『心星ひとつ』<みをつくし料理帖>髙田郁(ハルキ文庫)
8月
20日
前作では料亭『つる家』の主人<種市>と、亡き娘<おつる>との過去が明かされましたが、本書では主人公<澪>の料理か料理人として大きく羽ばたくための難問が繰り出されてきます。
幼馴染の<野江(あさひ太夫)>の楼主<伝右衛門>は、吉原の中に料理屋を構えることを進め、かたやライバルである「登龍楼」の主人<采女宗馬>は、神田須田町の店を居抜きで売るとの話を持ちかけ<澪>は悩みますが、そのまま今の『つる家』に留まることを決意します。
反面、<早帆>と名乗る武家女と知り会い、これが秘かに心を寄せている<小松原(小野寺数馬)>の姉だとわかり、2年ほどの武家見習いの後、養子縁組をして<小松原>と添い遂げられる話しがすすみ、<小松原>の言葉に一度は承諾する<澪>ですが、最後の場面で料理か恋かに悩む場面で第6作目は終わります。