11月
8日,
2024年
《 雅羅・/・〝備忘録 24-52❖ ’24-313 ❖ 》

神奈川県内全域に自生。草地、樹林内、林縁などに生える。
山野の木陰に生え、枝の先に長い花穂をつける。
茎の断面は四角い(4稜形)、下向きに曲がった毛がある。
葉は対生し、長さ3~6㎝の広卵形、葉の基部は急に細くなり、
縁には粗い鋸歯があり翼のついた葉柄に続く。葉柄は長さ0.5~3.5㎝。
葉裏には腺点がある。花穂は次第に長くなり節ごとに何段にも花がつく。
節には小さな葉もある。花冠は青紫色で長さ7~9㎜の唇のような形。
上唇は濃紫色の班点が多数つき4裂して立ち上がる。
下唇は2裂して前に突き出る。下唇は内側に巻き、雄蕊と雌蕊を包む。
下唇の縁が内巻きになって舟形に突き出す。
雄蕊、雌蕊とも花冠より短くて見えない。
萼は長さ2.5~3㎜、短毛が密生し先が5裂して5個の萼歯がほぼ同長、果時には大きくなる。
果実は4分果、熟すと紫色~褐色になる。分果は長さ約1.5㎜。
ハッカの名前がついているが、ほとんど香りはない。
白花品はシロバナヤマハッカという。
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(1)ヤマハッカ Isodon inflexus (Thunb.) Kudô
多年草.茎は高さ 40~100cm.葉柄は長さ 0.5~3cm.
葉身は長楕円形または披針形,長さ 3~6cm,幅 2~4cm,
基部は葉柄にながれる.花は 9~10 月.
花冠は長さ 6~7mm.萼には密に短毛が生える.
北海道,本州,四国,九州;朝鮮半島,中国(中部~東北部)に分布する.
県内ではほぼ全域に分布し,シイ・カシ帯~ブナ帯までの沖積地~山地の草地,
樹林内,林縁などに生える.
白花品をシロバナヤマハッカ form. leucanthus (Nakai) H.Hara といい,
県内では厚木市,南足柄市,伊勢原市などで採集されている.
基礎異名の Amethystanthus inflexus (Thunb.) Nakai form.
leucanthus Nakai in Bot. Mag. Tokyo 48:
786 (1934) の基準産地は武蔵横浜.
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泉の森に自生しているが、ひと目に触れない、否、気付かない程に小さな花。
それ故、生き延びてきたようだが・・・!
昨今、袖群落箇所の一括的下草刈り処理が行われて、貴重な野草も刈られていた。
貴重・希少な植物保護・保全に奔走されている人々が居られる。
植物観察、希少・貴重種を探して居られる姿勢に畏敬の念を禁じ得ない。
泉の森は、驚くほどに特異な環境と映る。
「令和陸年(皇紀2684年)11月08日」