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- 今年の読書(50)『しんがり』清武英利(講談社+α文庫)
本書は1997(平成9)年11月22日、自主廃業に追い込まれた<山一証券>の清算業務に携わった<嘉本隆正>常務を中心とする12名のノンフィクションです。
当時の<野澤正平>社長の涙の会見はまだ記憶に新しく、また海外メディアにも大きく取り上げられました。
りっぱな本社ビルとは違い、目だたない場所に建つビルに監査部門があり、最後まで清算業務と会社内部で行われたいた<あんこ・花替え・飛ばし・握り>といった不正を調査しまとめたのは、社員たちからは「場末」や「姥捨て山」と呼ばれた部署の社員たちでした。
1997年12月19日に調査委員会が正式にスタート、1985年から約13年間にわたる会社の歴史を実名で検証していきますが、自らの就職活動も行わず無給で9か月、清算と社内調査をまとめる経過が委員会メンバーの家庭事情を挟みながらまとめられています。
清算チームの一員であった<長澤正雄>の「コンプライアンスは難しくない。常識的であることだ」の言葉が、三菱自動車による燃費不正問題があっただけに、印象に残りました。
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