今年の読書(86)『北海道殺人ガイド』西村京太郎(双葉文庫)
11月
4日
表題通り、北海道を舞台にした5篇が納められています。
①『殺意の函館本線』では、退職した元刑事が特急「おおとり」から突き落とされた事件を追いますが、特急の窓は開きません。
②『北の果ての殺意』では、快速「ノサップ」が登場。何者かによる転覆事故が発生、雑誌記者がなくなり、東京在住の記者ということで、十津川警部たちが動きます。
③『哀しみの北廃止戦』では、今では懐かしい広尾線の「幸福駅」が舞台となっています。
④『愛と裏切りの石北本戦』では、自動車の爆発事故で亡くなったルポライターが残した1枚の写真から、 貴重な植物が多い礼文島 の高山植物「レブンアツモリ」を巡る盗掘事件が扱われ、植物好きとしては、考えさせられる内容でした。
⑤『最後のブルートレイン』では、特急「天北」を巡る殺人トリック事件に臨みます。
今では廃線となってしまった路線や運行していない列車が懐かしく舞台として登場してきますので、古い鉄道ミステリーも結構楽しめました。