今年の読書(110)『吼えろ!坂巻記者』仙川環(ハルキ文庫)
8月
7日
著者はデビュー作の『感染』をはじめとして、最近読んだ作品では 『治験』 ・ 『虚報』 という作品があり、<相場英雄>は「時事通信社」の記者で 『偽計』 と、新聞社を舞台に読み応えのある作品を残しています。
本書は「医学」関連から外れた新聞記者を主人公とする、お仕事小説です。
中央新聞入社5年目の「上原千穂」は、社会部から子育て問題や高齢者問題などの企画記事を主に扱う、生活情報部に異動となりました。文化的な仕事ができる、そんな期待をよそに、配属されたのは、部内に新設されたばかりのニュース出稿班でした。
しかも、直属の上司は、自分を曲げず、上層部にも煙たがられているというトンデモキャップの「坂巻武士」frした。「いつも理不尽な命令ばかり!」と不満たらたらな「千穂」でしたが、次第に「坂巻」のペースに巻き込まれていきます。