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- 今年の読書(63)『密命警視』南英男(文芸社文庫)
東京都内で現金輸送車が襲われ、警備のガードマンたちが射殺される強盗事件が連続して起こります。犯人は、中国人、イラン人、コロンビア人等のメンバーが絡んでいるようで、排他的な国籍同士なのに裏社会で何かが進行している様相をみせ、物語りは始まります。
危機感を覚えた警視総監は、直属の特別広域捜査班『隼』のキャップである<鰐沢賢>に捜査を依頼、事件の解決を指示します。
『隼』は、超法規の覆面捜査活動を行うメンバーで、<鰐沢>をはじめ、<梶浦雄司>、<森脇麻衣>の3名に加え、白井組若頭<笠原友行>、ヤメ検で弁護士事務所を開いている<畑秀樹>、語学を得意とする<峰岸淳一>の6名で捜査を進めていきます。
歌舞伎町を舞台に、中国系マフイアと日本の暴力団との抗争かと思われた図式が、二転三転していきますが、容赦なく相手を撃ち殺す<鰐沢>の行動は、小説の中だけの行動だと分かりながら、小気味よく読み切れました。
裏で糸を引く神戸の暴力団<山根組>の登場には、地元神戸の垂水(たるみ)の地名が出てきたりと余録もあり、楽しめたハード・サスペンスでした。
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