『コーダ あいのうた』@<シアン・ヘダー>監督
11月
26日
予告では、耳が聞こえない漁師である「ルビー」の父が、漁業組合の横暴な決定に対し手話で堂々と歯向い、彼女がそれを通訳で応戦するシーンから始まります。その後に続くのは、4人家族の中で唯一の健聴者として生まれた「ルビー」が、家族で助け合いながら漁業に励む日常風景。しかし、ある日、「ルビー」が学校の合唱部に入ったことをきっかけに、それまで家族が知る由もなかった歌の才能を見出され、名門バークリー音楽大学の受験を勧められるまでになります。
しかし、「ルビー」の歌声を聞くことのできない両親は娘の才能を信じる事が出来ず、家業の方が大事だと大反対。しかも、健聴者である「ルビー」が一緒にいなかったことが原因で海上でのトラブルに巻き込まれてしまうという事件も発生、悩んだ「ルビー」は夢よりも家族の助けを続けることを選ぶと決めます。
耳の聞こえない家族に自分の歌を届けるため、「ルビー」が手話とともに<ジョニ・ミッチェル>の名曲で<ジュディ・コリンズ>によって最初にレコーディングされた『青春の光と影(Both Sides Now)』を歌いあげるシーンは感動的です。
主人公の「ルビー」を演じるのは、Netflixシリーズ『ロック&キー』で〈NEXTエマ・ワトソン〉と話題の<エミリア・ジョーンズ>です。特訓をうけた歌と手話でどこまでも自然に「ルビー」を演じ、観る者を引き付けます。共演は、『シング・ストリート 未来へのうた』で観る者の胸を共感で震わせた<フェルディア・ウォルシュ=ピーロ>。「ルビー」の家族を演じるのは、『愛は静けさの中に』(1986年・監督:ランダ・ヘインズ)のオスカー女優<マーリー・マトリン>をはじめ、全員が実際に耳の聞こえない俳優たち。監督は、『タルーラ ~彼女たちの事情~』の<シアン・ヘダー>が務めています。