「令和陸年(皇紀2684年)11月15日」
11月
15日,
2024年
《 雅羅・/・〝晩秋の果実〟❖ ’24-320 ❖ 》
関東以西〜九州のスギ林や竹林に生える腐生植物(菌従属栄養植物)。
茎は高さ2〜3cm。膜質鱗片がある。
花序は短縮し、茎頂から数個の花が束生状にでる。
花柄は長さ約2cm、果期には数倍に伸長する。
花は汚紫褐色。萼片は合着して先は3裂する。
花期は9〜10月。(山に咲く花)
《 特定できない 、判らない菌従属栄養植物〝黒八代蘭〟 》

クロヤツシロランは高知大学の澤助教授(当時)が、
1980年に新種として発表した草本。
花茎は地上部がほとんど伸びない。
花が暗紫褐色、葉は鱗片状で葉緑素はない。
果実になると花柄が40cm位まで伸びると図鑑等にあるが。。。
泉の森でこの10年来見れた種子茎は低かった。
クロヤツシロランは光合成を止めて、
地中のキノコ類(クヌギタケ科やホウライタケ科)
から栄養分を吸収するように進化した「菌従属栄養植物」。
そのため養分を作る葉は持たず、
花と種をつける短期間だけ地上に現れる。
地上ギリギリに咲く。受粉者のハチやチョウは飛来しない。
腐ったキノコの匂いを出してショウジョウバエを呼び寄せる。
クロヤツシロランの果実は見つけられるが、花を見たことがない。
頻繁に観察しないと出会いはない。今年も花を見損なった。
11月
14日,
2024年
《 雅羅・/・〝晩秋の樹実〟❖ ’24-319 ❖ 》

この樹の名前を知ったのは、20年以上前の事。
両親の話を聞いてであった。その後すっかり忘れて。。
親のメモを整理していて思い出したのである。
未だ見たことのない落葉低木。
地味な花らしいが、赤から黒く熟した実は綺麗。
それより関心を持ったのは、樹名の由来や用途。
メモには昔の丹波地方の伝聞や民族学者の話があった。
山仕事で枯れ木等の枝を結束するのに用いていた由。
“磯の木”という表現を見ると、海沿いを思うものだが、、!
自生している場所は、山間部が殆ど。関東では余り見ないらしい。
メモに、丹波地方では、イネを束ねるワラを“ユイソ”と呼んでいた。
“結いそ”という表現は、しなやかな枝を山仕事での結束に使っていた。
それが簡略され“ユ”が省略されて“イソノキ”として樹名が付いた。
命名の云われ由来は、定かではないがイソノキとは面白い名前だ。
11月
13日,
2024年
《 雅羅・/・〝里緑地の花 '11-3〟❖ ’24-318 ❖ 》
学名:Pertya scandens (Thunb.) Schultz-Bip.
synonym Pertya ovata Maximovicz
別名:キジカクシ
本州(関東地方以西)、四国、九州の山地の日当たりのよい林縁などに生え、
やや乾いた明るい雑木林の林床や林縁に見える、と図鑑等にある。
が、自生地環境に付いては場所や日陰等で色々な場所で見られる。
草本に見えるが、キク科木本に分類されている。面白い樹である。
花の付き方も注意しないといけない。
本年枝の先に直径1cmほどの頭花を1個ずつ付ける。
2年目以後の茎には葉が数個ずつ束生、縁には浅い鋸歯。
2年目以後の茎には花はつかない。興味深く観察している。
《 キク科の低木〝高野箒〟泉の森・クヌギの森下 》

5.コウヤボウキ属 Pertya Sch.Bip.
(佐々木あや子,『神植誌 01』:大場達之,図:佐々木あや子)
多年草または小低木.葉は互生.頭花は穂状,円錐状あるいは単生.
頭花は 1 個または 10 個内外の小花からなる.
総苞は鐘形で,総苞片は多列.小花はすべて筒状で,先は 5 裂し,裂片は反り返る.
痩果は縦肋があり,不同長多数のざらつく冠毛がある.
日本,中国,インドに 25 種が知られる.日本には 6 種.県内には 3 種と 1 雑種がある.
A.低木で,茎は分岐し,頭花は枝の先に 1 個ずつつく
B.頭花はその年に伸びた長い枝の先につく.花枝の葉は互生し有毛.
当年枝の葉は 5 対以上の突起状鋸歯がある.................................(1)コウヤボウキ
コウヤボウキ Pertya scandens (Thunb.) Sch.Bip.
小型の落葉低木.高さ 60~100cm.1 年生枝の葉は卵形,
2 年生枝の葉は節に束生し細い.いずれも 3 行脈があり,圧毛がある.
花は秋に咲き,頭花には 13 個位の小花がある.痩果は長さ 5.5mm.
長く伸びた先端近くの節から根をおろし,そこから発根して増えていく性質があり,
林床,林縁には群落しているところも見られる.冬芽は白い毛でおおわれる.
本州(関東地方以西),四国,九州;中国に分布.
シイ・カシ帯とブナ帯下部の乾いた林と,林縁に生える.
*
11月
12日,
2024年
《 雅羅・/・〝里緑地の花 '11-2〟❖ ’24-317 ❖ 》
11月
11日,
2024年
《 雅羅・/・〝里緑地の実 '11-1〟❖ ’24-316 ❖ 》
学名:Dumasia truncata Sieb. et Zucc.
別名: キツネササゲ
* ノササゲの花は、以前2021年7月10日に記した。 *
《眼福(157)“7月の泉の森(1)!?!》
11月
10日,
2024年
《 雅羅・/・〝里緑地の花 '11-1〟❖ ’24-315 ❖ 》
学名:Gentiana scabra Bunge var. buergeri (Miq.) Maxim. ex Franch. et Sav.
茎高20〜100cm、細い茎を直立または斜上させ長く伸び、4条線がある。
先端に青紫の花を複数つける。
葉は対生、卵状披針形、3脈がいちじるしく目立ち、長さ3〜8cm。
表面は緑色、裏面は淡緑色、先は長く尖り、基部は丸い。
縁には細かい突起がありややざらつき柄は無く両側から茎を抱く。
花は茎頂および上部の葉腋にかたまってつき、苞がある。
萼筒は長さ10~20mm、萼裂片は線状披針形で筒部より長・短あり開出する。
花冠は5裂し紫色、内面に茶褐色の斑点があり、長さ3〜4.5cm。
副片は三角形で小歯があり、子房の基部に5個の蜜腺がある。
花の重みのため、細い茎は地を這うことが多い。
開花直後は、雄蕊と雌蕊がまだ一つにまとまっている。
雄蕊5個、雌蕊1つで柱頭が2裂する。花期は9〜11月。
種子は紡錘形で、両端に短い尾がある。
種子は小さく1mmほど。薄い膜状の翼がある。
11月
9日,
2024年
《 雅羅・/・襍感〝庭の紅葉〟❖ ’24-314 ❖ 》
11月
8日,
2024年
《 雅羅・/・〝備忘録 24-52❖ ’24-313 ❖ 》

神奈川県内全域に自生。草地、樹林内、林縁などに生える。
山野の木陰に生え、枝の先に長い花穂をつける。
茎の断面は四角い(4稜形)、下向きに曲がった毛がある。
葉は対生し、長さ3~6㎝の広卵形、葉の基部は急に細くなり、
縁には粗い鋸歯があり翼のついた葉柄に続く。葉柄は長さ0.5~3.5㎝。
葉裏には腺点がある。花穂は次第に長くなり節ごとに何段にも花がつく。
節には小さな葉もある。花冠は青紫色で長さ7~9㎜の唇のような形。
上唇は濃紫色の班点が多数つき4裂して立ち上がる。
下唇は2裂して前に突き出る。下唇は内側に巻き、雄蕊と雌蕊を包む。
下唇の縁が内巻きになって舟形に突き出す。
雄蕊、雌蕊とも花冠より短くて見えない。
萼は長さ2.5~3㎜、短毛が密生し先が5裂して5個の萼歯がほぼ同長、果時には大きくなる。
果実は4分果、熟すと紫色~褐色になる。分果は長さ約1.5㎜。
ハッカの名前がついているが、ほとんど香りはない。
白花品はシロバナヤマハッカという。

(1)ヤマハッカ Isodon inflexus (Thunb.) Kudô
多年草.茎は高さ 40~100cm.葉柄は長さ 0.5~3cm.
葉身は長楕円形または披針形,長さ 3~6cm,幅 2~4cm,
基部は葉柄にながれる.花は 9~10 月.
花冠は長さ 6~7mm.萼には密に短毛が生える.
北海道,本州,四国,九州;朝鮮半島,中国(中部~東北部)に分布する.
県内ではほぼ全域に分布し,シイ・カシ帯~ブナ帯までの沖積地~山地の草地,
樹林内,林縁などに生える.
白花品をシロバナヤマハッカ form. leucanthus (Nakai) H.Hara といい,
県内では厚木市,南足柄市,伊勢原市などで採集されている.
基礎異名の Amethystanthus inflexus (Thunb.) Nakai form.
leucanthus Nakai in Bot. Mag. Tokyo 48:
786 (1934) の基準産地は武蔵横浜.
* *
泉の森に自生しているが、ひと目に触れない、否、気付かない程に小さな花。
それ故、生き延びてきたようだが・・・!
昨今、袖群落箇所の一括的下草刈り処理が行われて、貴重な野草も刈られていた。
貴重・希少な植物保護・保全に奔走されている人々が居られる。
植物観察、希少・貴重種を探して居られる姿勢に畏敬の念を禁じ得ない。
泉の森は、驚くほどに特異な環境と映る。
「令和陸年(皇紀2684年)11月08日」
11月
7日,
2024年
《 雅羅・/・〝備忘録 24-51❖ ’24-312 ❖ 》

良く分枝し草丈50cm前後。茎は四角形断面で軟毛がある。
葉は対生、長さ3〜9cm、幅1〜4cmの卵形で先は尖り縁には鋸歯がある。
9~10月に枝先や葉腋から4cm程の花穂を伸ばす。
唇形で先端が細裂する0.5cm程の淡紅紫色の花を一方向だけに付ける。
花は下から上に咲きあがる。花冠は長さ約5mmの唇形。
縁は細かく裂け、毛が生えているように見え、花の反対側に苞が整然と並ぶ。
苞は中心部がもっとも幅広く、縁に短毛があるが、背面は無毛。
雄蕊は4本、下の2本が長く花冠より付き出る。全草に強い臭気がある。
果実は4分果。分果は長さ約1㎜の狭卵形で茶色。
《 どことなくシソ科・・〝薙刀香需〟泉の森1990年代》

17.ナギナタコウジュ属 Elsholtzia Willd.(関口克己,図:関口克己)
草本,半低木,または低木.葉は鋸歯がある.
花は一方に偏った穂状または円錐花序につく.
苞は果時まで残り,披針形,卵形,偏円形,または扇形.
花冠は白色,淡黄色,淡紫色,または淡紅色で 2 唇形.
上唇は直立して先端がやや凹み,下唇は 3 裂して中央裂片が大きい.
雄しべは 4 本で花冠より突出して下側の 2 本が長い.
萼はほぼ等しく 5 浅裂する.分果は卵球形~長円形.
アジア,ヨーロッパ,北アフリカに約 40 種があり,
日本には 3 種があり,県内には 2 種がある.
A.花穂の直径は 5~7mm.苞は偏円形で中央付近の幅が最大.
外面は殆ど無毛で縁に短い毛がある.........................................(1)ナギナタコウジュ
A.花穂の直径は約 10mm.苞は扇状の扁円形で中央よりも先の幅が最大.
外面,特に脈上に短毛があり,縁に長い毛がある
(2)フトボナギナタコウジュ
(1)ナギナタコウジュ Elsholtzia ciliata (Thunb.) Hyl.
1 年草.茎は高さ 15~60cm で直立し,下向きの毛が密生する.
葉柄は長さ 0.5~3cm,葉身は長さ 3~9cm,幅 1~4cm,卵形または卵状楕円形.
鋸歯はほぼ鈍頭.花は 9~10 月.仮輪の花はふつう 3 個.苞は腺点がある.
花冠は長さ 3~5mm,淡紅色で外面に短い白毛が多数生える.
萼は花時に長さ 2mm,果時には長さ 3~4mm で外面に白毛が密生する.
分果は狭倒卵形,長さ約 1mm でやや偏平.
北海道,本州,四国,九州;ユーラシア大陸に広く分布する.
県内ではほぼ全域に分布し,
シイ・カシ帯~ブナ帯の沖積地~山地の路傍や林縁などに生える.
(2)フトボナギナタコウジュ Elsholtzia nipponica Ohwi
1 年草.茎は直立し,高さ 30~80cm,下向きの毛が密生する.
葉柄は長さ 1~5cm.葉身は卵形で長さ 2.5~7cm,幅 1.5~4cm,
鋸歯は鈍頭~やや鋭頭で先端付近が外側に反るため,
前種よりも鋭くみえ,上面や下面中肋に毛が生え,下面に腺点が密生する.
花は 9~11 月.苞には多数の明瞭な腺点がある.仮輪の花はふつう 5 個.
花冠は長さ3~5mm,淡紅色で外面に白毛が多数生える.
萼は花時に長さ 2mm,果時には長さ 4mm で外面に白毛が密生する.
本州(福島県以西),四国,九州に分布する.
丘陵地~山地の路傍や林縁などに生える.
県内では箱根や丹沢南面を中心にシイ・カシ帯~ブナ帯に分布する.
* *
花名由来は、花穂がナギナタのような形をしており、
香りが漢方の香薷(こうじゅ)に似ている事による。
「令和陸年(皇紀2684年)11月07日」
11月
6日,
2024年
《 雅羅・/・〝備忘録 24-50❖ ’24-311 ❖ 》

本州(長野、愛知、岐阜)に自生・分布する(神奈川県内に自生は無い)。
山地の湿地に見えるが、栽培され公園樹や街路樹としてはよく見る。
樹皮は淡灰褐色。若いうちは滑らかだが、縦の縞模様ができる。
大きくなると、浅く裂け、剥がれるようになる。
葉は対生し、葉身は倒卵形。基部から3主脈が出て、浅く3裂するする。
縁には不揃いの鋸歯がある。雌雄異株。3~4月、葉に先立って花が開く。
花は束生し、紅色。樹全体が赤く見える。
雌花だともみえる種子。カエデの仲間は、きれいに目を楽しませてくれる。
花の後、種子が早く形成するが、熟すのは遅い。秋には紅葉もする。
カエデ科 は現在のAPG分類ではムクロジ科に含められた。
トウカエデは幹の樹皮が短冊状に剥がれ、葉が浅く3裂し、全縁。
ウリカエデは幹に黒い縦縞があり、菱形の割目が入る。
葉裏の脈腋の薄膜はなく、赤褐色の毛がある。
ホソエカエデは幹がウリハダガエデによく似ている。
葉裏の脈には薄膜がつくが、赤褐色の短毛はない。
小花柄が1㎝以上あり、細い。
《 この時期、紅葉として賑をみせる〝花楓〟》
** 神奈川県植物誌 **
《12.ハナノキ節 Sect. Rubra Pax》
*アメリカハナノキ Acer rubrum L.
別名ベニカエデ.雌雄異株の落葉高木.
葉は卵形~楕円形で 3 浅裂するものが混じる.
葉下面粉白色,鋸歯は日本のハナノキに比しやや低平.
花芽から多数の花を垂下.果梗は 2~5cm.
分離翼果は開度 40~55 度の狭角に開く.
アメリカ東部原産で公園木や街路樹として賞用.
本州中部(長野県,岐阜県,愛知県)に自生のあるハナノキ
(ハナカエデ)A. pycnanthum K.Koch は大変よく似た種,
アメリカ産と識別は難しい.日本のものを変種にする説がある.
* *