『ガン病棟のピーターラビット』中島梓(ポプラ文庫)
8月
5日
著者は1991年に「乳がん」で一度癌手術をしていますが、17年後の2008年に「胆管がん(のちに膵臓がんとの診断)」が再発、入院から退院後までを綴ったエッセイ集です。
著者自らが、<「エッセイを読む」というのは、「その著者と膝をまじえて話をする」みたいなところがあって、>と書かれていますが、飾らない言葉の端々に作家の本性が見え隠れしながら、楽しめるのがエッセイの面白さだと思います。
あとがきで、<肝臓への転移が二つ、発見されてしまいました>と書かれていましたが、記録魔の著者としてはやくも心の機微を書き始めておられるのに、作家根性を垣間見るおもいで読み終えました。