、なかなか式を挙げる決心が付きません。

クリスマスを目前に控え、高校時代の同級生<ベン>が火事により亡くなり、<ロッド>は事故死として扱うのですが、<ジェイミー>はそれが、高校生時代に仲間と結成した<殺人倶楽部>で書いていた数々の殺人事件を模倣した方法だと気づきます。

その後、各メンバーが思い付いた方法で殺されていく連続殺人事件が起こり、事故ではないと言い張る<ジェイミー>は一度捜査から外されてしまいますが、署長も<ロッド>も連続して起こる事件のつながりに気付き始めます。

住民みんなが顔見知りのような小さな町での殺人事件を、24ある各章は登場人物たちの名前のタイトルが付けられ、11年前の高校生活と複雑な人間関係を絡ませて描く手法は、面白く楽しめました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(83)『荊の城』サラ・ウォーターズ(創元推理文庫)

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今年の読書(83)『荊の城』サ...
帯に書かれていた<2004年度宝島社『このミステリーがすごい』(海外編)1位>煮間が止まり、少し前の作品ですが、最近は海外作品を読む機会が少ないと感じていましたので早速読みだしました。

「上下」2冊の構成で、各2部ずつに分かれて計4部構成ですが、各部ごとに物語はめまぐるしく替わり、1位となるのも「なるほど」とおもわせる内容でした。

19世紀のロンドンを舞台とする歴史ミステリーで、17歳になる<スー>は下町でスリを生業として暮らしています。
ある日通称<紳士>と呼ばれる詐欺師の<リチャード>が、<スー>と同い年の金持ちの令嬢<モード>と結婚してその財産をそっくり奪い取るために<スー>に侍女として、ロンドンから遠く離れた「ブライア(荊)城」に出向く計画を持ちかけ、<スー>は<紳士>と<モード>の仲を取り持ち始めるのですが・・・。

二転三転とどんでん返しが起こり、結末が見えないまま、読者を最後まで引き付ける力を持った内容で、ロンドンの街をうまく舞台として組み入れていると感心しながら読み終えました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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