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今年の読書(49)『気候正義』宇佐美誠編著(勁草書房)

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これからの数世紀にわたり、地球温暖化問題が人類を悩ます最大の課題になることは間違いないことです。気候変動に伴う直接の災害にとどまらず、気温上昇に伴う疫病、居住に適さなくなった土地からのあふれ出る難民、政治紛争など、その影響は計り知れません。

それでも、現状は温暖化への政策対応は遅々として進んでいません。一般の関心は決して高いとはいえない状況です。選挙で具体的な争点になることはなく、新聞・テレビをみても、一応カバーしておかねばならない話題ではあるとしても、その扱いは市民たる者ある程度の知識は持っておこうよという程度のものです。

『気候正義』は、我が国を代表する法哲学者のひとりで、世代間問題の研究をリードしてきた京都大学の<宇佐美誠>教授によって編まれた論文集です。感情に働きかけることを通じ、温暖化問題への関心を高める類の著作ではありません。

温暖化問題への対応策を編み出すにあたって必要な「ものの考え方」について、世界の哲学者の間で交わされている議論を整理し、独自の思考を交えることで、我が国の読者の思考枠組みをステップアップすることを狙いとして編集されています。「ものの考え方」は、人の行動を内面から変えることで、世界の様相を一変する力を秘めています。本書を契機に温暖化問題への世間の関心が劇的に高まることはないでしょうが、「ものの考え方」を変えることを通じ、感情に訴えかけることにもまして、温暖化対策を進める力となることを期待しています。
#ブログ #単行本 #読書

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