『楽園』(下)宮部みゆき(文春文庫)
2月
21日
調査の過程で<前畑>は、父親の<土井崎元>が、身の回りで借金を重ねていたのを知り、<茜>が当時付き合っていた<シゲ>と男の存在が浮かび上がり、どうやら<元>は彼に強請られていたのではないかと推理していきます。
そんな折、「あおぞら会」に参入した<秋津>刑事の妻から、不審な男の存在が分かり、それが<シゲ>と呼ばれた<三和明夫>だと判明、(上・下)巻に挿入されていた『断章』が、読者に大きな伏線だったことが分かり山場を迎えます。
<萩谷>家と<土井崎>家、そして<三和>家にまつわる親子の愛と憎しみが交錯する構成で、少しばかり切なさが残る事件の真相でした。