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- 今年の読書(7)『ゴッドドクター徳田虎雄』(小学館)
<山岡淳一郎>の『ゴッドドクター徳田虎雄』(2020年1月7日刊行)は、2017年11月25日に刊行された単行本『神になりたかった男徳田虎雄』(平凡社)の文庫版になります。
しかし、著者<山岡淳一郎>によりますと、「文庫化に際し、これほど原稿を読み直し、加筆、改稿を重ねたことは過去になかった」そうです。そして出来上がった文庫本は、「まるで新たに書きおろした」ような作品に再生したとか。
徳洲会は日本最大級の病院グループです。1973年に<徳田虎雄>という一人の医師が徳田病院を開設したことに始まります。病院数71、職員3万3340人、年商は4600億円 (2019年3月現在)。<徳田虎雄>氏はこの巨大組織をいかにして作り上げたのか。その問いに正面から追求しています。
「たった一人の反乱」から始まった。高度経済成長のまっただなか、大都市圏でも夜間の救急患者を受け入れる病院は極めて少なかった。アメリカ帰りの<徳田虎雄>は、そこに単身乗り込み、年中無休、24時間誰でも診ると宣言。「日本中に病院を建てる」とぶち上げたのでした。患者を奪われると恐れた医師会の妨害、国政選挙への挑戦を経て、巨大病院グループを築いた<徳田虎雄>でしたが、既得権益を持つすべての存在が、彼の敵でした。選挙違反やグループの内紛、資金繰りと外資との相克、そしてALSという大病。次々と襲う困難にも、<徳田虎雄>は強靭な意志で立ち向かう。この男の戦いの軌跡を追った一冊でした。
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