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- 今年の読書(62)『永田町小町バトル』西條奈加(実業之日本社文庫)
著者<西條奈加>の作品として初めて手にしました。「第164回直木賞」で気になっていた作家です。
本書『永田町小町バトル』は、2019年1月31日に単行本が刊行、2021年6月15日に文庫本として発行されています。
日本の国会運営の状況や子育て環境の問題等、娯楽作品を超えた社会問題を丁寧に描き、ある意味教科書的に面白く読み切りました。
主人公「芹沢小町」は、〈現役〉キャバクラ嬢で小学生の女の子を持つシングルマザーという経歴で、「夜の銀座」のホステスさんたち専門の夜間の託児施設を立ち上げた行動力を買われて衆院選に出馬、元キャバクラ嬢として国会議員に見事当選します。
物怖じしないキャラクターがメディアで話題となり、働く母親達を中心に熱い支持を集めています。
ひとり親家庭、貧困、埋まらない男女格差。国際的にみてもかなり遅れた〈ジェンダー不平等国〉日本に、「芹沢小町」は、子供の貧困問題にからめ少子化問題・待機児童問題・離婚家庭の問題・養育費未払いの問題等の解決のため起死回生の作戦で日本に風穴を開けるべく奮闘する姿が、楽しめた444ページでした。
日本の現状を考えるのに適したテキストとしても十分に読み応えのある、政治エンタメの一冊でした。
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