《 雅羅・/・〝里緑地の花  '10-7〟❖ ’24-285 ❖ 》

カリガネソウ(雁草) シソ科(... カリガネソウ(雁草) シソ科(Lamiaceae)
学名:Tripora divaricata (Maxim.) P. D. Cantino 
別名:ホカケソウ(帆掛草)
カリガネソウ(雁草); 北海道... カリガネソウ(雁草);
北海道から九州までの低地の薄暗く湿った林縁に稀に見られる多年草。
普通、花は夏に咲くが、場所等で花期は広く10月にも見られる。
茎高1m前後、触れると硫黄臭を発する。青紫花や斑入葉、桃色花もある。
以前はダンギク属(カリガネソウ属)と分類されていたが、
APGⅢでは、カリガネソウ属(トリポラ属)に分類されている。
和名の由来は花の形を雁の飛ぶ姿に見立てたことから。
短い地下茎をもち、多数の茎を直立させる。茎は高さ60~100cm。
茎は四角柱状で深いくぼみがあり、大きくなると木質化する。
葉は無毛で対生、長さ8~13㎝の広卵形、葉質は薄く葉柄は長い。
縁には普通、よく揃ったきれいな鋸歯があり、先が尖る。
花冠は2唇形、長さ8~10㎜の白い筒部があり下唇は3裂、上唇は2裂。
裂片は開口する。下唇の中央裂片は大きく、あごを突き出した形をしている。
雄蕊4個は長く、花柱1個とともに花冠から上へ突き出て、下側へ湾曲する。
茎の上部の葉腋から集散花序を出し、まばらに沢山の花をつける。
その花達が、群生している姿は楚々としている。



《  こんな処に〝帆掛草〟 ❖泉の森・東部❖  》
**神奈川県植物誌** 5.カ... **神奈川県植物誌**
5.カリガネソウ属 Tripora P.D.Cantino(関口克己,『神植誌 01』:城川四郎)
 多年草.葉は対生,鋸歯があるかまたは全縁.
花冠は筒部があり,先は 5 裂して平開か 2 唇形.
雄しべは 4 個で2 強,長くて花外に突き出す.
花柱は長く柱頭は 2 又する.
東アジアに 1 種があり,日本に 1 種,県内にも 1 種がある.
以前はダンギクなどと共に Caryopteris 属とされていたが,
Cantio et al.(1999 Systematic Botany 23: 369-386)により組み替えられた.
(1)カリガネソウ Tripora divaricata (Maxim.) P.D.Cantino
 多年草.茎は 4 角形,上部で分枝し,高さ 1m に達する.強い臭気がある.
花序はまばらに散開し,花冠は 2 唇形で大きく開口する.
北海道,本州,四国,九州;中国,朝鮮半島に分布する.
山麓原野に生える.比較的稀な植物で,県内では三浦半島が唯一の自生地である.
『神 RDB06』では絶滅危惧ⅠA 類にされた.
近年植栽されたものが横浜市などで採集されている.

*       *       *
解説画像は、借り物。 カリガネ... 解説画像は、借り物。
カリガネソウの花の構造。先端が二又に分かれているのが雌しべで、
黄色い花粉をつけた雄しべは4本ある。
青紫色が美しい秋花のカリガネソウだが、その姿は独特。
受精の為に他の花粉を必要とする植物は、花粉の運搬を昆虫等に頼る。
虫媒花、花粉を運ぶ送粉者(ポリネーター)を引き寄せる施策として、
蜜を溜める。訪れた昆虫に効率よく花粉を運搬してもらうための術。
送粉者のために進化し続けたのだろう。
長い雌蕊と雄蕊が、花粉の受け渡しに実に効率良い形態である。

この場(泉の森)に如何なる運搬者が訪れているかは観察できていない。

泉の森、東上部側の住宅隣接地に群生地がある。
カリガネソウ後ろの泉の森は、徐々にマント群落になりつつある。
カリガネソウを初めとする草花は、袖群落を形成しつつある。
こうした場は、下草苅り等人間が手を貸さねばならない。
里山緑地の保存・保全は、自然(植物等)と人間の共存を意味する。
生態系を重んじ、希少・貴重な植物をも大切にする。
この対処が、自然保護の基本であるとおもう。
自然を愛でる、植物を愛でる、人間との共存共栄だ。


「令和陸年(皇紀2684年)10月15日」
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《 雅羅・/・襍録〝秋=穂!!〟❖ ’24-288 ❖ 》

ヌカキビ(糠黍) イネ科(Po... ヌカキビ(糠黍) イネ科(Poaceae)キビ属
学名:Panicum bisulcatum Thunb.
ヌカキビ(糠黍); 北海道〜沖... ヌカキビ(糠黍);
北海道〜沖縄の畑地や田の畔、道端、空き地等、普通に見られる。
やや群生し、茎高は、30〜120cm、細長く直立、基部は分けつして叢生する。
葉は長さ5〜20cm、幅4〜13mm、無毛。花序は卵円形、長さ15〜30cm。
花序の枝はほとんど水平に開出し、緑紫色の小穂をまばらにつける。
小穂は倒卵形、長さ2〜2.5mm、2小花からなるが第1小花は退化して護穎のみとなる。
第1苞穎は長さ1mm、第2苞穎は第1小花の護穎と同長。
第2小花の護穎と内穎は厚くガラス光沢がある。
果実は広楕円形、突頭、暗褐色、長さ1.5mm。
花期は8〜9月。ーー日本イネ科植物図譜より引用ーー


《 細かい秋の穂〝糠黍〟 ❖泉の森・湿生花園❖  》
** 神奈川県植物誌 ** 和... ** 神奈川県植物誌 **
和名の由来は細かい穂を糠にたとえたものに由。
五穀の一つであるキビの仲間だが、一般的には雑草扱い。
細くまばらな花穂は写真に写すのが難しい.。
機会を改めて、機材を揃えて挑戦したい。




穂・・形態。 穂・・形態。
糠黍・・自生分布図 「令和陸年... 糠黍・・自生分布図


「令和陸年(皇紀2684年)10月14日」
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《 雅羅・/・襍録〝蔓性植物 Ⅱ〟❖ 24-287 ❖ 》

ヤブガラシ(藪枯らし) ブドウ... ヤブガラシ(藪枯らし) ブドウ科(Vitaceae)
学名:Cayratia japonica (Thunb.) Gagnep.
別名:ビンボウカズラ(貧乏葛)
ヤブガラシ(藪枯らし);つる性... ヤブガラシ(藪枯らし);つる性多年草
北海道西南部〜琉球の畑や藪に生え、長く根を伸ばし繁殖する。
若い部分には粒状の突起毛がある。
茎には稜角があり、托葉は卵状三角形で、膜質。
葉は互生し、柄があり、鳥足状に配列する5小葉。
頂小葉は、柄があり、狭卵形で尖る。
波状の鋸歯があり、鋸歯の先は小さな突起になる。
表面は深緑色で、側脈は6〜8対、表面は窪み、裏面は隆起する。
側小葉は頂小葉より小型で、柄も短い。
巻きひげは葉もしくは花序と対生し、先は分枝する。
花序は扁平な集散花序で突起毛がある。萼片は低い。
花弁は4個あり、卵状三角形で、淡緑色。
平開し、背面には突起毛があり、先端は僧帽状。
雄蕊は4個、葯は長楕円形。
花盤は平らに広がり、はじめ紅色、後に橙色に変わる。
子房は1個、花柱は1個、柱状で直立する。
液果は球形まれにややだるま形で黒熟する。種子は広卵形。
関東以西に分布する2倍体のものはよく結実するが、
近畿以東に分布し東日本に多い3倍体のものは結実しない。
別名ヤブガラシ。花期は6〜8月。(野に咲く花)
ヤブカラシの花柄、花序枝、茎、葉裏などに小さな球体があり、
Pearl bodies (真珠体)あるいは Pearl glands (真珠腺)と呼ばれる。
植物体由来の栄養体なのだという。(続・樹の散歩道)


《 何処にでも顔を出す〝藪枯らし〟だが!?! 》
《 雅羅・/・襍録〝蔓性植物 ...
藪枯らしを初め、蔓性植物は往々にして邪魔者扱いだ。
蔓植物は自らの力では体が支えられないため、
他の植物を利用して光のあたる方へ伸びていく植物。
つる植物は様々な方法で、他の植物に絡みつく。
吸盤をつけるものや根を食いこませて張り付くもの、
巻きひげで巻きついていくもの等々(仔細は略)。
だが、蔓植物の巻きひげは、植物における運動や接触王統のモデルとして、
ダーウィンの時代から研究されてきた植物。
最近、藪枯らしに付いて面白い研究・新発見が発表された。
ヤブガラシが接触によって葉っぱを識別し、
自分の仲間たちには巻き付かないという。
--- 以下は、研究論文の概要紹介、以上が主旨  ---
 
仲間の葉と他の植物の葉に同時に接触したときには多種の葉を選択して巻き付き、
多種の葉に巻き付いている途中で仲間の葉に接触した場合は巻き戻る能力を持っている由。
研究の結果、ヤブガラシは葉の中に含まれるシュウ酸化合物によって、
仲間と多種を区別していることが明らかにされた。
つる植物は巻き付くことで成長していくが、
巻き付かれた植物は実は成長が抑制されてしまう。
生き残るために身につけた高度な知恵だと言える。
ヤブガラシ;
ブドウ科のつる植物の1種で、草木や樹木、フェンスなどの人工物に
巻き付き上へ上へと伸びて行く繁殖力の強い雑草。
巻きひげで接触して最適なパターンで対象物に巻き付く。
全方向に巻き付くことができるのが特徴で、
自身の葉っぱに巻き付くことはない。
全周巻きパターンとクリップ型で、
対象に応じた最適パターンを生み出している。
つる性植物は、草でも木でもない第3の植物群として区別されている。
(東北大学理学部助教授・鈴木三男著・「よじ登り植物の生存戦略」より引用・以下同じ)
地上部の茎の部分が1年で枯れてしまう草本性(ヘチマやアサガオ)のものと、
毎年太る木本性(フジやサルナシ)のものがあり、
形態的、生態的にも草と木とは違ったカテゴリーに入ることがわかる。
戦略の要点は・・・
A) つる性植物、即ち「よじ登り植物」がとった一番の戦術は、
丈夫で自立した茎を造るための資材を、長い蔓を短時間に造る方に向けたことである。
B) 樹木は大量の枝葉を支える丈夫な幹をつくるために、
長い時間をかけて形成層の活動で木部を大量につくるとともに、
道管、師管も大量に造成している。それらは葉に水を送り、
光合成産物を他の部分に分配するパイプラインの働きをしている。
C) それに対して、つる植物は繊維組織はわずかで、
しかも大きな道管や師管を少量しか造らない。
太い道管や師管は大量の水や養分を効率よく運ぶのには適するが、
構造上は脆弱である。
花は放射相称で小さく、4または5の数生の完全花。
D) 毎年地上部が枯れる草本性のつると、
木質化して残る木本性のつるがある。
ブドウ科は、木本性のつるになる種が殆どだが、少数の変わり種も含む。
つる性の種は、葉は互生し、有柄、単葉、掌状、
叉は羽状複葉で落葉性の托葉をもつ。 
葉に対生する巻きひげがあり、これが植物体を支える役目をする。
巻きひげは茎の変化したもので、葉と対生している。
栽培ブドウ・ヤマブドウ・ツタ・ヤブガラシなどが仲間内。
2.よじ登るための「つる植物の戦略」
自立できる茎を造らないつる植物は、
他の草や木の上に立つにはよじ登らなければならない。
つる植物の進化の過程で、
その植物群のもつ遺伝的な性質とさまざまな試みの結果として、
いろんなよじ登り方法が生まれてきた。
被子植物に見られるものを類型化すると、次の5タイプが考えられる。
板塀にへばりつくツタの吸盤
・寄りかかり型  ヒヨドリジョウゴ・ツルウメモドキなど
・巻きつき型 フジ・アケビ・など (右巻き・左巻き)
・鉤かけ型 カギカズラ・カナムムグラ・など
・巻きひげ型 ブドウ科・ウリ科・マメ科など
・付着型 キズタ(気根)・ツタ(吸盤)
草本性・木本性にかかわらず多くのつる植物は、
多かれ少なかれ形成層の活動によりつるがだんだん太る。
急速に太る例としてフジがあげられる。
サルトリイバラは肥大成長を全くしない。
また、よじ登り植物の弱点は、寄生者がはびこって宿主が十分に光合成ができなくなると、
折損・枯損・倒木・枯死など致命的なダメージが宿主側に発生する。
宿主の死は寄生者の死に直結するのは明らかである。
運命共同体にあることをつる植物は知らない。
.帆柱山系のつる性植物の要点・・・結構多いんです・詳細は別項へ。
 ワク内にそれぞれの科の要点を、
また★印の項には似たもの同士の対比をまとめ、
つる性植物の項で書き尽くせないものを補足したものです。
マメ科の特徴は、キク科・ラン科に次いで大きな科。
  A) 1枚の心皮からなる果皮が子葉種子を包む、という果実の構造。(子葉をもつ)
  B) 葉は互生し托葉がある、3小葉から羽状複葉が多い。
  C) 葉や小葉の基部に膨らんだ部分があって就眠運動する。
  D) この他に、土壌中の根粒菌と共生して空中の窒素を養分にする。
などが特徴。
 農業上の重要性はイネ科に一歩譲るが、
総合的な有用性はマメ類に勝る植物はない。
利用範囲は多岐にわたっている。利用される種類は極めて多い。
クロンキストの分類体系にに従い、マメ類を3科からなるマメ目としている。
花弁より長い雄しべ雌しべをもつ放射相称花をつけるムネノキ科、
旗弁が内側にあるジャケツイバラ科、
蝶形花をつけるマメ科の3科をマメ目としている。
ネムノキの長い赤紅色の毛は花糸といい、たいていは色がついている。
昆虫や動物には花弁に代わる目印になる。
マメ科の花は蝶形で花弁が3種類に分化する。
目立つ旗弁、黒い斑紋のある翼弁、さらに翼弁の中に小型の竜骨弁がある。
キョウチクトウ科は、その多くは有毒で、有毒成分は200種以上もあるアルカロイドである。
この毒は古くから矢毒として用いられた。
マダガスカル島の乾燥地の主役はバオバオ。
よく似たパキボディウムゲアイは、太く膨らんだ女性的な樹形は、
1年間全く雨が降らないでも耐えうるように水をたっぷり含む。
同じ仲間のニチニチソウ(日日草・日々新しい花に咲き替わることから)はこの島が原産地。
ニチニチソウの薬効成分を抽出するために営利栽培始まる。
このほか身近にはサカキカズラ・テイカカズラ・キョウチクトウなどがあり、
容姿は全く異なるが同じ仲間内である。
4.ガガイモ科とアサギマダラチョウの生活史・・・
ガガイモ科は、虫媒花をを発達させた進化の一つの頂点に立つ植物群と考えられている。
それは5本の雄しべと、内側の2本の雌しべを合着させて
肉柱体という特別な筒をつくっていることと、
花粉を集めて花粉塊という団子を作り出したことによっている。
筒には縦に5本の隙間が開いている。
ペリプロカ亜科・セカモネ亜科は花粉塊をつくらない。
日本には9属33種が知られているが、
いずれもトウワタ亜科で花粉塊をつくる。
花は大きくないが、形・色・香り・の三拍子揃っていて昆虫を招く。
キョウチクトウ科から進化してきたと推測される。
両者は有毒な乳液をもつことや、つる性植物が多いことなど、共通の性質が多い。
ガガイモ・イケマ・フウセントウワタなどが同じ仲間。
イエライシャンは中国原産のつる性植物で、花の香りは脂粉のようだという。
花は野菜として扱われ、民間薬にも利用。
◆ アサギマダラ蝶の生活
有毒なカガイモ科植物を食草としているのが、マダラチョウの仲間である。
アサギマダラは九州南部から本州中部の山岳地にかけて
渡りをするらしいことがわかってきた。
低地では幼虫の状態で常緑のキジョランの葉で越冬する。冬の宿。
春になって気温が上昇すると、幼虫はキジョランの葉を食べて成長し、
やがて羽化して夏場の生活地である山岳地へと登っていく。
5月末頃の山岳地では、イケマが地中から新芽を伸ばしてくると、
さつそくイケマの若葉に産卵する。
5.よく似たツル性の対比で、見分けのポイントを
★ イワガラミと〈ツルアジサイ〉の対比
ユキノシタ科〈ユキノシタ科〉・葉は対生〈対生〉
・葉身は広卵形〈楕円形~長楕円形〉・葉柄は3~12㎝〈3~9㎝〉
・葉脈上に粗毛・裏面脈上に軟毛・〈粗毛・裏面脈上に軟毛〉
・葉縁は大きな鋭鋸歯〈細かい鋭鋸歯〉・葉先は鋭尖頭か鋭頭〈急に鋭頭〉
・花は5~7月〈5~6月〉・装飾花1枚〈4枚〉
★ アケビと〈ムベ〉の対比
アケビ科〈アケビ科〉・落葉性灌木〈常緑性藤本〉
・5小葉の長柄掌状複葉〈5~7個の掌状複葉〉
・全縁で先端凹頭〈先端は尖る〉
・雌雄同株〈雌雄同株〉・花期4~5月〈4~5月〉
★ キヅタと〈ツタ〉の対比
ウコギ科〈ブドウ科〉・常緑性灌木〈落葉つる性藤本〉・別名フユヅタ〈ナツヅタ〉
・気根で登る〈巻きひげは分岐し先端に吸盤がある〉
・樹皮は灰色〈黒褐色〉・花序のつく枝の葉は楕円形で全縁
〈花序のつく短枝の葉は大きく長柄で3裂し先端は鋭く尖り、縁は芒状の鋸歯がまばら〉
・互生で葉身は掌状に浅く3~5裂〈花のつかない長枝の葉は小さく短柄、
きれ込みはないもの~3裂〉・花期は10~12月〈6~7月〉
 
“ヤブガラシに学ぶ植物型スマート構造の開発”
--植物の情報処理のメカニズムをロボットに活かす--
光を求めて他の植物や人工物に巻き付いて成長するつる植物。
神経系をもたないのに、対象物に応じて最適な巻き付きパターンを生み出している、
ヤブガラシに学ぶ植物型スマート構造の開発とは?
人工構造物に生体の脳、神経、筋肉などと同じように、知覚や判断、
応答という機能を持たせて状況に応じた自律的な動きを可能にするスマート構造。
これまでは、センサで感知して神経系で情報処理を行い、
モーターに情報をフィードバックして作動する、
いわば動物型のメカニズム開発が主流でした。
そこに、視覚や神経系をもたないのに環境に適応して生育する
植物規範を取り入れたユニークな研究が行われています。
研究対象となったのは、つる植物の1種であるヤブガラシという雑草です。
他の植物や柵などの人工物に巻き付き、自身のからだを支えて上へ伸びて行きますが、
つかむ相手に対して巻きひげを変形させて最適なパターンで
巻き付くという非常に複雑な動きをしているのです。
これまで、巻きひげの動きを詳細に観察したところ、
巻き付く相手の直径が細い場合はつるを全周に巻く(通常巻き)、
直径が太く巻きひげが長い場合は途中でUターンしてクリップ状になる、
直径が太くて巻きひげが短い場合は巻き付くのをあきらめて離れて行く(先端のみ接触・離脱)
という3つのパターンに分類できることがわかりました。
非常に合理的な巻き方をしていることが明らかになったのです。
さらに、巻きひげへのマーキングと画像データ解析により3D座標データ化を進め、
パターンの違いがどのように生じてくるのか、そのメカニズムの解明を進めています。
植物は神経系を持っていませんが複雑な動きを可能にしているのは、
巻きひげ自身がセンサとして、同時にモーターとしての役割りを担い、
独立的に判断して最適なパターンを生じさせているためだと考えられるのです。
この情報処理と動きのメカニズムをスマート構造に利用できれば、
複雑なセンサネットワークや情報処理系統のない、
植物規範のシンプルな機械ができるのではないかと考えられています。
将来的に、たとえば内視鏡手術用のガイドワイヤーなど、
アクセスが難しい場所で自在に動く植物型ロボットが生まれるかも知れないのです。
斉藤一哉 助教 東京大学 生産技術研究所
深野祐也 助教 東京大学大学院 農学生命科学研究科
“植物規範で従来にない機械をつくりたい”
斉藤の専門は、機械工学・航空宇宙工学です。
コンパクトに収納して宇宙で展開する構造物など、
形状可変構造物をつくっています。
そこで、生物の変形に興味をもち、
昆虫の翅(はね)の折り畳みの研究なども行ってきました。
今回は、植物をターゲットに共同研究を進めることになりました。
 深野の専門は進化生態学という分野で、
生物がどのように環境に適応して生き残ってきたのかを研究しています。
もともとは、植物が周りの個体とか、植物を食べる昆虫の情報をどう手に入れて、
どう生き延びているのか研究していました。
現在は、植物がどのように他の植物を認識しているかを化学的に解明しようということで、
ヤブガラシに注目しました。 
アプローチが異なるので、共同研究は新鮮ですね。
植物に学ぶことで、これまでとは全く違うシステムの機械ができると考えています。
 
 
「令和陸年(皇紀2684年)10月13日」
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《 雅羅・/・〝里緑地の実  '10-2〟❖ ’24-286 ❖ 》

画像は、借り物。 ホドイモ(塊... 画像は、借り物。
ホドイモ(塊芋) マメ科(Fabaceae)
学名:Apios fortunei
ホドイモ(塊芋);つる性多年草
北海道〜九州の日当たりのよい林縁で見られる。
細長い地下茎があり、所々に紡錘体あるいは球形の塊根がある。
塊根は親個体から離れると無性的に新個体を形成する。
茎は塊根の頂端あるいは地下茎の途中から地上に出て他物に巻きつき、
長く伸びて2m以上に達する。
小葉は5枚ときに枝先で3枚となり、頂小は卵形〜広卵形で、
先はやや長く伸び、長さ5〜12cm、幅2〜7cm、
多くは表裏面ともに伏した短剛毛がある。
托葉は小型で狭卵形あるいは広線形、長さ3〜4mm。
花序は開花期間中しだいに伸びて長さ約18cmに達し、
ときに枝分かれし、節はこぶ状にふくらみ、1節に2〜4花をつける。
花は黄緑色、萼は長さ3〜3.5mm、花のほぼ1/3長、
萼裂片は短く、長さは萼全体の1/5以下。
旗弁は広楕円形、翼弁は小型、竜骨弁は細長く内側に曲がる。
豆果は線形で扁平、長さ6〜8cm、無毛、5〜6個の種子を入れる。
2片に裂開する。
種子は扁平な広楕円形、あずき色で、長さ約4.5mm、幅約4mm。
花期は7〜9月。(日本の野生植物)


《 カメラが壊れ画像がない〝ホドイモの実〟 ❖泉の森❖  》
**神奈川県植物誌** 19.... **神奈川県植物誌**
19.ホドイモ属 Apios Fabr.(佐々木あや子,『神植誌 01』:浜口哲一,図:浜口哲一)
つる性の多年草.葉は羽状複葉で,小葉は 3~7 個ある.
托葉は小型で針形,小托葉は目立たない.
花は葉腋から出る総状花序につき,黄緑色でときには紫褐色.
竜骨弁は旋回して曲がる.豆果は線形で裂開する.
東アジア~インドおよび北アメリカに約 8 種があり,
日本には 1 種が自生し,1 種が帰化している.
A.花は緑黄色で長さ 6~7mm,長く伸びる総状花序にややまばらにつく.
塊茎は球形 ...........................(1)ホドイモ
A.花は内面が紫褐色を帯び長さ 10~12mm,総状花序につまってつく.
塊茎は数節にくびれる ...(2)アメリカホド
(1)ホドイモ Apios fortunei Maxim.
つる性の多年草で,樹木にからんでマント群落をつくる.
多くの葉が 5 枚の小葉をもつことで,ほかのつる性のマメから容易に区別できる.
7~8 月に葉腋から総状花序を出し,緑黄色の花をつける.
竜骨弁とそれに包まれる雄しべと花柱は旋回して曲がる.
豆果は線形で長さ 5cm,裂開して種子をはじき飛ばす.
北海道,本州,四国,九州;中国に分布する.林縁に生える.
県内では市街地を除いて広く分布するが,それほど多いものではない.

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マルバフジバカマ(円葉藤袴) ... マルバフジバカマ(円葉藤袴) キク科 (Asteraceae)   
学名:Ageratina altissima
別名・別読み: ボタンザキフジバカマ
草名は、姿がフジバカマに似てい... 草名は、姿がフジバカマに似ているが、
葉が卵形で裂けないことからついた。北アメリカ原産の多年草。
明治時代に箱根町強羅の公園植栽品から散逸し広がったと伝わる。
現在では、生態系被害防止外来種・侵入植物になってしまった。
道端や空き地に生え、横走する太く長い根茎がある。
茎は直立し、茎の上部には短毛がある。葉は、長い柄があって対生。
表面は濃緑色でやや光沢があり無毛または短毛が点在する。
葉形は、卵状披針形で縁に鋭く大きな鋸歯があり先は鋭く尖る。
茎の先に花序を出し、白色の頭花を多数つける。花序にも短毛あり。
頭花は、15~25個の筒状花。総苞片は、10個ほどが1列に並ぶ。
花冠の先は5裂し、花柱は2深裂して白色。
痩果は、黒色で強い光沢があり4~5個の稜があり、冠毛は白色。
頭状花,虫媒花.耐陰性があるため林内でも繁殖可能。
耐陰性があるため森林域にも入り込む性質がある。


《 ひっそりと咲いている帰化植物〝丸葉藤袴〟 ❖泉の森❖  》
**神奈川県植物誌** 84.... **神奈川県植物誌**
84.マルバフジバカマ属 Ageratina Spach.
(勝山輝男,『神植誌 01』:大場達之,図:大場達之)
多年草または低木.葉は対生.頭花は多数で,散房状に集まる.
頭花は 10~60 小花からなり,総苞片は 1~2 列で等長.
南北アメリカに約 250 種がある.日本および県内には 1 種が帰化.
ヒヨドリバナ属 Eupatorium に含められていたが,
今回の改訂にあたって分離された.
→(1)マルバフジバカマ
Ageratina altissima (L.) R.M.King & H.Rob.; Eupatorium rugosum Houtt.
長い横走する地下茎がある.茎は高さ 30~100cm.
葉は卵形で長 7~15cm,幅 4~9cm.長さ 2~5cm の柄がある.
濃緑色でやや光沢があり,無毛.花は 9~10 月.頭花は 15~25 個の小花がある.
総苞片は 10 個で 1 列,同長.痩果は長さ 2mm で黒色,光沢がある.
北アメリカ原産で,明治 29 年に渡来し,
箱根の強羅に帰化(澤田 1927 植研 3:242-243)し,その後各地に広がる.
日陰,特にスギ植林の下に多く生える.
県内では小田急線に沿って分布が広がり,
現在では三浦半島を除いて丘陵から低山域に広く見られる.
丹沢の南~東側山麓ではニホンジカが食べないために
ヒノキ人工林下に目立つ.
*       *       *
泉の森の生育場は、ひと目につかない所。
注意深く観察し、然るべき処置を検討すべきか。


「令和陸年(皇紀2684年)10月11日」
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《 雅羅・/・〝里緑地の花  '10-5〟❖ ’24-284 ❖ 》

アキノウナギツカミ(秋の鰻攫)... アキノウナギツカミ(秋の鰻攫) タデ科(Polygonaceae) イヌタデ属
学名:Persicaria sieboldii (Meisn.) Ohki 
Persicaria sagittata (L.) H.Gross [広義]
synonym Polygonum sagittatum L.
synonym Persicaria sagittata (L.) H.Gross var. sibirica (Meisn.) Miyabe [狭義]
synonym Polygonum sagittatum L. var. sibiricum Meisn.
別名:アキノウナギヅル(秋の鰻蔓)、ウナギツカミ(鰻攫)
花拡大画。 花拡大画。
アキノウナギツカミ(秋の鰻攫)... アキノウナギツカミ(秋の鰻攫); 在来種 日本全土に自生。     
畦畔、水辺、空き地など湿った土地に生育する。
種内の変異が大きく、早生の畑地型が狭義のウナギツカミ、
晩生の湿地型がアキノウナギツカミと呼ばれてきた。
茎はつる状に伸び、下部は地を這い、上部は斜上する。
茎は、四角形で稜に逆刺がある。
葉は互生、葉柄は長く葉柄の基部には膜質の托葉鞘がある。
葉の基部は心形〜やじり形。
茎上部の葉は短柄で、基部が矢じり形で茎を抱く。
枝先に淡紅色の花を球状につける。花序は直径約1cm。
花被片は5枚。上部が紅色〜紅紫色を帯び、長さ約2.5mm。
そう果は花被に包まれ、濃茶褐色に紫色を帯び3稜形で光沢がある。
長さ約3mm。花期は5〜10月。(植調雑草大鑑)
YListでは、アキノウナギツカミはウナギツカミの別名になっている。
似た花のナガバノウナギツカミ:
花柄に腺毛、葉の基部が小さく開出、茎を抱かない。
 ホソバノウナギツカミ:
葉の基部はほこ形で,側片は耳状に下方にわん曲する。花がまばらにつく。
*早生の畑地型が狭義のウナギツカミ。
*晩生の湿地型がアキノウナギツカミと呼ばれてきた。


《  堂々と咲き誇る〝秋の鰻攫〟 ❖泉の森・湿性植物園❖  》
**神奈川県植物誌** (13... **神奈川県植物誌**
(13a)アキノウナギツカミ Persicaria sieboldii (Meisn.) Ohki var. sieboldii;
P. sagittata (L.) H.Gross var. sibirica (Meins.) Miyabe
1 年草.茎は基部が横にはい,節から根をだし斜上して高さ 1m 以上になる.
茎には下向きの刺が 1 列に並ぶ.葉は披針形で,
長さ 5~9cm,幅 1~2cm,先は鋭頭,基部はやじり形になって茎を挟む.
托葉鞘は膜質で長さ約 1cm,上部は斜め切り形で縁毛はない,花期は 8~11 月.
花は枝先にやや密な頭状に集まる.花被は淡紅色で長さ 3~3.5mm.
果実は 3 稜形で長さ約3mm,黒色で光沢がある.
北海道,本州,四国,九州,琉球;東アジア~ヒマラヤ,シベリアに分布.
県内ではほぼ全域の湿地や休耕田などで見られる.
刺のないものをアキノウナギツカメズ form. laevicaulis Seriz. といい,稀に見られる.
(13b)ウナギツカミ Persicaria sieboldii (Meisn.) Ohki var. aestiva (Ohki) Okuyama; P. aestiva Ohki
1 年草.アキノウナギツカミに似るが高さ 30~60cm と小さい.
葉は長卵形で長さ 3~4cm,幅 1.5cm,基部はやじり形,
先は鋭形で鈍端,下面中脈に小さい刺がある.
托葉鞘は短く,上部は斜め切り形で,縁毛はない.
白色で先が淡紅色または,全体が淡紅色の花が枝先に頭状に集まり,花被は 5 裂.
雄しべは 8 個.花期は 5~6 月で,アキノウナギツカミの 7~10 月より早い.
果実は黒褐色で,先が尖る 3 稜形,長さ 3mm.
北海道,本州,四国,九州,琉球;東南アジアに分布.
水田などに生え,県内では広く点在するが少ない.
『神植誌 01』は種ランクで扱ったが,変種説を採用した.

*      *      *
似てる!! 似てる!!
雑草と呼ばれ嫌われるようだが、... 雑草と呼ばれ嫌われるようだが、可愛いく咲く野草。
最近は、自生地が減った様に感じる。

「令和陸年(皇紀2684年)10月10日」
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《 雅羅・/・〝里緑地の花 '10-4〟❖ ’24-283 ❖ 》

エゴマ(荏胡麻) シソ科(La... エゴマ(荏胡麻) シソ科(Lamiaceae)
学名:Perilla frutescens (L.)Britton var. frutescens
レモンエゴマ(Perilla ... レモンエゴマ(Perilla citriodora)
山地の林縁に生える一年草。(エ... 山地の林縁に生える一年草。(エゴマは外来種だがレモンエゴマは在来種)
中国、韓国から日本に伝わったとされ、縄文時代の遺跡からも発見されている。
食用・油用に栽培され各地で栽培されてきた。黒種・白種、大きさも異なる。
現在では栽培されていない地域で野生化したものが見られる。
中国のものには葉が紫色のものもある。
種子から採れるエゴマ油(荏油)には必須脂肪酸であるα-リノレン酸が豊富に含まれ、
これが体内でDHAやEPAにも変換されるため、健康食品として注目されている。
全草に特有の臭いのあるぺリラケトン(perillaketone)などを含み、
これが肺水腫や肺気腫を起こす、と広く知られている。
茎は4稜形、長い下向きの軟毛が密生又はまばらに生える。
葉は対生し、広卵形で、長柄がある。葉質はやや厚い膜質。
葉の基部は広い楔形で鋸歯はなく、鋸歯が丸みを帯びることが多い。
葉裏には黄色い腺点がある。
苞は緑色~紅紫色、卵形~広卵形で、花序下部の苞は横幅が狭い。
花序は枝先につき、2花の仮輪からなり、長い。花冠は白色、まれに淡紅色。
萼は釣鐘形で、先が5分裂し、果期にはやや大きくなり、長さ約8㎜。
萼筒には長毛が密生し、黄色の腺点がある。
果実は4分果で、分果は長さ1.5~1.9㎜(約1.7㎜)のほぼ球形。
初めは紫色を帯び、暗褐色、網目模様がある。
レモンエゴマは在来種であり、強いレモン様の臭いがある。
エゴマ、レモンエゴマ、シソは容易に交雑が起き、中間型など多様形態がある。
*       *       *
高さ100〜250cm、茎には1〜2mmの長軟毛が疎生、または密生する。
葉は卵形〜広卵形で長さ10〜20cm、巾6〜10cm、先は尖り、
鋸歯があるが基部では暖味である。
葉の質は厚く、時に薄く、色は鮮緑色〜濃緑色。
花穂は太く短い円柱形で、その長さは野生種のトラノオジソやセトエゴマに比べてかなり短い。
花冠は白色、時に桃白色、長さ4〜 6mm、雄しべは花冠からほとんど突出しない。
萼は花時の長さ4〜7mm、果期には約1cm、短軟毛と長軟毛が生える 。
苞は卵形〜広卵形で中肋から縁がやや波うつように反り返 り 、
鋭先頭、縁の毛は短くて疎らであり、あまり目立たない。色は緑色で果時宿存性。
分果は約2mmの偏球形で隆起した網紋があり、
色は白色〜淡褐色〜褐色、また灰色〜灰褐色。
各地で栽培され、野生化したものも多い。花期は9〜10月。
(日本産シソ属植物の類縁および化学分類に関する研究より)
伊藤美千穂「日本産シソ属植物の類縁および化学分類に関する研究」によると
「日本産シソ属植物の野生種は形態上3種に分類される。
即ち、レモンエゴマ(Perilla citriodora)、トラノオジソ(Perilla hirtella)、
セトエゴマ(Perilla setoyensis)である。
これらは、いずれも少し奥まった山の谷筋等に生えるが、
トラノオジソは海岸部にも分布がある。
分布域、個体数ともにレモンエゴマが最も広く、かつ多い。
また 3種とも関東以西の太平洋側の地域に分布し 、
それより北や日本海側の地域には分布していない。」とある。
レモンエゴマ
本州中部以南の太平洋側〜九州の山地の林縁などに生える。
茎は軟毛が密生し、高さ20〜70cmになる。
茎には0.2〜0.3mmの下向きに曲がった短軟毛が密生する。
葉は長さ7〜12cmの葉柄があり、卵形〜広卵形で、長さ8〜12cm、幅6〜8cm、
先は尖り、鋸歯があるが基部では曖昧になる。
葉面には 0.1〜0.2mmの短毛があり、 長毛は無い。
葉の裏面や葉脈、 葉柄が赤紫色を帯びることが多い。
脈上に軟毛、裏面に腺点がある。
枝先に長さ10〜18cmの花序に唇形花をつける。花冠は淡紅色、長さ4〜5mm。
雄しべは花冠からほとんど突出しない。葯の色は赤紫色。
萼は花時の長さ4〜6mmで短軟毛が密生し、0.7〜1.2mmの長毛が生える。
果期に少し大きくなる。
苞は横長の楕円形〜平円形で凸頭、 巾3.5〜4.5mm、 長さ4〜5mm、
縁に長毛が疎らにあり、 色は白っぽく、
花穂が伸び出すと大きく反り返り、 果時には殆ど脱落する。
分果は偏球形で網紋があり、直径約1.3mm。
葉を揉むとレモン様の香りのするものがある。
シソ(Perilla frutescens var. crispa)
茎には長軟毛が疎生する。
葉は広卵形で時に縮み、質は薄く、長さ8〜10cm、幅6〜8cm、色は赤紫色、または緑色。
葉の上面が緑色で裏面は赤紫色のものもある。鋸歯があるが基部では曖昧である。
萼は花時の長さ4〜6mmで短軟毛と長軟毛が生える。
苞は卵形〜広卵形で中肋から縁がやや波うつように反り返り、
鋭先頭、縁の毛は短くて疎らであり、あまり目立たない。
色は緑色〜赤紫色で果時宿存性。
分果は偏球形で隆起した網紋があり、色は黒褐色〜褐色。
栽培植物であるが各地に野生化したものがある。
※ 以上、3画像は借り物 ※




《 色々あって面白い〝荏胡麻〟 ❖泉の森にも居る!!❖ 》
**神奈川県植物誌**

神奈川県内自生・分布図。 神奈川県内自生・分布図。
《 雅羅・/・〝里緑地の花 '...
20.シソ属 Perilla ... 20.シソ属 Perilla L.(支倉千賀子,図:支倉千賀子)
1 年草.茎は直立する.葉は対生.花は 2 花の仮輪を重ねた細長い花穂を枝先に形成する.
萼は釣鐘形で 5 裂し唇形,果時には大きくなる.分果は球形で網目模様がある.
東アジアからインドにかけて数種または 1 種が分布する.
日本には,野生種 3 種のほか,栽培種が野化する.
県内には野生種が 2 種,逸出種が 1 種ある.
文献: 伊藤美千穂・本多義昭 ,
1996. 日本産シソ属野生種の分類学的再検討 . 地分 , 44: 43-52.
A.葉身の基部には鋸歯がある
(1)トラノオジソ
A.葉身の基部には鋸歯がない
B.茎の中下部には下向きの短毛が密生する.苞は白色.
花序の下部の苞は横に広い楕円形となる
(2)レモンエゴマ
B.茎の中下部には短毛,縮れた長毛が疎生する.苞は緑色か紅紫色.
苞は卵形~広卵形で横に広い楕円形のものが出ることはない
C.植物体にエゴマの匂いがある.葉身はやや厚い膜質で平ら,ふつう緑色.
萼は果時に長さ 8~9mm.分果は長さ 1.5~2mm
(3a)エゴマ
C.植物体にシソの匂いがある.葉身は膜質で縮れるか平ら,紅紫色か緑色.
萼は果時に長さ 5~6mm.分果は長さ 0.7~1.5mm
(3b)シソ
(1)トラノオジソ Perilla hirtella Nakai;
P. frutescens (L.) Britton var. hirtella (Nakai) Makino
高さ 50~90cm.茎の中下部には,やや縮れた短毛が密生する.
葉は葉身基部まで明らかに鋸歯があり,ほかのシソ属からは,はっきり区別できる.
通常葉柄は紅紫色を帯びる.花は 9~10 月に咲き,若い花序は円柱状で先が細まり,
苞がしっかり鱗状に重なって花はあまり見えない.
苞は長さ約 5mm で卵円形~丸い偏菱形,先は尖り,縁に軟毛が多い.
花冠は赤紅色.本州,四国,九州に分布する.
県内では山地~丘陵地の林縁などの半陰地に生育し,やや稀であったが,
ニホンジカの不嗜好植物で,丹沢山地や小仏山地では増えている.
伊藤・本多(1996)はトラノオジソとレモンエゴマを 2n=20 の野生種,
エゴマとシソを 2n=40 の栽培種とし,
トラノオジソとレモンエゴマを独立種とする見解を支持している.
県内産のトラノオジソの葉形についても中間形はなく,
はっきり区別できることから独立種として扱った.
(2)レモンエゴマ Perilla citriodora (Makino) Nakai; P. frutescens (L.) Britton var. citriodora (Makino) Ohwi
高さ 50~90cm.生植物か新しい標本では,
植物体の一部をもむと強いレモン様の匂いがする.
この匂いはレモンエゴマに特有である.
エゴマやシソでレモンエゴマに近い匂いのものを誤同定することがあるが,
茎の毛と苞の色や形でほぼ区別できる.
葉の鋸歯は丸みを帯びることがなく,やや鋭い.
葉身基部には鋸歯がなく,広いくさび形である.
葉柄や葉の下面は紫色を帯びることが多い.
花は 9~10 月に咲き,若い花序は円柱状で鈍頭.
苞は長さ4~5mm で縁にまばらに軟毛があり,早落性である.
花冠は淡紅紫色~紅紫色.
本州(関東地方以西の太平洋側),四国,九州に分布する.
県内では県央~県西部の山地に分布が偏り,やや少ない.
丘陵地や三浦半島では稀である.
おもにシイ・カシ帯上部~ブナ帯下部の林縁に生育する.
→(3a)エゴマ Perilla frutescens (L.) Britton var. frutescens
茎は高さ 60~150cm と大きくなり,長軟毛が密生またはまばらに生える.
葉身はふつう緑色であるが,やや紫色を帯びることもある.
花冠は白色で,稀に淡紅紫色.
外部形態はシソの一部の栽培品種と非常によく似ているが,
全草にペリラケトンというエゴマ特有の芳香物質が含まれ,
人によって不快な匂いと感じる.
伊藤・本多(1996)はエゴマとシソは容易に交雑が起きて
さまざまな形態のものが存在するため,厳密な定義は難しいとしている.
県内産の標本も上記の検索表にあてはまらないものが多く見られ,
エゴマとシソおよびそれらの雑種の境界は十分に認識できなかった.
匂いもエゴマとシソの中間的な匂いのものやほとんど匂わないもの,
レモンエゴマに近いがやや青臭い匂いのものなどがある.
東南アジア原産とされる逸出種.
日本では種子を食用または搾油用,葉を食用として利用.
やや冷涼な気候を好み,乾燥に弱いため日陰で湿り気のある場所で栽培されるが,
近年では栽培しているところが少ない.
また,芽ジソ用にアオチリメンジソの代用として栽培されることもある.
県内では山地~丘陵地の麓の林道,農道脇などに逸出し,典型的なエゴマは少ない.
近年,丹沢ではニホンジカの採食の影響が大きい
山地斜面にニホンジカの忌避植物のエゴマを播種しているところが見られる.
→(3b)シソ Perilla frutescens (L.) Britton var. crispa (Benth.) W.Deaneさまざまな品種があり,
代表的なものとしては葉が深い鋸歯と皺をもち赤紫色のチリメンジソと,
その葉が緑色のアオチリメンジソ,葉が浅い鋸歯をもち皺がなく赤紫色のシソ(狭義)
とその葉が緑色のアオジソ,下面だけが赤紫色のカタメンジソが知られる.
呼び方もさまざまで,それぞれアカチリメン,アオチリメン,アカジソ,
アオジソ,ウラアカともいう.
また,茎の毛,葉形,葉色,萼の毛の量,萼の大きさ,花冠の色にはさまざまなものが
ある.
全草にペリルアルデヒド,リモネン,ピネンなどの精油を含む.
中国中南部原産の逸出種.
日本では芽ジソ,穂ジソ,葉ジソ,シソ実用に古くから広く栽培される.
県内の農耕地周辺や山麓,丘陵地の道端や林縁などの半陰地に野化している.
分布図ではさまざまな品種をまとめて広義のシソとして表示した.

§       §       §
 
 
山地の林縁に生える一年草。(エゴマは外来種だがレモンエゴマは在来種)
東南アジア原産という一年草で、元は人が栽培してきた農作物。
古い時代に日本へ入ってきたため在来種の扱いになったりもする。
葉が食用になり、種子からは油が採れる。
エゴマは、全体的姿はアオジソ(青紫蘇)に似ている。両者の交雑種もある。
葉は対生。葉身の基部側四分の一に鋸歯(きょし)がない。
葉柄付近までびっしり鋸歯があったら希少種トラノオジソ(虎の尾紫蘇)か?
葉を揉むとレモンの香りがするレモンエゴマ(檸檬荏胡麻)がある。
だが、エゴマにもレモン臭がするものもあって判別が難しい。
エゴマは栽培種で色々とあり、レモン臭だけでの判別は無理。
茎に短毛と縮れ気味の長毛が疎生し、苞が幅狭で緑色なのがエゴマ。
茎に下向きの短毛が密生、花序下方の苞が幅広で白っぽいのがレモンエゴマ。
花序は葉脈にも付くが茎先端に突き出たものが印象的。シソに似ている。
花色はふつう白。生育環境により花期は少しずれるが、泉の森では9月下旬~。
完熟した実の種子からは食用油の「えごま油」が採れる。
α-リノレン酸を多く含んでおり、動脈硬化や心疾患を予防する。
あるいは老化防止、認知症を予防、ダイエットにも効果がある。
えごま油は酸化しやすいため、加熱してはいけない。
えごま油にはエゴマ特有の臭みは一切なく味はまろやか。
ーー色々と掲載されている。参考引用させていただいた。ーー
 
 
 
「令和陸年(皇紀2684年)10月9日
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《 雅羅・/・襍〝備忘録  24-38〟❖ ’24-282 ❖ 》

チヂミザサ(縮み笹) イネ科(... チヂミザサ(縮み笹) イネ科(Poaceae)チヂミザサ属
学名:Oplismenus undulatifolius (Ard.) Roemer et Schultes var. undulatifolius (Stend.) Koidz.
別名:ケチヂミザサ(毛縮み笹)
特徴の葉。 チヂミザサ(縮み笹... 特徴の葉。
チヂミザサ(縮み笹);多年草。
北海道〜九州の林縁や林地の木陰に生育し、やや群生する。
ちょこっとこんもりした薮の縁などにも生育している。
茎高は、30〜50cm、基部は長く地を這い枝分かれし生長する。
節は太く、短毛が密生する。
道端や原っぱの縁で余りめだたず、あちこちで生息。
葉は互生し、広披針形で先は次第に尖り基部は狭まり、
光沢なく両面に細毛、葉鞘は無毛で縁辺にだけ毛がある。
葉は縁が縮んで波打つのが特徴で、それを特徴に探す。
しかし、花軸に毛が生えていないコチヂミザサも同様で、
葉の周りが縮れているので葉だけでは見分けられない。
花序の枝は殆ど水平に開出し、緑紫色の小穂を疎らにつける。
小穂は倒卵形、長さ2〜2.5mm、2小花からなるが
第1小花は退化して護穎のみとなる。苞穎は長さ1mm。
第2苞穎は第1小花の護穎と同長。
第2小花の護穎と内穎は厚くガラス光沢がある。
果実は広楕円形、突頭、暗褐色、長さ1.5mm。
花期は8〜9月。ーー日本イネ科植物図譜より引用ーー


《  面白い葉〝縮み草〟 ❖泉の森にも居る!!❖  》
長短2本の針と粘液で強力に刺さ... 長短2本の針と粘液で強力に刺さりくっつく(ひっつき虫)。
イネ科の特徴の通り、花びらを持つ花ではない。
また、特徴が葉の縁が縮んで波打つ、と云われ名前の由来だが、
周りを注意深く見ると、他の植物の葉に隠れても匍匐して広がっている。
小穂は、見た目は一つに見えるが雄蕊と雌蕊を包む外花頴(ガイカエイ)と、
退化し結実しない内花頴(ナイカエイ)の2つがくっついて構成されている。
雌蕊の羽毛状の毛の下に、紫色の葯の雄蕊がぶら下がる。
開花時の雌蕊の柱頭の羽毛状の毛が目立つ。
外花頴の羽毛状の毛の先に出る雄蕊の紫色の葯を見つける。
そして雌蕊の羽毛状の白い毛を注意深く観察する。
小穂の基部には2個の苞頴(ホウエイ:蕾を包むように葉が変形した部分)、
その先端に長い芒(ノギ)をつける。この芒が後に大事な役目を持つとか。
果実が熟すると長さ0.3cmの小穂は、基部で外れ易くなり中に種子がみえる。
小穂についている長い芒と少し短い芒が一本、それぞれについている粘液。
粘液が球状に点々とついており、そこを通る小動物の体毛にひっつく。
その後しばらくしていずれかの場に落ちてそこに新たな命が芽生える。
チヂミザサは芒と粘液によるいわゆる「ひっつき虫」のひとつ。
芒が衣服によく突き刺さる。粘液でべたべたしている。
手で払っても全然落ちない。指で摘まんで一つ一つ摘み取って除去。
山野を歩いたあと、チヂミザサの芒が残ったままなんてよくある。
このチヂミザサ、茎や花序軸に開... このチヂミザサ、茎や花序軸に開出する毛の多いもの、少ないもの。
以上のように説明を受け覚えさせられたが、
実際に緻密に観察などしたことはない。
他に観察したい草花が多いから。



**神奈川県植物誌**
イネ科; 73.チヂミザサ属 ... イネ科;
73.チヂミザサ属 Oplismenus P.Beauv.(佐藤恭子,図:佐藤恭子)
木陰に生える 1 年草ときに多年草.地を這って分枝し,支柱根がある.葉身は狭卵形で基部は心形,縁は波をうつの
が特徴.花序の主軸上に 10 内外の総を出し,総の片側に数個の小穂が集まってつく.小穂は 2 小花からなり,第 1 包穎
には長芒が,第 2 包穎には短芒がある.第 1 小花は護穎だけに退化,第 2 小花が登実,成熟すると芒が粘液を出し,小
穂ごと動物などについて散布する.熱帯,亜熱帯に分布の中心があり,世界に 5 種,日本に 2 種,県内には 1 種見られる.
A.高さ 15~30cm,花序 10~15cm.葉長 3~7cm,葉幅 8~15mm(広義チヂミザサ)
B.花序の主軸や葉身,葉鞘に基部の膨れた長毛がある ....................................................................(1a)ケチヂミザサ
B.花序の主軸や葉身,葉鞘に毛がないか,あっても短毛 ................................................................(1b)コチヂミザサ
A.高さ 5~10cm,花序 3~5cm.葉長 1~2.5cm,葉幅 3~6mm..................................................(1c)チャボチヂミザサ
(1a)ケチヂミザサ Oplismenus undulatifolius (Ard.) P.Beauv. var. undulatifolius
葉身には短毛の密生に加え,基部の膨れた長毛も混ざり,特に葉の基部で顕著である.葉鞘,花序にも開出した
毛が生えざらつく.花期は 8~10 月.北海道,本州,四国,九州,琉球;旧世界の温帯~亜熱帯に広く分布する.
県内では平野部~山地まで林中や林縁の陰地に普通.
(1b)コチヂミザサ Opli... (1b)コチヂミザサ Oplismenus undulatifolius (Ard.) P.Beauv. var. japonicus (Steud.) Koidz.
ケチヂミザサに比べ全体に毛が少なく,
葉身は短毛が密生してビロードのような触感.
特に典型的なものは円錐花序の中軸は節部以外ではほとんど無毛である.
今回,ケチヂミザサとコチヂミザサを 2 変種として分けるにあたっては,
基部の膨れた長毛の混生の有無を判別の基準とし,
花序の枝や葉身に生える毛が短毛のみで,
基部の膨れた開出毛のないものはコチヂミザサとした.花期は 8~10 月.
北海道,本州,四国,九州;朝鮮(中部~南部),
中国に分布する.
県内では林中,林縁の陰地に生え,平野部~山地まで広範囲で普通に見られる.
(1c)チャボチヂミザサ Oplismenus undulatifolius (Ard.) P.Beauv. var. microphyllus (Honda) Ohwi
全体非常に小型で全草毛が少なく,花序の軸は無毛,
花序はほとんど枝を分けず,軸に 1~3 個ずつ小穂がつく.
標本:横浜市旭区 1990.7.28 小崎明則 KPM-1104279.






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《雅羅・/・〝里緑地の花  '10-3〟❖ ’24-281 ❖》

チカラシバ(力芝) イネ科(P... チカラシバ(力芝) イネ科(Poaceae) チカラシバ属
学名:Pennisetum alopecuroides (L.) Spreng.
別名: ミチシバ(路芝)
北海道西南部から沖縄まで、日本... 北海道西南部から沖縄まで、日本全国に分布する多年草。
野原や道端、空き地やグラウンド等、何処にでも普通に見られる。
日当たりのよい路傍や土手、耕地の周辺等に生育し、群生する。
地下茎で繁殖し、大きな株を作る。茎の高さは50〜80cm。
踏みつけても起き上がる。又、容易に抜けない等々で“力芝”と命名された。
薄に似た大型の野草、開花期に群生する黒紫色をした花穂姿は美しい。
茎は枝分かれしない。地下茎で繁殖し、大きな株を作る。
葉は線状で長さ30~60cm、幅5~8mm程になり、尖った先端は垂れ下がる。
葉も茎もかなり丈夫で、刈り取りや踏圧に強いが、晩秋には枯れる。
地下にある根は細かな「ヒゲ根」になり、引き抜かれることを阻止している。
その結果、大きな株になり、翌春には多数の葉を密生させる。
葉は長さ10~80㎝、幅0.3~1㎝。葉舌は長さ0.5~2.5㎜。
円柱形の穂状花序は長さ10~20㎝、直径約4㎝。
小穂の基部に長さ約2㎝の黒紫色の総苞毛(毛状の総苞)がある。
小穂は長さ5~8㎜。第1小花は長さ約1.5㎜、0~1脈。
第2小花は長さ約4㎜、3~5脈。頴果は総苞毛とともに落ちる。
第1小花は護穎だけで、結実するのは第2小花である。
第1包穎は長さ1mm、第2包穎は4mm。
小穂基部の総苞は黒紫色を帯び毛状。
果実は灰褐色、無光沢、長さ3mm。花期は8〜10月。
総苞毛が淡緑色のものは、アオチカラシバと云われている。
帰化種のエダウチチカラシバは茎が分枝し、
花序の枝1本に2~4個の小穂がつき、
内側の総苞毛が羽毛状に分岐する。


《 群生すると圧巻〝力芝〟 ❖ 10月中 ❖  》
**  神奈川県植物誌  **... **  神奈川県植物誌  **
78.チカラシバ属 Pennisetum Rich.(佐藤恭子・古川冷實,図:佐藤恭子)
多年草ときに 1 年草.大きな株をつくる.踏みつけに強く,引き抜きにくい.
花序はブラシ状で,小穂は披針形または卵形,
基部には芒状の総苞毛(剛毛・刺毛)が輪生する.
78.チカラシバ属 Pennisetum Rich.(佐藤恭子・古川冷實,図:佐藤恭子)
多年草ときに 1 年草.大きな株をつくる.踏みつけに強く,引き抜きにくい.
花序はブラシ状で,小穂は披針形または卵形,
基部には芒状の総苞毛(剛毛・刺毛)が輪生する.
穎果は成熟期に護穎と内穎に包まれ総苞毛とともに脱落する.
世界の熱帯~暖帯に約 100 種見られる.
日本には 7 種,県内にはそのうち 4 種が生育する.
A.総苞毛は分岐しない
 B.葉身は幅 5~8mm で平らまたは折りたたまれる..........(1)チカラシバ
 B.葉身は幅 1mm,内側に巻いて円筒形になる ..............*シマチカラシバ
A.総苞毛の一部は羽状分枝する
 B.羽状総苞毛は小穂あたり 2~3 本.......................*ナピアグラス
B.羽状総苞毛は多数
C.花序は幅 50~75mm の楕円形で,小穂は長さ 9mm を超える
(2)シロガネチカラシバ
C.花序は幅 15~50mm の細長い円筒形で,小穂は長さ 7mm 以下
D.花序の幅は 30~50mm,小穂は長さ 5~7mm
E.根茎が地中をはう,葉身は平ら ...............................(3)エダウチチカラシバ
E.稈は束生,葉身はごく細長く片巻きまたは折りたたまれる(4)ファウンテングラス
D.花序の幅は 15~25mm,小穂は長さ 3~4.5mm........................*マキバチカラシバ
(1)チカラシバ Pennisetum alopecuroides (L.) Spreng.
高さ 30~80cm の多年草.総状花序は紫褐色の柱状で幅 30~50mm,
長さ 6~20cm.小穂は長さ 7mm ほどの披針形で 2 小花からなり,
第 1 小花は雄性または不稔,第 2 小花は両性で稔性がある.
総苞毛は長さ 10~30mm で羽状の分枝はないが,
微小な上向きの刺毛により穎果が動物などに付着し散布される.
総苞毛が淡緑色のものをアオチカラシバ form. viridescens (Miq.) Ohwi といい,
稀に見られる.花期は 9~10 月.
北海道(西南部),本州,四国,九州,琉球;朝鮮,中国,
フィリピン~インド,オーストラリアに分布する.
県内では高所を除き広範囲に分布,荒れ地,路傍に生える.
§   §   §   §   §
チカラシバ、イネ科チカラシバ属の多年草で雑草と卑下される。
子供の頃、野原で力芝を何本か結んで足に引っ掛けて喜んだいたずら。
秋に実が熟すと小穂が軸から外れ、突き刺さる引っ付き虫として知られる。
そんな仕様で実を遠くへ運ばせる。巧妙な手段だ。



「令和陸年(皇紀2684年)10月7日、記」
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《 雅羅・/・〝里緑地の実 '10-1〟❖ ’24-280 ❖ 》

クララ(眩草) マメ科( Fa... クララ(眩草) マメ科( Fabaceae/Leguminosae)
学名:Sophora flavescens Aiton
別名:マトリグサ、クサエンジュ
クララ(眩草); 茎は直立し1... クララ(眩草);
茎は直立し1m以上にもなり分枝する。茎、葉裏、果実などに短い伏毛がある。
茎の基部は木質で葉は奇数羽状複葉、小葉が15~35個つく。小葉は長さ2~4㎝。
花は長さ20~25㎝の総状花序を出し、長さ約15㎜の淡黄色の蝶形花を多数付ける。
まれに赤みを帯びる花も見られる。雄蕊は10個、互いに離生する。
花が紫色の種があり、ムラサキクララ forma purpurascens (Makino) Sugimoto という。
果実は細長く、長さ7~8㎝、種子は1列に入り、中間付近でくびれることも多い。
熟すと数珠状になり、裂開しない。種子は長さ4~5㎜。花期は6~7月。


《 泉の森で見つけた“クララ(眩草) の実!?!”❖2024/10/6❖ 》
**神奈川県植物誌** (1)... **神奈川県植物誌**
(1)クララ Sophora flavescens Aiton
有毒の多年草.茎は直立して 1m 以上に達し,茎,花柄,葉柄,豆果などに短軟毛が多い.
上部で枝を分け,枝先に総状花序をつける.
花は 6~7 月に開花し,淡黄色でときに紫色を帯びる.
萼筒の先は斜めに切れ,萼裂片は低い.豆果は長さ 7~8cm で,所々がくびれる.
本州,四国,九州;朝鮮,中国,シベリアに分布する.
林縁や土堤などに生える.県内では山麓~丘陵地に広く分布するが少ない.
花が淡紫色を帯びるものをムラサキクララ form.galegoides (Pall.) H.Ohashi; form. purpurascens Sugim., nom. nud.
といい,稀に記録される.
§       §       §
以前、つくば市内で見たクララの花(2018/06/22)。
泉の森にも居るのではないか、とは思っていたが見つけられないでいた。
探索眼(老眼か?)が低下してきたことは、実感しているが。。。!
偶然、教えて頂けた。感慨深い。感謝・感謝であった。
神奈川県植物誌2018年版に自生地として掲載されていない。
そんなことで懸命に探さなかったのかもしれない。
次の植物誌版には掲載されるだろう。楽しみに観察したく思う。
泉の森には、強靭な植物調査者がおられる。
特に女性、3名の植物観察者の活動には畏敬の念を禁じ得ない。

かつて、自然保護等という表現が一般化していなかった頃の話だが。
日本の自然保護の先駆者は、神奈川県である。
鎌倉の自然を守る会(会長・酒井恒博士)や横浜国大・宮脇昭先生。
日本の自然保護の先駆者、金田平先生。
こうした方々を初めとして神奈川県の自然保全は、今に至る。
§       §       §
日本国内では、昔から薬草として知られている“クララ(眩草)”。
漢方では根が人参に似て苦味が強いことからクジン(苦参)と呼ぶ由。
草名由来は、根をかむと目が眩む程に苦く、眩草(くららぐさ)と言われてきた。
それを略してクララ。全草にアルカロイド(マトリン等)を含み有毒でもある。
来春の開花に出会える事を希す。 楽しみだ。


「令和陸年(皇紀2684年)10月6日、記」
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