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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(66)『カラスの祈り』吉川英梨(角川文庫)

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今年の読書(66)『カラスの祈...
本書『カラスの祈り 警視庁53教場』は、第1作『警視庁53教場』(2017年10月刊)に始まるシリーズの第5作目の文庫書下ろし作品になります。

捜査一課の転属を断り警察学校に残った「五味京介」は、窮地に立たされていました。元凶は一昨年に卒業を認めなかった連続強姦魔の「深川翼」を145号室に監禁して閉じ込めていることでした。父親の「深川浩」が国家公安委員長ということで、所轄の警察署長が誰も逮捕状に印を押さないという状況下にある中、同僚の副教官「高杉」と信念を貫き通した結果でしたが、家庭でも教場でも綻びが生じ始めていました。

解決策を見出せずにいる中、法務省矯正局から特任教授の「赤木倫子」が着任してきます。彼女の矯正プログラムによって「深川翼」の閉ざされた状況は少しずつ動き出します。教え子の飛び降り自殺未遂などが起こり、53教場の教官「五味」の最大の危機に歴代シリーズ卒業生も全員集合して「深川翼」の余罪を追い求めて逮捕状取得に捜査が進められていきます。

「深川翼」の犯行へのトラウマの追及、育った環境の驚くべく事実と並行して、「綾乃」との新婚の「五味」の家庭問題や、「高杉」の実子で「五味」の先妻「百合」の連れ子の「結衣」との関係を織り込みながら、驚愕の結末へと一気に読ませる構成に唸る415ページでした。
#ブログ #文庫本 #読書

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