12月
15日,
2024年
《 雅羅・/・〝備忘録 24-67〟❖ ’24-350 ❖ 》
12月
14日,
2024年
《 雅羅・/・〝冬の樹〟❖ ’24-349 ❖ 》

コクサギ(小臭木);コクサギ属
コクサギは、落葉低木で山地の湿った林内や谷間などに生育している。
在来種で北海道(西南部)、本州、四国、九州に自生分布がみられる。
名前の由来は臭気があり、クサギ(臭木)よりも小型であることから。
ただし、クサギはシソ科の低木であるため分類上の関連はない。
神奈川県内では全域に分布。沢沿いの樹林内に普通に見られる。
幹は灰褐色。縦の縞模様と、横長の皮目が目立つ。
葉序が独特、互生だが2対づつ左右に付く樣をコクサギ型葉序と呼ぶ。
同様な葉序としては、サルスベリがある。
葉身は倒卵形で全体に腺点があって、表面は光沢あり、縁は全縁。
小臭木の葉は、カラスアゲハ、の食葉として知られる。
雌雄異株で4月に黄緑色の花が咲く。
前年枝の葉腋から、雌花は単生、雄花は総状花序が出る。
花弁、萼片、子房はそれぞれ4個ある。雄蕊は退化している。
雄花は雄蕊が4本付く。果実は2~4分果になる。一つづつは腎形。
果皮は木質で、熟すと2裂し、その反動で黒い種子をはじき出す。
種子をはじき出した後。またもとの形に戻り、しばらく残っている。
冬芽は芽鱗が4列にならび、断面は4角形。
芽鱗は緑色~濃紅紫色で、縁は灰白色のため、綺麗な模様になる。
枝や芽を傷を付けると、特有の臭気がある。
冬芽は葉痕に沿って付く為、葉序と同様に、片側2個づつの互生。

A241 ミカン科 RUTACEAE
(武智憲治,図:勝山輝男)
木本が主だが草本もある.
葉面全体または鋸歯の凹部に油点を持ちミカン科特有の香りがあるものが多い.
子房は上位.果実には液果,核果,蒴果と多様である.
世界の熱帯から温帯にかけて 160 属約 2,000 種が知られ,
日本には 11 属約 23 種が自生している.
県内には 5 属 9 種が自生し,2 属 2 種が逸出している.
A.木本
B.葉は単葉
C.果実はミカン状の液果でない
D.落葉低木.花序は側生.果実は蒴果
2.コクサギ属 Orixa Thunb.
東アジアに 1 種のみがある.
(1)コクサギ Orixa japonica Thunb.
落葉低木.刺はない.葉は単葉で,ふつう 2 回ずつ同じ方向につく互生で,
コクサギ型葉序と呼ばれる.
葉は倒卵形で長さ 5~12cm 幅 3~7cm,全縁または低鋸歯縁,
透かして見ると葉面全体に油点がある.雌雄異株.花期は 4~5 月.
花序は前年の枝につき,雄花は総状花序で,雌花は単生する.
花弁,雄しべ,心皮ともに 4 個.果実は蒴果,4 分果に分かれ,
黒褐色の光沢がある種子が 1 個ずつある.
本州,四国,九州;朝鮮半島,中国に分布.
県内では林内の沢に沿ったところに生え,県内全域で普通に見られる.
葉の上面脈上に毛が多く,
下面に細毛が密生してビロード状のものをビロードコクサギ
form. velutina Hayashi in Bull. Govt. For. Exp. Stat. (125): 73 (1960) といい,
その基準産地は山北町世附.
《 私的感心本〝小臭木〟》
コクサギの実は二重の果皮をもっており、実が熟して乾燥すると
内側の果皮(内果皮)に包まれた種子がバネの作用で遠くに弾け飛ぶ。
其の樣は、二段式ロケットの様で数メートルもの距離を飛ばす。
落ちた種子は見かけるが、種子が弾き飛ぶ瞬間を目撃したことはない。
「令和陸年(皇紀2684年)12月14日」
12月
13日,
2024年
《 雅羅・/・〝備忘録 24-66〟❖ ’24-348 ❖ 》

学名:Senecio scandens Buch. -Hamil. ex D. Don
別名:ユキミギク(雪見菊);
Makino in B. M. T. 6: (55) (1892), sub nom. S. hibernus Makino, n. nud.
12月
12日,
2024年
《 雅羅・/・〝海岸地の樹花〟❖ ’24-347 ❖ 》

ハマヒサカキは、ツバキ科 からサカキ科に分離された。
本州(千葉県と愛知県以西)、四国、九州及び沖縄に分布。
「浜に生えるヒサカキ」という意味でハマヒサカキと名付いた。
日陰にも強く、暖い海岸沿いを好んで育つようだ。
常緑低木で樹皮は灰褐色、樹皮が浅く縦裂する。
葉は互生、長さ2~4cm・幅1~1.5cmの倒卵形。光沢あって厚い。
縁は裏側へやや巻き浅い鋸歯で先が円く先端が微凹頭。
葉は裏表とも無毛でツルツルしているが、
小枝にはヒサカキにない黄褐色の短毛が密生する。
葉の下脇に直径約5㎜の小花を束生する。
ハマヒサカキの開花は晩秋から初冬で、
翌年の2月頃まで断続的に咲くこともある。
花弁は5枚で白色。雌花は雄花より小さい。
雌雄異株で雄株には雄花が、雌株には雌花が咲く。
雄花は花弁が白く黄色い雄蕊が10~15個あり、雌蕊は退化している。
雌花の花弁は紫を帯びた白色。
先端が三つに裂けた雌蕊が1本、雄蕊は退化している。
雌花の後にはヒサカキと同じような球形の果実ができる。
直径5mmほどの扁球形液果、始めは緑色で10月頃に黒く熟す。
実生や挿し木で容易に繁殖する。
葉が大きい順にサカキ→ヒサカキ→ハマヒサカキ。
葉が小さくなるに従って葉の密度が高まる。
特にヒサカキとハマヒサカキは混同しやすいが、
見分けのポイントは葉先と小枝。
ハマヒサカキは葉の先端が丸いが、小枝に短毛がある。
* * *
子供時代、横須賀で暮らしていた。
垣根にしていたハマヒサカキ、
暮れから正月に花・実をつけて来客を迎えた。
親達は、自然の生け花のように思っていたのだろう。
「令和陸年(皇紀2684年)12月12日」
12月
11日,
2024年
《 雅羅・/・襍感〝南国の樹花〟❖ ’24-346 ❖ 》

及びトカラ列島に分布する常緑小高木。花期:11~12月頃、
葉腋に集まってつき、果実は2cmほど、やや球形で黒く熟す。
花の少ないこの季節、屋久島の森ではサザンカに交じり、
ヒロハノミミズバイが咲き始める由。
花ひとつを見るとハイノキに酷似している。
ヒロハノミミズバイは、柄が無く枝にくっつくように花が咲く。
同属の木花は、よく似ているが、春・冬に咲くのもあり面白い。
徳島県、高知県、宮崎県、鹿児島県、トカラ列島にしか自生がない。
ツチトリモチが寄生している。名由来は、果実がミミズの頭に似るから。
*
南の地方には、独特の花々が生育している。
開花季節の事もあって、中々出会えない。
いちどは、実際に眼にしたいものだ。
「令和陸年(皇紀2684年)12月11日」
12月
10日,
2024年
《 雅羅・/・襍〝草花其の後Ⅲ〟❖ ’24-345 ❖ 》
学名:Ageratina altissima. ;Eupatorium rugosum E. urticaefolium
別名:ボタンザキフジバカマ、ウラジロアザミ、シロバナフジバカマ
箱根の強羅植物園で栽培されていたものが1916年頃から逸出した。
白花のフジバカマに似るが、葉裂で見分けられる。
フジバカマの葉は3裂、マルバフジバカマは丸くはないが一枚。
花の色は白く、花冠が5つに分かれた多数の筒状花からなる。
葉には柄があり、縁には鋭いぎざぎざ(鋸歯)がある。 葉の先は尖る。
花の後にできる実はそう果。
(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子の様に見える)。
林縁などに生え、地下に太くて長い根茎があり、
横走し群落を形成、各頭花の筒状花は白色で10~25個。
同属のフジバカマ、ヒヨドリバナ等の筒状花は5個。
筒状花の先端(花冠)は5裂し2本に割れた白い糸状の雌蕊
(花柱)を花冠の外に長く伸ばす。舌状花はない。
12月
9日,
2024年
《 雅羅・/・襍感〝定点観察草本〟❖ ’24-344 ❖ 》
マヤラン(摩耶蘭) ラン科(Orchidaceae)
学名:Cymbidium macrorhizon (C.nipponicum)
泉の森でつぶさに而してじっくりと観察している“マヤラン”。
マヤラン(摩耶蘭)を泉の森で初めて見てから30年余。
初見(親の案内)した後、10数年もの間ご無沙汰。
再訪した時、初見時より少し増えていたと記憶している。
*
マヤランの名は、最初の発見地である神戸市の摩耶山にちなむ。
常緑広葉樹林下に生える多年生の地生ランで、花茎高10-30cm。
シュンラン属だが、緑葉も根ももたない菌従属栄養植物。
だが花期後、花茎や果皮に葉緑素が増えて光合成を行う。
環境省レッドリストで絶滅危惧Ⅱ類(VU)。
不思議なことに、身近な里緑地に自生・出現している。
泉の森に見えるマヤランは、7月頃に開花。
そして一度地上部が枯れ、9月に再び花茎を伸ばし開花する。
根茎は白色、多肉で長く地中で繰り返し分枝し鱗片がある。
根茎の先端から花茎を直立し、2-6個の花をまばらにつけ、
花茎下部に長さ1-1.5cmで基部が短い鞘が見られる。
膜質の鱗片葉が数個あるが、普通では葉はない。
花は乳白の地に紅紫色の模様が入る。
苞は膜質で長さ0.5-1cmの広披針形で鋭くとがり、
萼片は長さ2cm、幅3-4mmの倒披針形でとがる。
側花弁は萼片より少し短い狭長楕円形。
唇弁は長さ約1.5cmの長楕円形で蕊柱の基部につく。
僅かに3裂し中央裂片は3角形で外に巻き縁は細波状で先は尖る。
距は発達せず蕊柱は約1cmで半円錐状、先端に2室の葯がある。
果実は長楕円形の蒴果。
摩耶蘭概要を思い出し、今年の摩耶蘭の生育状態に変化を見た。
7月に咲いた後、10月下旬に2回目の開花を確認した。
それが、12月に入っても咲き続けている1茎が居る(12/8)。
気温の高低等々を思うが、驚きを以て観察している。
泉の森、数か所の生育地其々でしっかりと生育しているが、
群生している場所では、北東方面に広がりをみせていた。
今年は、更に外側に1茎(新茎?)を'24/12/8に確認した。
ここ泉の森は、摩耶蘭にとって良好な生育環境なのかもしれない。
害敵の小昆虫は知られているが、それを捕食する昆虫。
自然界の摂理、食物連鎖・循環がしっかり行われてる環境。
而して人的被害も少ない。それが泉の森の環境だ。
摩耶蘭の開花個体の発生期間は2~3年程度で、
3年は毎年、開花・結実するが、
開花期間が終わるとその個体は消えてしまう。
かような生活周期・生活史があると専門家の言がある。
してみると、消えてしまった環境、増え続けている土壌、
それらの土壌環境・生育茎の場所移動が、サイクルと理解できる。
更には、人の補助・環境整備も必要、と慎重に対処しないといけない。
肝に命じ、心して微力だが・・・植物と向き合いたい。

A061 ラン科 ORCHIDACEAE
(科の解説と属への検索表:久江信雄,『神植誌 01』:秋山守・佐宗 盈)
地生,着生,岩生,菌従属栄養性の多年草.
茎は単軸性(単茎性)または仮軸性(複茎性)で長い茎があるか,
根茎または肥大した偽球茎がある.
葉は多くは偏平で,基部に筒状の鞘があり,
ときに鱗片状に退化する.
花は左右相称,苞があり,穂状・総状花序,
稀に単生するものもある.
萼片と花弁は各 3 枚が基本であるが,
側萼片が合着している種もある.
萼片 3 枚はほぼ同形.
側花弁 2 枚は同形であるが,中央の 1 枚は唇弁と呼び,
形,大きさ,色彩が顕著で,その基部にときに距がある.
多くは雄しべと雌しべが合着してずい柱を形成し,
先端の上面に葯,下面に柱頭がある.
一般に柱頭の一部は変形して小嘴体をつくる.
葯は通常 2 室,葯の中には蝋質性または粉質性の花粉の集合体
である花粉塊が 2~8 個あり,基部は普通粘着体に着いている.
果実は多くは蒴果で 3 裂し,種子はきわめて微細である.
全世界に広く分布し,世界に約 860 属 26,000 種,
日本に約 86 属 320 種が知られている.
県内には 43 属 93 種の記録があり,42 属 86 種が現存する.
・ ・
37.シュンラン属 Cymbidium Sw.
(中島稔,『神植誌 01』:秋山守・佐宗盈,図:秋山守)
地上生または着生.
根茎の地上部は通常偽球茎となり,根は一般に太いひも状で四方にのびる.
葉は線形~狭長楕円形で左右に叢生し,
一部は緑葉がなく菌従属栄養性が進化している.
また,緑葉がある種でも共生菌への依存度が高い事が判明している.
花茎は偽球茎基部から生じ,基部または上部に少数の鱗片葉をつける.
花はやや大きく 1 個または数個を総状につけ,苞は短い.
萼片と側花弁は離生し,開出または斜開する.
唇弁はずい柱基部につき 3 裂し,側裂片は幅広くずい柱を抱き,
中裂片は分裂せず基部から中央部まで 2 隆起線がある.
ずい柱は長く半円錐状.花粉塊は 2 個.
東アジア,マレーシア,インド,オーストラリアに約 55 種
が知られ,日本には 10 種が分布し,県内には 4 種が自生する.
A.緑葉があり,根は太くて長い
B.葉は線形で柄がない.花は花茎に 1 個つける
(1)シュンラン
B.葉は狭長楕円形で柄がある.花は花茎に数個つける
(2)ナギラン
A.緑葉と根がない
B.花色は紫色を帯びる
(3)マヤラン
B.花色は乳白色(4)サガミラン
(4)サガミラン Cymbidium nipponicum (Franch. & Sav.) Rolfe;
Bletia nipponica Franch. & Sav.
マヤランに比べて花茎と鞘状葉が緑色,苞が 3 角形,
長さ 4.5~6mm と短く,花も小型などの相違いがある
(柳川ほか 1981 神自資 (2): 47-54).関東地方に分布.
日本固有種.マヤランと同じような生育環境に生える.
『神RDB06』では絶滅危惧Ⅱ類とされた.
『神植誌 01』では,マヤランの白花品として
C. macrorhizon form. aberrans (Finet)Hid.Takah. & Ohba としたが,
その後の分子系統解析の結果独立種となった.
また,本種には複数の学名が存在したが,
古い時代に発表されていた基準標本が確認され,
表記学名となった.
なお,C. macrorhizon form. aberrans の基礎異名
Yoania aberrans Finet もサガミランではなく,
マヤランであることが明らかになっている
(Inoue FJ Ⅳ b: 304).
* * *
共生菌との暮らしを見せる不思議な植物。
人間の所作・生活を遥かに超えた高みに見える植物たち。
眼を楽しませてくれる彼等に返礼の如くに共生したい。
マヤランに関する詳細紹介を以前、ブログルに記した。
参考に。
「令和陸年(皇紀2684年)12月9日」
12月
7日,
2024年
《 雅羅・/・襍感〝泉の森・黄葉〟 ’24-342 》
今年の晩秋~初冬、里緑地も黄葉にかがやいている。
今年は、黄葉が早かった。その上、見ごたえがあった。
泉の森には、ドングリ拾いや、昆虫観察??の若者が多く居た。
「令和陸年(皇紀2684年)12月07日」
12月
6日,
2024年
《 雅羅・/・襍〝草花其の後Ⅱ〟❖ ’24-341 ❖ 》
そんな草花が残念なことに茎が立ったまま開花寸前に苅り取られてしまった。
群落地ではないが、下草刈りする場所は慎重に検討を願うばかりだ。
イチヤクソウの根茎は、しっかりと太い、来年も茎を立てるだろう。
他方、群生地の端等のイチヤクソウは、蒴果が見えている茎もある。
扁球の姿なのだが、遠目にいまだ立っているものもいた。
細い茎、落ち葉でたおれてしまった。今少し見たかった。
そんな中で12月に入ったのに若い茎で新たに花をつけている。
場所は、かなり離れた所に茎はたっていた。
その若い2茎を見ると、自然交雑しているのでは??とも思えた。
来年も継続観察してみよう。メモメモ。
補足;薊の不思議**!!