今年の読書(40)『マスカレード・イブ』東野圭吾(集英社文庫)
3月
30日
中短篇4篇が収められていますが、「ホテル・コルテシア東京」のフロントクラークとして勤め始めた<山岸尚美>を主人公とする『それぞれの仮面』や『仮面と覆面』、警視庁の捜査一課の新米刑事として上司の<本宮>と組み、捜査のイロハを身に着けていく<新田>刑事を主人公とする『ルーキー登場』、そして本書のタイトルにもなっている『マスカレード・イブ』は、<山岸>も経験を重ね、新しく開業した「ホテル・コルテシア大阪」のフロント業務の教育に派遣され、<新田>刑事は所轄の生活安全課勤務の<穂積里沙>と組んで、大学教授の殺人事件の捜査を担当しています。
時系列的には前作 『マスカレード・ホテル』に登場する<山岸>と<新田>の新人時代が描かれており、最後のエピローグは 『マスカレード・ホテル』の事件につながる伏線として、前作を読んだ読者は「ニンマリ」とする終わり方でした。