今年の読書(58)『バビロンの秘文字(上)』堂場瞬一(中公文庫)
11月
15日
「里香」の安否を確かめるために「鷹見」は爆破されたビルに辿りつきますが、爆破現場から自転車で立ち去る「里香」の後ろ姿を目撃、連絡を入れても応答がありません。
「里香」には、シュメール語で書かれた未解読の粘土板<バビロン文書>を持ち出した疑いがあり、研究所のサーバーから<バビロン文書>に関わるデーターが消えていました。
必死に「里香」の行方を探す「鷹見」でしたが、「里香」からの連絡で、<バビロン文書>と呼ばれる粘土板を手に入れた「鷹見」は、研究所の署長から、ベルリンのシュメール語の学者「ハンセン」に会うために休暇届が出ていたことを知り、ベルリンへと出向きます。
「ハンセン」邸で、「里香」と偶然再会した「鷹見」でしたが、預かっていた粘土板を「里香」に奪われ、逃走されてしまいます。必死で追いかける「鷹見」でしたが、同じく祖国バビロンの再建のために粘土板の奪取を狙うラガーン人の強硬派の追っ手に追われ、「里香」は、ミサイル攻撃に会い、橋の上から車もろとも海に沈没してしまいます。
ニューヨークでは、イラン国内に4500年ぶりとなるバビロン国建国宣言がラガーン人の強硬派から出され、世間を驚かせます。
言語研究所の爆破でけがをした「里香」の同僚の「アイラ・リン」に面会しようと病院に出向いた「鷹見」でしたが、「アイラ・リン」はラガーン人らしき一味に拉致される現場に出会い、バイクで追跡する途中で衝突事故にあってしまい逃げられてしまいます。めまぐるしくヨーロッパを駆け巡り、行く先々でCIA、ロシア政府、地元警察・日本大使館員が介入してくる怒涛の幕開けの上巻(545ページ)は終わります。
恋人「里香」と同僚の「アイラ・リン」の安否は、粘土板<バビロン文書>の持つ意味とは、CIAとラガーン人の強硬派の動きも気になりながら下巻へ。