『ジウ Ⅰ』 ・ 『ジウ Ⅱ』 と続き、本書でシリーズが完結します。
前作でSATの制圧一班の新隊長に任命された<伊崎基子>は、信用金庫強盗事件の強行作戦で壊滅的な被害を受けた部隊を立て直すべく、5名の新人メンバーと共に、新宿の街頭演説をする総理大臣の警護に当たります。作戦通り、暴動にまぎれて<伊崎>以下5名のメンバーは総理大臣を拉致、歌舞伎町に監禁して立てこもり、政府に対して歌舞伎町を「新世界」の名称で治外法権を要求してきます。
大きな企みを持つ「私」(=ミヤジ)に洗脳されている<伊崎>は、歌舞伎町で捜査をしていた刑事たちを射殺してしまいますが、隊員との会話で、自分が騙されて仲間に引き込まれたことを知り、首謀者の<ミヤジ>と<ジウ>に対して反撃に出ていきます。
一方<東弘樹>警部補は、SATの<小野>隊長や公安部の<間山>等を通じて警察内部に密告者がいることを突き止めて炙り出す作戦を成功させ、治外法権を目論んだ歌舞伎町の暴動を解決、首謀者<ミヤジ>と誘拐犯の主犯<ジウ>の野望はつぶれてしまいます。
最後まで<伊崎基子>に寄り添うとした<門倉美咲>でしたが、<ジウ>の死に間際の台詞から彼の心を理解し、憐憫な思いで誘拐事件に端を発した野望を振り返ります。
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