今年の読書(128)『新小岩パラダイス』又井健太(ハルキ文庫)
9月
20日
<泉>は、新小岩にあるシェアハウス「枝豆ハウス」に<正志>を連れて行き、そこの一員として引っ越してきます。
そこは、年齢・性別・国籍の違う20代から50代の個性的な面々が住まい、「お金が無く、貧しくても自分の好きなことができれば」という感覚で暮らしていました。
捨て子として両親を知らない<正志>は、それでも彼らの考え方とは同調できずに、「お金」への執着が捨てきれず、ある日養護施設時代の仲間<八木士郎>と出会い、投資話でお年寄りをだます詐欺グループの仕事に関わり始めます。
25歳という多感な年齢の<正志>の金銭感覚と、人生の目的とを対比させながら描かれた本書は、若者への応援歌として面白く読み終えれました。