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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(54)『れんげ荘』群ようこ(ハルキ文庫)

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今年の読書(54)『れんげ荘』...
有名広告店代理店に勤め、バブルで使い放題の接待費で毎日宴会、有名ブランドの服やバッグで身を飾っていた<ササカワキョウコ>(45歳)は、世間体を気にする価値観の母親と二人で、息詰まる生活を送っていました。
母親が70歳を超え、兄夫婦が母親と同居するのを機会に、会社も辞め仕事もせずに、月10万円だけで生活をしようと決心して、実家を飛び出します。

探しだしたのは、共同トイレと共同のシャワー室がある、月3万円の木造アパート「れんげ荘」です。
古いということで2階は空き家のまま、1階には60歳を超えた<クマガイ>さん、自称旅人と称する20歳過ぎの女性、割烹店にて板前修業中の<サトウ>くんが住んでいます。

引っ越した季節の良い春先から、梅雨時には押し入れにカビが生え、夏には蚊に悩まされ、冬には寒さに震え上がる不便な一年の生活を通して、お金では買えない心の贅沢さを感じてゆきます。

著者には『贅沢貧乏のマリア』という、『贅沢貧乏』を書かれた森茉莉さんの評伝がありますので、精神貴族としての森茉莉に触発された作品だと思います。

解説の中で岸葉子さんが、<生活のリズム化とは、削ぎ落としてゆくことだけではないのだ。だいじなの価値観の軸をシンプルにすること>と述べられていますが、まったく同感です。
自分自信の軸がぶれることなく、物質的な満足感など求めず、心の贅沢を感じる生き方で過ごしたいものです。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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エメラルド
エメラルドさんからコメント
投稿日 2012-04-28 05:01

私もだんだんこういう方向に進みつつあります。身の回りにある物はだんだん減らしていきたいですね。

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ファルコン
ファルコンさんからコメント
投稿日 2012-04-28 16:23

心の豊かさとは何かを、考える時期に来ていると思います。
こちらでは、夏場の電気量不足の話題ばかりですが、現在の生活を維持することばかりを考えているようで、根本的な解決策を誰も提案しません。
クーラーなどない時代も合ったのですから、使わない発想も必要でしょうねぇ。

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