『ライフ・イズ・カラフル! 未来をデザインする男 ピエール・カルダン』
9月
22日
本作は98歳にして今なお現役で活躍するファッションデザイナー<ピエール・カルダン>(1922年7月2日~)の軌跡をたどるドキュメンタリーで、監督は<P・デビッド・エバーソール>と<トッド・ヒューズ>が務めました。
「モード界の革命児」と称される彼の幼少期や、先鋭的すぎてファッション界から敬遠された苦悩と反撃、<ジャンヌ・モロー>(1928年1月23日~ 2017年7月31日)との運命的な恋など、波乱万丈な半生を浮かび上がらせます。
<ピエール・カルダン>が積み上げてきたファッション界への偉業は数えきれません。中でもブルジョワだけを相手にしていたオートクチュール(高級仕立服)から脱却し、デパートで気軽に買えるプレタポルテ(既製服)に業界で初めて本格参入したことは大きな功績です。彼の斬新な素材選びと未来的なコスモコールルックは当時の若者を熱狂させました。
またクラシックなスーツ一辺倒だった紳士服に、モダンなプレタポルテコレクションを投入してメンズコレクションを開拓。白人女性が主流だったファッションモデルに、日本人の<松本弘子>や黒人モデルを起用するなど多様性を体現してきました。<ナオミ・キャンベル>は「彼の創造性を表現するのは多様なモデルよ」と絶賛し、<シャロン・ストーン>も彼のファンであることを公言しています。
ほかにもライセンスビジネスによりタオルから飛行機まで800点以上のアイテムを展開したほか、社会主義国の中国やソ連で初のファッションショーを敢行するなど、さまざまな分野での先駆者として、<ピエール・カルダン>の名のみならずファッションの楽しさを世界中に広めました。