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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(49)『デンデラ』佐藤友哉(新潮文庫)

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今年の読書(49)『デンデラ』...
なんとも異色な小説と出会いました。
主人公の<斉藤カユ>は「村」の掟通り70歳を迎え、口減らしのために極楽浄土を願いながら『お参り場』に捨てられます。

ふと目を覚まし極楽浄土かと思った所は、『お参り場』に捨てられた老婆たちが密かに作り上げた『デンデラ』という共同体でした。
三十年前に捨てられた100歳の<三ツ屋メイ>を長として、50人ばかりの老婆たちが、恨みのある「村」をつぶそうとする襲撃派と、穏やかに死んでいきたい穏健派が対立していますが、<カユ>はどちらにも属しません。

そんな折、餌もなく冬眠できなかった背中に赤い毛がある「赤背」という子連れの雌熊が、餌を求めて『デンデラ』を襲います。
また、昔流行った疫病が再発し、次々に老婆達が亡くなっていきます。
50人の老婆達が「赤背」になぶり殺され、疫病で亡くなり、最後は6人だけが生き残り、<カユ>はある秘策を心に「赤背」との戦いに挑んでいきます。

姥捨て山といえば深沢七郎の『楢山節考』を思い出しますが、雌熊「赤背」との死闘を軸に、「村」に対する恨みだけで生き延びている老婆たちの生の悲しみが、胸に突き刺さる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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通りすがり
通りすがりさんからコメント
投稿日 2013-04-13 05:56

地震、大丈夫でしたか?

ワオ!と言っているユーザー

ファルコン
ファルコンさんからコメント
投稿日 2013-04-13 16:56

通りすがりさん、ありがとうございます。
大きく揺れましたが、何事もなく過ぎ去りました。
淡路島が震源地のようで、M6だとか。
交通等も平常通りですので、ご安心を。 (感謝)

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