《 雅羅・/・〝晩秋の樹葉〟❖ ’24-322 ❖ 》

エノキ(榎木) アサ科(Can... エノキ(榎木) アサ科(Cannabaceae)
学名:Celtis sinensis Pers.
synonym Celtis sinensis Pers. var. japonica Nakai
別名:エ、エノミノキ、エンノキ、ヨノキ等

エノキ(榎木);
近在の社寺境内、公園、山地に普通に見られる。
大木になると、1本でも林のような大きな梢を作る。
大木に育つが先駆種で暗い樹林内では育たない。
林縁部や新しく開けた場所に多く見える。
樹皮は厚く灰黒色ぽい小さな皮目でざらざら感がある。
横方向に皺がより象の皮膚の様にも見える。
葉は互生、左右不同の広卵形または楕円形。
縁の上部に鋸歯がある。葉の基部から出る3脈が目立つ。
これがエノキの葉の特徴。雌雄同株、雄花・両性花。
4月に新枝の下部あるいは葉腋に雄花をつける。
そして、新枝上部の葉腋に両性花が付く。
枝の上で雄蕊の開いていない花が両性花で雄花が早く開花。
果実は核果で10月頃に赤褐色に熟す。種子は果実に比べ大きい。
食べる部分は少ないが、小鳥の好物の様で結果、鳥の広散布になる。
昔は、子供のおやつだった由。
種子の表面に皺があり、ひび割れ模様ができる。
鳥の消化器を通過できるように堅い(自然界の妙)。
1年枝は、春になるとすべての芽から一斉に芽吹く。
しかし基部の方の枝はあまり成長せず、翌年には枯れてしまう。
エノキの黄葉。ケヤキより葉が厚く、艶のある黄色は鮮やか。
エノキノ花は、ケヤキの花と良く似て識別が難しい(私自身だが)。
葉は、葉脈の形で識別できる。


《 黄葉が眩しい。輝いて魅せる木〝榎木〟 泉の森 》
**  神奈川県植物誌  **... **  神奈川県植物誌  **
エノキ Celtis sinensis Pers.;
C. sinensis var. japonica (Planch.) Nakai; C. japonica Planch. in DC. Prodr.
17: 172 (1873)の基準産地の 1 つは横浜.
樹皮は灰褐色.1 年生枝には軟毛がある.
葉は左右不同で,先の方半分に鋸歯があり,長さ 5~9cm,
上面はほとんど無毛,側脈は 3~4 対で先端は鋸歯に達しない.
冬芽は軟毛があり,芽鱗は 2 対.雌雄同株.花期は 4~5 月.
果柄は長さ 0.5~1.5cm,果実は赤褐色に熟し,
直径 6~8mm で食べられる.材は建築,器具などに用いられる.
本州,四国,九州;朝鮮,中国の暖帯~温帯に分布.
人里に多く,昔から一里塚として街道沿いに植栽された.
県内ではブナ帯を除いて広く分布する.

「余録」
 「一里塚」・・一里塚を広辞苑で調べると
「街道の両側に一里ごとに土を盛り里程の目標にした塚。多く榎を植えた。」
古くは平安時代末期に奥州藤原氏が里程標を立てたのが始まりとされる。
室町時代の一休和尚の歌に
「門松は冥土の旅の一里塚 目出度くもあり目出度くもなし」があり、
一里塚の言葉は一般化していたことが分かる。
江戸時代に主要街道の整備と共に一里塚も整備された。
その整備の際に、並木としては松や杉を植え、
一里塚にはエノキが植えられた。
エノキは成長が早く枝を繁らせ、
よく根を張るので塚の土盛りが崩れるのを防ぐので
採用されたと解釈できるが、いろいろな説がある。
当時の総奉行大久保長安が
「一里塚には余の木(松以外の木)を植よ」
との家康の命を聞き誤りエノキを植えた、
という説が面白いとしてあちこちで紹介されている。
明治36年刊行の「大日本有用樹木効用編」には、
エノキは生でも燃えやすいので軍事上、
夜戦のときに使うことができるとして
植えられたという説が紹介されている。
実際に五街道の一里塚の樹種を調べるとエノキは過半数(55%)を占め、
以下、松、杉、栗、桜と続くようだ。
塚の大きさは一般に五間(9m)四方、高さは一丈(3m)で、
道の両側に作られたのでかなり大がかりなものだった。
現在でも各地域の史跡として保存されている場所が多い。
地名にも笹塚など「塚」の字が残っている。
一里塚は一里約3.9Kmごとに設けられた。
同様の目的で作られたものは他の国(単位)にもあり、
マイルストーンとかキロポストと呼ばれる。
マイルストーンはその名の通り1マイルごとに石の構造物が置かれた。
ローマ帝国のアッピア街道が始まりとされる。
古代ローマの1マイルは1000歩の距離で約1.5Kmとされ、
現在の国際マイルは約1.6Kmである。
一里塚もマイルストーンも、
大きなプロジェクトの途中の区切りの比喩で用いられることが多い。


「令和陸年(皇紀2684年)11月17日」
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《 雅羅・/・〝晩秋の樹実〟❖ ’24-321 ❖ 》

ムラサキシキブ(紫式部) クマ... ムラサキシキブ(紫式部) クマツヅラ科(Verbenaceae)
学名:Callicarpa japonica Thunb. ex Murray
別名:ミムラサキ、コメゴメ
ムラサキシキブ(紫式部);ムラ... ムラサキシキブ(紫式部);ムラサキシキブ属、落葉低木
北海道、本州、四国、九州、沖縄、と全国各地で普通に見られる。
山野の林内や林縁に生え、樹高3m前後。樹(枝)皮は灰褐色。
はじめ細かい星状毛があるが、のちに無毛。皮目は縦長の楕円形。
幹は、灰褐色で枝は真っ直ぐに斜上する。
樹幹自体、真っ直ぐで堅く強い。道具の柄や杖、箸に用いられた。
葉は対生し、葉身は楕円形または長楕円形で、薄い洋紙質。
両端は次第に尖り、縁全体に細かい鋸歯があり両面とも無毛。
裏面には淡褐色の腺点が散在する。葉柄は長さ2〜7mm。
6~7月に葉腋から集散花序を上向きに出し、
淡紫色の花を多数開く(コムラサキより花の密度は少ない)。
花冠は長さ3〜5mm、上部は4裂し、裂片は平開する。
花弁は筒状で4裂、雄蕊4本、雌蕊1本。
雄蕊、雌蕊ともに花冠の外へ長く突き出る。
10月~11月に、球形の果実(核果)が紫色に熟す。
核果は直径3~5㎜、核(種子)は長さ2~2.5㎜、淡褐色。
落葉後も果実は残る。
属名のCallicarpaは「美しい果実」の意。
英名は、Japanese beauty-berry「日本の美しい実」。
葉は、気候条件によって黄葉の色合いは異なる。
似た仲間にコムラサキやヤブムラサキがある。
更にはヤブムラサキとの交雑種にイヌムラサキシキブがあり、
葉の裏面に星状毛が残る。
ムラサキシキブ・・・葉の鋸歯はほぼ全体。花序は腋生かわずかに上から出る。
コムラサキ・・・・・葉の鋸歯は上方のみ。花序は葉腋より少し上から出る。



《 果実と黄葉の色合いが綺麗な〝紫式部〟 》
《 雅羅・/・〝晩秋の樹実〟❖...
《 雅羅・/・〝晩秋の樹実〟❖...
**  神奈川県植物誌  **... **  神奈川県植物誌  **
1.ムラサキシキブ属 Callicarpa L.(関口克己,『神植誌 01』:城川四郎,図:城川四郎)
高木または低木,葉は対生し,腺点をもつものが多い.
花は葉腋から出る集散花序につく.花冠は短い筒部があり先は 4 裂する.
雄しべは 4 個,同長で花冠につく.柱頭は 2 裂,核果は球形.
世界に約 140 種,ヨーロッパ,北アメリカ,アジアに広く分布する.
日本には 6 種がある.県内には 2 種が自生し,逸出が 1 種ある.
A.枝,葉,花序は萼とともに密に星状毛があり,萼は深裂する.
葉の両面に腺点がある ..............(1)ヤブムラサキ
A.新芽や花序には星状毛が目立つが,他はほとんど無毛に近い.
萼は浅く裂け低い 4 歯をもつ.葉は下面だけ腺点がある
B.花序は腋芽に接するか,またはやや腋芽の上から出る.
鋸歯は葉の基部近くから出る
C.有花枝の葉は長さ 14cm 以下,葉面に光沢はない(無花枝の葉は長さ 15cm を超えることもある).
山地~丘陵に生える........................................................................(2a)ムラサキシキブ
C.有花枝の葉は長さ 15cm を超え,枝も太く,葉面はやや光沢がある.
海岸近くに生える....................................................................(2b)オオムラサキシキブ
B.花序は腋芽の上から出る.
鋸歯は葉の半分から上に出てやや粗い .............................................(3)コムラサキ
(1)ヤブムラサキ Callicarpa mollis Siebold & Zucc.
落葉低木.全体に星状毛が多いが,葉の上面は単純短毛がある.
本州(宮城県以西),四国,九州;朝鮮半島に分布する.
県内では箱根,丹沢,小仏山地,多摩丘陵,三浦半島に分布するが,
沖積地にはほとんど見られない.特に葉の小型のものをコバノヤブムラサキ
form. ramosissima (Nakai) W.T.Lee という.
標本:コバノヤブムラサキ 湯河原町 1985.5.23 山口育子 KPM-NA1018296;
厚木市七沢 1996.5.15 諏訪哲夫 ACM-PL007282.
(2a)ムラサキシキブ Callicarpa japonica Thunb. var. japonica
落葉低木.花も果実も淡紫色で,特に果実の優美さを才媛,
紫式部の名をかりて美化したものという.
成葉では全体ほぼ無毛であるが,脈腋には微細な星状毛が残る.
毛の量はかなり変異がある.
北海道,本州,四国,九州;中国,朝鮮半島に分布.
県内では全域にごく普通に分布する.
小葉品をコバムラサキシキブ form. taquetii (H.Lèv.)Ohwi といい,
本品種は山地分布である.
特に箱根に典型的な小葉品の分布が多いが,開花個体はほとんど見られな
い.
果実の白くなるものをシロシキブ form. albibacca H.Hara という.
(2b)オオムラサキシキブ Callicarpa japonica Thunb. var. luxurians Rehder
前種の海岸型である.花序がやや腋上性の傾向がある.
ムラサキシキブとの中間形があり連続する.
本州,四国,九州に分布する.県内では沿海地を中心に分布している.
→(3)コムラサキ Callicarpa dichotoma (Lour.) K.Koch
落葉低木.ムラサキシキブの名でよく栽培されている.
果実が白色に熟するものもある.
箱根,丹沢,三浦半島以外の地域で採集されているが,
県内に自生していたものではなく,栽培品の逸出と考えられる.
雑種
1)イヌムラサキシキブ Callicarpa ×shirasawana Makino
ムラサキシキブとヤブムラサキとの雑種と考えられる.
ヤブムラサキに比べ各部の星状毛が少なく萼は中裂する.
横浜市,川崎市,相模原市などで採集されている.


「余録」
ムラサキシキブ名に付いて興味深い資料がある。
江戸期・町人文化の粋、化政文化(1804年-1830年)時代。
園芸の隆盛を極めた頃に記された文献に『本草綱目啓蒙』がある。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』(1806)32 紫荊の条に、
「ヤマムラサキト云、一名ムラサキシキミ 紫式部 タマムラサキ
 コメウツギ紀州 コメゴメノ木越後」。
この文面で、“一名ムラサキシキミ”に関心を持った。
ムラサキシキミ「紫重実」と書くが、重実とは実が重なり合うを意味する。
紫の実が重畳と重なり合うように稔る様だが、ムラサキシキブの同義語。
京都地方に伝わる古くからの呼び名。
こうした呼び名が、いつしか紫式部に落ち着いたか。和の美的表現。
 
 
 
「令和陸年(皇紀2684年)11月16日」
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《 雅羅・/・〝晩秋の果実〟❖ ’24-320 ❖ 》

クロヤツシロラン(黒八代蘭) ... クロヤツシロラン(黒八代蘭) ラン科(Orchidaceae)
学名:Gastrodia pubilabiata
クロヤツシロラン(黒八代蘭);... クロヤツシロラン(黒八代蘭);オニノヤガラ属 多年草
関東以西〜九州のスギ林や竹林に生える腐生植物(菌従属栄養植物)。
茎は高さ2〜3cm。膜質鱗片がある。
花序は短縮し、茎頂から数個の花が束生状にでる。
花柄は長さ約2cm、果期には数倍に伸長する。
花は汚紫褐色。萼片は合着して先は3裂する。
花期は9〜10月。(山に咲く花)


《 特定できない 、判らない菌従属栄養植物〝黒八代蘭〟 》
**  神奈川県植物誌  **... **  神奈川県植物誌  **
(3)アキザキヤツシロラン Gastrodia confusa Honda & Tuyama
植物全体が通常緑褐色.
地下には短毛におおわれ,
また環状線のある蛹状の塊茎とうじ虫状の小体が多数ある.
梅雨期には黄褐色をした糸状の根状器官を盛んに伸ばす.
開花時の茎は高さ 3.5~15cm とクロヤツシロランより高く出る.
花期は 9~10 月.花は茎頂に 2~8 個つけ半開性.
萼片は合着し表面にいぼ状の小突起がある.
側花弁は背萼片と側萼片の合着部分に癒着し萼片より短い.
唇弁はほとんど黄白色であるが先端部と基部の横じわは橙色.
基部には 2 個の横に長いいぼ状隆起がある.
また,前部は卵形で先が細く,表面に二股の隆起線がある.
花柄は花後急速に伸び 40cm くらいになる.蒴果は細い紡錘形.
本州(茨城県以西),四国,九州;朝鮮(済州島)に分布する.
マダケやモウソウチクなどの竹林に生育する.
県内では南部の沿海地を中心に点在している.
(4)クロヤツシロラン Gastrodia pubilabiata Y.Sawa
アキザキヤツシロランによく似た種であるが,植物全体が暗紫褐色.
開花時の茎は高さ 1~3cm.花期は 9~10 月.
花は茎頂に 1~8 個つけ平開性.側花弁は狭楕円形.
唇弁の基部にある 1 対の球体の表面は網毛状突起に被われ,
先端には黒褐色をした 2 個の隆起線がある.蒴果は細い紡錘形.
本州(千葉県以西),四国(徳島県,高知県),
九州(福岡県,宮崎県,鹿児島県)に分布する.
アキザキヤツシロランと同じ竹林に混生する場合もある.
県内では南部の沿海地から多摩丘陵までの内陸部杉林,竹林,
ときに広葉樹林に広く点在し,
寄生菌の多様性からアキザキヤツシロランよりもはるかに多い.
花期以外はアキザキヤツシロラン... 花期以外はアキザキヤツシロランとの識別が難しい。
クロヤツシロランは高知大学の澤助教授(当時)が、
1980年に新種として発表した草本。
花茎は地上部がほとんど伸びない。
花が暗紫褐色、葉は鱗片状で葉緑素はない。
果実になると花柄が40cm位まで伸びると図鑑等にあるが。。。
泉の森でこの10年来見れた種子茎は低かった。
クロヤツシロランは光合成を止めて、
地中のキノコ類(クヌギタケ科やホウライタケ科)
から栄養分を吸収するように進化した「菌従属栄養植物」。
そのため養分を作る葉は持たず、
花と種をつける短期間だけ地上に現れる。
地上ギリギリに咲く。受粉者のハチやチョウは飛来しない。
腐ったキノコの匂いを出してショウジョウバエを呼び寄せる。
クロヤツシロランの果実は見つけられるが、花を見たことがない。
頻繁に観察しないと出会いはない。今年も花を見損なった。
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《 雅羅・/・〝晩秋の樹実〟❖ ’24-319 ❖ 》

イソノキ(磯の木) クロウメモ... イソノキ(磯の木) クロウメモドキ科(Rhamnaceae )
学名:Rhamnus crenata Sieb. et Zucc.
 synonym Frangula crenata (Siebold & Zucc.) Miq.
イソノキ(磯の木); クロウメ... イソノキ(磯の木); クロウメモドキ属
この樹の名前を知ったのは、20年以上前の事。
両親の話を聞いてであった。その後すっかり忘れて。。
親のメモを整理していて思い出したのである。
未だ見たことのない落葉低木。
地味な花らしいが、赤から黒く熟した実は綺麗。
それより関心を持ったのは、樹名の由来や用途。
メモには昔の丹波地方の伝聞や民族学者の話があった。
山仕事で枯れ木等の枝を結束するのに用いていた由。
“磯の木”という表現を見ると、海沿いを思うものだが、、!
自生している場所は、山間部が殆ど。関東では余り見ないらしい。
メモに、丹波地方では、イネを束ねるワラを“ユイソ”と呼んでいた。
“結いそ”という表現は、しなやかな枝を山仕事での結束に使っていた。
それが簡略され“ユ”が省略されて“イソノキ”として樹名が付いた。
命名の云われ由来は、定かではないがイソノキとは面白い名前だ。
秋・・深くなると葉が魅せる紅葉... 秋・・深くなると葉が魅せる紅葉。。。!


《  神奈川県には自生していない樹〝イソノキ〟 》
**  神奈川県植物誌  **... **  神奈川県植物誌  **
イソノキ Rhamnus crenata Siebold. & Zucc.;
Frangula crenata (Siebold & Zucc.) Miq.
落葉低木.葉は倒卵楕円形で福島県など
寒冷地の湿原産などはほとんど無毛.
暖地産のものは乾燥した常緑樹林内やアカマツ林内にもあり,
葉の短軟毛がやや密生し,成葉にも毛が残る.
集散花序は腋生し,花は 5 数性.
果実は黒く熟し,3 個の核がある.
本州,四国,九州;朝鮮,中国に分布.
会津など寒冷地では山中の中位湿原中にある.
関東地方では稀で,静岡県ではやや普通にある.県内では未確認.

若い実・赤く熟した実・・黒く完... 若い実・赤く熟した実・・黒く完熟した実。
以上のすべての画像は、借り物。是非に出会いたい低木。
植物を調べていると、風土・環境、歴史・民族学まで学べる。

「令和陸年(皇紀2684年)11月14日」
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《 雅羅・/・〝里緑地の花 '11-3〟❖ ’24-318 ❖ 》

コウヤボウキ(高野箒) キク科... コウヤボウキ(高野箒) キク科(Asteraceae)
学名:Pertya scandens (Thunb.) Schultz-Bip.
synonym Pertya ovata Maximovicz
別名:キジカクシ
コウヤボウキ(高野箒); 本州... コウヤボウキ(高野箒);
本州(関東地方以西)、四国、九州の山地の日当たりのよい林縁などに生え、
やや乾いた明るい雑木林の林床や林縁に見える、と図鑑等にある。
が、自生地環境に付いては場所や日陰等で色々な場所で見られる。
草本に見えるが、キク科木本に分類されている。面白い樹である。
花の付き方も注意しないといけない。
本年枝の先に直径1cmほどの頭花を1個ずつ付ける。
2年目以後の茎には葉が数個ずつ束生、縁には浅い鋸歯。
2年目以後の茎には花はつかない。興味深く観察している。


《  キク科の低木〝高野箒〟泉の森・クヌギの森下  》
** 神奈川県植物誌 ** 5... ** 神奈川県植物誌 **
5.コウヤボウキ属 Pertya Sch.Bip.
(佐々木あや子,『神植誌 01』:大場達之,図:佐々木あや子)
多年草または小低木.葉は互生.頭花は穂状,円錐状あるいは単生.
頭花は 1 個または 10 個内外の小花からなる.
総苞は鐘形で,総苞片は多列.小花はすべて筒状で,先は 5 裂し,裂片は反り返る.
痩果は縦肋があり,不同長多数のざらつく冠毛がある.
日本,中国,インドに 25 種が知られる.日本には 6 種.県内には 3 種と 1 雑種がある.
A.低木で,茎は分岐し,頭花は枝の先に 1 個ずつつく
B.頭花はその年に伸びた長い枝の先につく.花枝の葉は互生し有毛.
当年枝の葉は 5 対以上の突起状鋸歯がある.................................(1)コウヤボウキ
コウヤボウキ Pertya scandens (Thunb.) Sch.Bip.
小型の落葉低木.高さ 60~100cm.1 年生枝の葉は卵形,
2 年生枝の葉は節に束生し細い.いずれも 3 行脈があり,圧毛がある.
花は秋に咲き,頭花には 13 個位の小花がある.痩果は長さ 5.5mm.
長く伸びた先端近くの節から根をおろし,そこから発根して増えていく性質があり,
林床,林縁には群落しているところも見られる.冬芽は白い毛でおおわれる.
本州(関東地方以西),四国,九州;中国に分布.
シイ・カシ帯とブナ帯下部の乾いた林と,林縁に生える.


泉の森も野草の花が少なくなる時... 泉の森も野草の花が少なくなる時期に楚々と咲いている。
近くにコツクバネウツギが見える。
同時期に咲いたら面白い、などと思った。
ひっそりと咲いている姿、散歩の人々は見向きもしない。
それほど気づかない場所。

「令和陸年(皇紀2684年)11月13日」
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《 雅羅・/・〝里緑地の花 '11-2〟❖ ’24-317 ❖ 》

泉の森で〝トリカブト属〟とおぼ... 泉の森で〝トリカブト属〟とおぼしき茎・花が立っている。
立派な姿に驚く。この場所で・・・?自然・自生したのか??
而して種別、花名特定できない(己の知識不足)。
泉の森には、観察調査されてる見識者おられる。情報を待ちたい。
観る楽しみ・調べる楽しみはあるが、目の衰え(老化)がひどい。
識者の特定を待ちたい。情報不足(私的)。
だが散策の楽しみは、倍加する。それにしても泉の森は楽しい場所だ。
帽子の高さが高くは、あるまいか... 帽子の高さが高くは、あるまいか!?!。撮影の仕方問題はあるだろうが。
葉の形状もつぶさに判らない。 ... 葉の形状もつぶさに判らない。



《  特定できない花〝トリカブト属〟泉の森・山野草園  》
葉の形も微妙に違う。 葉の形も微妙に違う。
分布図を観ると。。。? 分布図を観ると。。。?
**  神奈川県植物誌  **... **  神奈川県植物誌  **

A111 キンポウゲ科 RANUNCULACEAE

11.トリカブト属 Aconitum L.
日本の種類はすべて多年草で,多年生の根茎をもつレイジンソウ亜属 subgen. Lycoctonum と,2 年生の塊根をも
つトリカブト亜属 subgen. Aconitum に大別される.茎は斜上あるいは直立,ときにつる状になる.葉は掌状に 3 深
裂~3 全裂し,裂片は欠刻するか鋸歯がある.花序は有限あるいは無限,頂生または腋生し,総状~散房~円錐花
序となる.花は淡紅紫色~青紫色または黄色,稀に白色.左右相称で,1 個の上萼片(かぶと),1 対の側萼片,1対の蜜弁(花弁),多数の雄しべ,3~5 個の雌しべからなる.花糸は中部以下が翼状に広がり,縁は先端が多少と
も尖り,歯となる.果実は袋果,種子には翼がある.北半球の温帯~寒帯に約 300 種が分布し,中国西南部が分布
の中心.日本には 19 種,県内の独立種としては 3 種がある.
トリカブト類の形態による識別は Kadota(1987)によってよく整理されたが,雑種や生態型と見られるものは変
異が連続的で,識別は困難である.ただし,県内の平地から低山地で最も多く見られるツクバトリカブトとヤマト
リカブトは,葉の形態で比較的容易に識別が可能である.
文献: 門田裕一 , 1983. 茨城県植物ノート(1):Aconitum. 筑波実験植物園研究報告 , (2): 93-107.
Kadota,Y., 1987. A Revision of Aconitum Subgenus Aconitum (Ranunculaceae) of East Asia. xvii + 249pp., 65pls.
Sanwa Shoyaku, Utsunomiya.
A.地下部は多年生の根茎.かぶとは明らかに幅より高さの方が大きい.蜜弁の舷部は細く,膨大しない.花柄に
は粗面屈毛が生える.花は淡紅紫色.根生葉は花時に宿存する ...........................................(1)アズマレイジンソウ
A.地下部は 2 年生の塊根,かぶとは高さより幅の方が大きい.蜜弁の舷部は太く,膨大する.花は濃青紫色~淡青紫色,
稀に黄白色~白色,根生葉は花時に宿存しない
B.花柄は無毛,葉は 3 深裂~3 全裂,裂片は粗い鋸歯があるか欠刻する ...........................................(2)カワチブシ
B.花柄は有毛,葉は 3 中裂~3 全裂,裂片は欠刻する
C.花柄には粗面屈毛のみが全面に密生する
D.葉は 3 深裂~3 中裂する.左右裂片の欠刻は比較的浅い傾向がある .............................(3a)ヤマトリカブト
D.葉は 3 全裂~3 深裂する.左右裂片の欠刻は比較的深い傾向がある .........................(3b)ツクバトリカブト
C.花柄には粗面屈毛と滑面開出毛の両方が生え,ときに腺毛がまじる
D.葉は 3 深裂~3 中裂する.左右裂片の欠刻は比較的浅い傾向がある ...................(4)イヌハコネトリカブト
D.葉は 3 全裂~3 深裂する.左右裂片の欠刻は比較的深い傾向がある .....1)ツクバトリカブト×センウズモドキ
(1)アズマレイジンソウ Aconitum pterocaule Koidz.; フジレイジンソウ A. fudzisanense Nakai
花柄には全面に粗面屈毛が生える.茎は円形または稜があり,稜はときに発達して翼状となり,直立またはつる
状に伸長する.葉身は輪郭が円形,3 浅裂~3 中裂し,裂片には粗い卵形~広卵形の鋸歯がある.葉柄と葉身の下面
脈上に粗面屈毛が生え,ときに粗面開出毛がまじる.花序は総状,下の花から開花する.花の外面には普通粗面屈
毛がまばらに生えるが,ときに粗面開出毛あるいは粗面伏毛が生える.かぶとは円筒形で,頂部は長く伸長し,し
ばしば粗面屈毛が生える.雄しべは無毛.本州(中北部の主として日本海側)に分布する.県内では小仏山地方面
に分布するが稀.『神 RDB06』では絶滅危惧ⅠA 類とされた.茎に稜があり,萼片の外面に直毛がある型はフジレ
イジンソウ A. fudzisanense とする見解がある.ただし,アズマレイジンソウには,茎の稜の発達の程度,萼片外面
の毛に変異があり,明瞭な識別点を認識できないため,アズマレイジンソウの一型とみなす.
標本:相模湖町小仏 1987.10.3 高橋秀男ほか KPM-NA1036754;藤野町佐野川 1987.10.14 高橋秀男ほか KPM-
NA1100246.
(2)カワチブシ Aconitum grossedentatum (Nakai) Nakai; ヤビツブシ A. maruyamae Nakai in Bull. Nat. Sci. Mus. Tokyo
32: 45-46 (1953) の基準産地は丹沢ヤビツ峠(1950.10.1 N.Maruyama TNS)
茎は斜上する.葉身は輪郭が 5 角形,稀に円形.普通 3 全裂するが,県内では 3 深裂のものがもっとも多い.また,
裂片は粗い鋸歯縁となるのが普通であるが,披針形の終裂片となるものもある.葉形の変異の幅は広い.花柄は無
毛.花冠のかぶとは円錐形,嘴は長い.雄しべと雌しべは普通無毛である.本州(関東地方西部~紀伊半島の太平
洋側),四国に分布.県内では丹沢に見られ,標高 1,400m を越える地域に分布するトリカブト類のほぼ 45%は本種で,
少し標高が下がって 1,100m~1,400m の地域になると本種は 15%,それ以下の標高になると本種の分布はなくなる.
丹沢山ヤビツ峠の標本に基づいて記載されたヤビツブシ A. maruyamae はカワチブシの一型と考えられる.雄しべの
花糸の歯が発達しないか,発達の程度が弱いことがその主要な特徴とされた.しかし,1 つの花のなかでも歯の発
達の程度には変異があり,独立した分類群とは認められない.
(3a)ヤマトリカブト Aconitum japonicum Thunb. subsp. japonicum; タンザワブシ A. unguiculatum Nakai in Bull. Nat.
Sci. Mus. Tokyo 32: 43-44(1953)の基準産地は丹沢の蛭ヶ岳(1927.10.30 K.Hisauti TI); ハコネトリカブト A.
senanense Nakai var. hakonense Nakai in Bot. Mag. Tokyo, 49: 504 (1935) の基準産地は箱根(1930.10.5 Nakai TI)
茎は直立または斜上する.葉身は輪郭が円形~5 角形,3 中裂~3 深裂し,裂片の切れ込みは浅いものから深いも
のまで幅の広い変異が観察される.葉形の変異の幅は広い.花柄には全面に粗面屈毛が生える.花冠のかぶとは僧
帽状~円錐形でしばしば頂部が前方に屈曲し,嘴が長い.雌しべは無毛,稀に粗面屈毛あるいは粗面斜上毛が背軸
側にまばらに生える.雄しべは普通粗面開出毛が密生するがときに無毛となる.本州(関東地方~東海地方)に分
布.県内では主として相模川以西の山地および丘陵地に分布する.丹沢の標高 1,400m を越える地域では,分布す
るトリカブト類のうち 15%だけが本種であるが,標高が下がって 1,100m~1,400m の地域になると 80%を本種が占
め,それ以下の標高になるとほとんど本種だけになる.丹沢の蛭ヶ岳の標本に基づいて記載されたタンザワブシ A.

unguiculatum はヤマトリカブトの一型と考えられる.雄しべの花糸の歯がよく発達することを特徴とされたが,前
述のヤビツブシの場合と同じ理由で独立した分類群とは認められない.
箱根の草原に生え,全体が小型で,茎が直立し,葉の裂片の切れ込みが深く,花序が散房状で,花が密集してつ
く型をハコネトリカブト var. hakonense (Nakai) Tamura といい,『神植誌 01』では区別したが,標本による明確な識
別は困難であり,ヤマトリカブトが草原に生えた直立型とする見解(Kadota 1987,門田 1988 神植誌 88)に従った.
(3b)ツクバトリカブト Aconitum japonicum Thunb. subsp. maritimum (Tamura & Namba) Kadota
茎は直立または斜上する.葉は輪郭が 5 角形,3 全裂~3 深裂し,左右裂片の欠刻が深いため葉身が 5 裂したかの
ように見えるものもある.葉形の変異の幅は広いが,ヤマトリカブトと比較すると,鋸歯は粗く,鋸歯先端の突出
が顕著な傾向にある.花柄には全面に粗面屈毛が生える.花冠のかぶとは僧帽形,嘴が長い.雌しべは無毛,稀に
粗面屈毛が背軸側にまばらに生える.雄しべはふつう粗面開出毛が密生するが,ときに無毛となる.本州(関東地
方~中部地方)に分布.県内では主として東部の海寄りの丘陵地に分布する.神奈川県が分布の南限にあたる.

見れば観るほど、、、識別に悩む... 見れば観るほど、、、識別に悩む。だが、判明を楽しみにしている。


「令和陸年(皇紀2684年)11月12日」
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《 雅羅・/・〝里緑地の実 '11-1〟❖ ’24-316 ❖ 》

ノササゲ(野ささげ)     ... ノササゲ(野ささげ)      マメ科(Fabaceae)
学名:Dumasia truncata Sieb. et Zucc.
別名: キツネササゲ
* ノササゲの花は、以前2021年7月10日に記した。 *
《眼福(157)“7月の泉の森(1)!?!》
豆果は長さ2〜5cmの倒披針形... 豆果は長さ2〜5cmの倒披針形で、種子のところで膨れて数珠状になる。
熟すと紫色になり裂開(2裂)、中には3〜5個の種子が入っている。
種子は黒紫色で直径4~6㎜の球形で白粉をかぶる。豆果は無毛。
果皮についたままで、はじき飛ばない。


《  立派な種子〝野ささげ〟泉の森・アセビの道   》
24.ノササゲ属 Dumasi... 24.ノササゲ属 Dumasia DC.(佐々木あや子,『神植誌 01』:浜口哲一,図:浜口哲一)
つる性の草本で,葉は羽状の 3 小葉からなり,托葉と小托葉がある.
花は黄色で葉腋から出る総状花序につき,萼は先端まで合着して萼裂片は不明.
豆果は線形で裂開する.
アジア,アフリカに約 10 種あり,日本には 1 種が自生する.
(1)ノササゲ Dumasia truncata Siebold & Zucc.
繊細なつる性の多年草.
小葉は薄く,上面は無毛,下面は白色を帯び少し圧毛がある.
8~9 月に葉腋から出る総状花序に,黄色い花を数個~10 数個つける.
豆果は熟すと淡紫色になり,
白い粉をかぶった黒紫色の種子は豆果が裂開しても縁についている.
本州,四国,九州に分布する.明... 本州,四国,九州に分布する.明るい樹林内や林縁に生える.
県内では山地~丘陵地に広く分布し普通だが,市街地には見られない.


「令和陸年(皇紀2684年)11月11日」


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《 雅羅・/・〝里緑地の花  '11-1〟❖ ’24-315 ❖ 》

リンドウ(竜胆)リンドウ科(G... リンドウ(竜胆)リンドウ科(Gentianaceae) リンドウ属
学名:Gentiana scabra Bunge var. buergeri (Miq.) Maxim. ex Franch. et Sav.
在来種で本州、四国、九州の丘陵... 在来種で本州、四国、九州の丘陵地、山地に自生する多年草。
茎高20〜100cm、細い茎を直立または斜上させ長く伸び、4条線がある。
先端に青紫の花を複数つける。
葉は対生、卵状披針形、3脈がいちじるしく目立ち、長さ3〜8cm。
表面は緑色、裏面は淡緑色、先は長く尖り、基部は丸い。
縁には細かい突起がありややざらつき柄は無く両側から茎を抱く。
花は茎頂および上部の葉腋にかたまってつき、苞がある。
萼筒は長さ10~20mm、萼裂片は線状披針形で筒部より長・短あり開出する。
花冠は5裂し紫色、内面に茶褐色の斑点があり、長さ3〜4.5cm。
副片は三角形で小歯があり、子房の基部に5個の蜜腺がある。
花の重みのため、細い茎は地を這うことが多い。
開花直後は、雄蕊と雌蕊がまだ一つにまとまっている。
雄蕊5個、雌蕊1つで柱頭が2裂する。花期は9〜11月。
種子は紡錘形で、両端に短い尾がある。
種子は小さく1mmほど。薄い膜状の翼がある。
花柄は初冬まで残る。 乾燥する... 花柄は初冬まで残る。
乾燥するとドライフラワーのようになりながら立っている。
春先の葉の形は花のころと大きく... 春先の葉の形は花のころと大きく異なる。


《  リンドウ科の小さな花〝竜胆〟泉の森・山野草園   》
**  神奈川県植物誌  **... **  神奈川県植物誌  **
A.多年草.茎は丈高く,根生葉はない.秋に開花......(1)リンドウ
(1)リンドウ Gentiana scabra Bunge var. buergeri (Miq.) Maxim. ex Franch. & Sav.
茎は直立または倒伏し,高さ 15~60cm.
葉は柄がなく顕著な 3 脈があり,
幅の広いものから狭いものまであって変化が多い.
花は 9~11 月.花冠は長さ 3.5~4.5cm,筒状の鐘形で先は 5 裂し,
青紫色または紅紫色で,茎頂か上部の葉腋につく.
本州,四国,九州,奄美に分布.草地や崖,明るい雑木林の中などに生える.
県内ではほぼ全域に見られるが,山地を除く平野部では激減した.
白花品をシロバナリンドウ form. albiflora Makino といい,
『神植誌58』に記録されている.
基準変種のトウリンドウ var. scabra は対馬;朝鮮,中国,ウスリーに分布す
る.


「令和陸年(皇紀2684年)11月10日」


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《 雅羅・/・襍感〝庭の紅葉〟❖ ’24-314 ❖ 》

ゲンノショウコ(現の証拠)フウ... ゲンノショウコ(現の証拠)フウロソウ科(Geraniaceae)
学名:Geranium thunbergii Siebold ex Lindl. et Paxton
現の証拠、花拡大画。 現の証拠、花拡大画。
花壇の花々がお休みで、淋しい風... 花壇の花々がお休みで、淋しい風情になる今の時期。
今年は、“秋晴れ”と感じる瞬間が少なかった気がする。
雑務に翻弄され、天気など気にする暇などなかった。
野放図な自宅の小さな花壇に可愛い草花が姿を見せる。
この暫くの間、草花の生育変移が楽しかった。



《   小さなフウロソウ科・・〝現の証拠〟2024年晩秋・自宅   》
紅葉した現の証拠の葉。... 紅葉した現の証拠の葉。


**  神奈川県植物誌  **... **  神奈川県植物誌  **
(7)ゲンノショウコ Geranium thunbergii Siebold ex Lindl. & Paxton;
G. nepalense Sweet var. thunbergii (Siebold & Zucc.) Kudô
多年草.茎は基部が倒れて地をはい,よく分枝して広がる.
8~9 月ごろ,花茎の先に 2 花をつける.
葉は対生し,茎,花茎,萼片,果実などに腺毛をもつが,
そのつき方は個体差が大きく,
全体に腺毛が多く花柄と萼片の外面などに密生するものと,
花柄にはほとんど腺毛を欠き,
萼片の外面にまばらに生える程度のものに大別される.
しかし,中間的なものもあり,またほとんど腺毛をもたない個体も稀にある.
北海道,本州,四国,九州;朝鮮,台湾に分布.
市街地の空き地や路傍から山地の草原まで,草原的な環境に広く見られる.
全県的に普通で,シイ・カシ帯~ブナ帯まで広く分布する.
県内には,花の白いシロバナゲンノショウコ
form. pallidum (Nakai ex Murata) Murata が多いが,
西日本に多く分布する花が紅紫色のベニバナゲンノショウコ
form. thunbergii も稀に見られる.


「令和陸年(皇紀2684年)11月09日」
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《 雅羅・/・〝備忘録  24-52❖ ’24-313 ❖ 》

ヤマハッカ(山薄荷) シソ科(... ヤマハッカ(山薄荷) シソ科(Lamiaceae/Labiatae)
学名:Isodon inflexus (Thunb.) Kudo
北海道、本州、四国、九州各地に... 北海道、本州、四国、九州各地に自生・分布する多年草。
神奈川県内全域に自生。草地、樹林内、林縁などに生える。
山野の木陰に生え、枝の先に長い花穂をつける。
茎の断面は四角い(4稜形)、下向きに曲がった毛がある。
葉は対生し、長さ3~6㎝の広卵形、葉の基部は急に細くなり、
縁には粗い鋸歯があり翼のついた葉柄に続く。葉柄は長さ0.5~3.5㎝。
葉裏には腺点がある。花穂は次第に長くなり節ごとに何段にも花がつく。
節には小さな葉もある。花冠は青紫色で長さ7~9㎜の唇のような形。
上唇は濃紫色の班点が多数つき4裂して立ち上がる。
下唇は2裂して前に突き出る。下唇は内側に巻き、雄蕊と雌蕊を包む。
下唇の縁が内巻きになって舟形に突き出す。
雄蕊、雌蕊とも花冠より短くて見えない。
萼は長さ2.5~3㎜、短毛が密生し先が5裂して5個の萼歯がほぼ同長、果時には大きくなる。
果実は4分果、熟すと紫色~褐色になる。分果は長さ約1.5㎜。
ハッカの名前がついているが、ほとんど香りはない。
白花品はシロバナヤマハッカという。
ヤマハッカの実。 ※ 以上の画... ヤマハッカの実。
※ 以上の画像は借り物 ※


《   小さなシソ科・・〝山薄荷〟泉の森2020年   》
**  神奈川県植物誌  **... **  神奈川県植物誌  **
(1)ヤマハッカ Isodon inflexus (Thunb.) Kudô
多年草.茎は高さ 40~100cm.葉柄は長さ 0.5~3cm.
葉身は長楕円形または披針形,長さ 3~6cm,幅 2~4cm,
基部は葉柄にながれる.花は 9~10 月.
花冠は長さ 6~7mm.萼には密に短毛が生える.
北海道,本州,四国,九州;朝鮮半島,中国(中部~東北部)に分布する.
県内ではほぼ全域に分布し,シイ・カシ帯~ブナ帯までの沖積地~山地の草地,
樹林内,林縁などに生える.
白花品をシロバナヤマハッカ form. leucanthus (Nakai) H.Hara といい,
県内では厚木市,南足柄市,伊勢原市などで採集されている.
基礎異名の Amethystanthus inflexus (Thunb.) Nakai form.
leucanthus Nakai in Bot. Mag. Tokyo 48:
786 (1934) の基準産地は武蔵横浜.
*     *
泉の森に自生しているが、ひと目に触れない、否、気付かない程に小さな花。
それ故、生き延びてきたようだが・・・!
昨今、袖群落箇所の一括的下草刈り処理が行われて、貴重な野草も刈られていた。
貴重・希少な植物保護・保全に奔走されている人々が居られる。
植物観察、希少・貴重種を探して居られる姿勢に畏敬の念を禁じ得ない。
泉の森は、驚くほどに特異な環境と映る。


「令和陸年(皇紀2684年)11月08日」
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