神戸残像(122)黒田食品廃業@十一の奈良漬
4月
8日
漬物需要の減退などで近年は売り上げが半減。国内の食品商社を通じて輸入した中国産甘酢らっきょうから基準値を超える残留農薬が検出され、自主回収の資金や人材確保のめどが立たず、事業継続は困難と判断したといいます。
1963(昭和38)年に奈良漬けの真空パック化に成功、「十一の奈良漬」でその名を知られる関西を地盤とする食品メーカーです。同社が本社を置く神戸に近い阪神間が灘五郷で知られる日本酒の名産地であり、酒粕が容易に手に入ることから、長年にわたり奈良漬の製造を主としつつも、近年はそれ以外に「らっきょ」や「福神漬け」など様々な漬物を製造販売していました。
長いこと関西地域を地盤としていましたが、1994年に埼玉県蓮田市に関連会社「東京黒田食品(株)」を設立したのを契機に、関東方面にも進出しています。ちなみに同社の漬物は東京都港区新橋に店を構える「十一屋総本店」で販売されていました。