《雅羅・/・襍懐古〝山花ⅩXX〟❖ ’24-243 ❖》

キタダケトリカブト(北岳鳥兜)... キタダケトリカブト(北岳鳥兜)キンポウゲ科(Ranunculaceae)
学名:Aconitum kitadakense
草茎高15~35cmの多年草。... 草茎高15~35cmの多年草。
茎はよく枝分かれし上部に曲がった毛がある。
葉は円心形で3つに深く裂け、さらに2つに裂ける。裂片は線形。
花は青紫色で、花柄と雄しべには曲がった毛がある。
本州、南アルプス北岳頂上付近の岩礫地に自生する固有種。
日本第2の高峰である南アルプス北岳山頂近くの稜線に咲く。
山の季節的には晩夏・初秋の高山植物。
花色は、深みのある色。青紫とでもいい得ようか、表現に苦しむ。
《 北岳の花〝北岳鳥兜〟8月山... 《 北岳の花〝北岳鳥兜〟8月山花ⅩXX  ❖ 1970~/夏 ❖ 》
南アルプス奥深い高所に見る背が低く花が大きい高山植物。
実測した記録では、普通3~4cmの花だが、5.7cmと大きなものもあった。
強風に晒される稜線に咲く故か草丈が低い。過酷な環境下で健気に咲いている。
今でも健在と聞く北岳鳥兜(30年以上訪れていない)。
北岳稜線から数百メートル下がった所に細葉鳥兜が咲いていた(古い話)。
この細葉鳥兜は、草丈は1mにもなる。環境でこうも違うのか(同属だが)。
濃紫色で、白花や桃色花も見えた登山の醍醐味でもあった。
所がこの細葉鳥兜は、盗掘され今では探す程に激減した由。残念至極だ。
北岳周辺、キタダケソウに始まりキタダケトリカブトで終わった夏山感。
高山植物が主で登攀はおまけ。きつい登攀もその後に見る花々で疲れが消えた。
バットレスとキタダケトリカブトは、夏山終いの感があった。

トリカブトは、ドクウツギやドクゼリと並んで日本三大有毒植物の一つ。
トリカブトの仲間は、沢筋などの比較的湿気の多い場所を好む。
だが、このキタダケトリカブトは、高山の砂地に生育している。
花名由来の兜部分は、花弁ではなく花顎の一枚が変化したも。
花弁そのものはこの中に収められている。
花の奥深くにハチ類はもぐりこんで全身に花粉をつけ受粉させる。
トリカブトには毒がある。ジテルペン系アルカロイドのアコニチン。
主に根に含まれているらしいが、全草に毒がある由。
養蜂家は、春から夏に蜜蜂に採蜜をさせ、秋の鳥兜開花期には止めてしまう。
だが、鳥兜の蜜を摂取する昆虫には、トリカブト毒は効かない??
不思議なことだ。

「令和陸年(皇紀2684年)8月30日、記」
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《雅羅・/・襍懐古〝山花ⅩXIX〟❖ ’24-242 ❖》

タカネマンテマ   ナデシコ科... タカネマンテマ   ナデシコ科(Caryophyllaceae)
学名:Silene uralensis (Rupr.) Bocquet)
タカネマンテマは、寒冷地または... タカネマンテマは、寒冷地または高山地帯に生息する多年草。
属名「マンテマ」の由来は諸説ある。
牧野新日本植物図鑑ではムギセンノウ属の「アグロステムマ」が訛った、
植物和名語源新考では、近縁のハマベマンテマの種小名「マルティマ」、
此等が語源と云われている。また属学名(Silene)の由来も不明。
茎高5~20cm。茎は単一で直立し、軟毛が多い。
根茎から枝分かれした株から2対~4対の小さな根葉と、
花茎および無花茎を叢生する。
無花茎はほとんど伸長せず、先端に葉をつける。
茎葉は対生、線形披針状で長さは6cm程度まで伸びる。
花茎は高さ20cm程度まで枝分かれせず伸長し先端に花をつける。
始めは斜め下向に開き、徐々に上を向き、真上を向いて立つ。
花は12mm程度の先がすぼまった釣鐘状をしている。
花弁は長さ2~3 mm、淡紅色(紅紫色)から白色。
萼筒は長楕円形、黒色の毛が生えた10脈が隆起する。

自生・分布は、本州中部(南アルプス)と各種図鑑にある。
 生育環境にしても、高山帯の岩塊上や岩礫地の疎草地に生育する。
風衝地や日照時間の短い環境下で確認されることが比較的多い、とある。
私の若い頃には、南アルプスの数箇所で確認出来ていた。
現在では、一部限られた場所“北岳”のみで確認されている。
総株数はきわめて少なく存続は危機的な状況であると聞いている。
 減少の要因は、人の踏みつけや盗掘。そして、シカの食害や踏み荒らし。
而して、植生遷移や岩塊の崩壊が、脅威である。資料に愕然とする。
(静岡県版レッドデータブックより)



《 北岳の花〝高嶺マンテマ〟8... 《 北岳の花〝高嶺マンテマ〟8月山花ⅩXIX  ❖ 1970~/夏 ❖ 》
北岳のタカネマンテマを観察、保存方法等を懸命に考えている高校生達がいた。
山梨園芸高・笛吹高植物研究部(亀井忠文顧問)の皆さんだ。
タカネマンテマを研究分析し、培養に成功したとの報道に驚いた。
タカネマンテマの種子定着率を分析、他の植物より定着率が低い、と分析。
同部によれば、絶滅の危険にあるキタダケソウより、深刻と結論している。
そのうえで、培養が難しいタカネマンテマの増殖に成功したとある。
50株ほどをサンプルとして抽出し、1株あたり平均861個の種子を採取。
この数値をベースに高山における発芽状況などを推定。
南アルプスの個体群では種子は8万6130個生産されると試算されたが、
この中からわずか1.72個しか発芽・定着しないことが分かった。
しかし、自然の中では発芽率はより低く、個体群が維持できるほどではないとし、
「死滅のスパイラル」に入っていると結論付けた。
同部・部長は「タカネマンテマが絶滅寸前ということはあまり知られていない。
今回の研究を通して保護の必要性を訴えたい」と語っていた、とある。
タカネマンテマは盗掘などで個体数の減少に歯止めがかからず、
環境省の2007年「レッドリスト」では絶滅危惧IA類に格上げされ、
現在では100株以下に減少していると考えられている。
顧問の亀井教諭は「10年来北岳付近で観察しているが、
タカネマンテマが減っていると感じる」と話す。
同部はこのほど開かれた県高校芸文祭で高山植物のタカネマンテマの状況を報告。
同研究は芸文祭の自然科学部門で芸術文化祭賞を受賞した。(2010年)

十数年も前から、毎年7月になるとタカネマンテマが気になるも!?!
只々机上で画像を観てるだけで何の行動もしてこなかった。
せめて孫たちに画像を残したい、と思うのだが。。。!

「令和陸年(皇紀2684年)8月29日、記」
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《雅羅・/・襍懐古〝山花ⅩXVIII〟❖ ’24-241 ❖》

タカネビランジ(高嶺ビランジ)... タカネビランジ(高嶺ビランジ)ナデシコ科(Caryophyllaceae)
学名:Silene keiskei var. akaisialpinia
高嶺ビランジ ナデシコ科 マン... 高嶺ビランジ ナデシコ科 マンテマ属日本固有種
白花種:Silene keiskei var. akaisialpina f. leucantha
これぞ、北岳タカネビランジって感じ。
タカネビランジは南アルプス周辺... タカネビランジは南アルプス周辺だけに分布する高山植物。
高山植物の中でも存在感あって美しく見ごたえがある。
高山帯の巨岩の割れ目やザレ場に生えている姿は健気。
花期には葉が隠れ見えない程に咲き誇る。
北岳のタカネビランジ、花色も微妙に変化に富む。
岩場に優美な花束が置かれているようだ。
タカネビランジ(高嶺ビランジ)... タカネビランジ(高嶺ビランジ);
高山帯の岩場に生える多年草。茎高10~30cm。
葉は長さ1.5~4cm、幅0.3~1cmの披針形で縁には毛が生える。
花は茎先に単生するか2個付き、径2.5~3cmで上向きに開く。
花弁は淡紅色か白色で先端は2浅裂する。花柄には腺毛がある。
萼筒は長さ1~1.2cmで10脈がある。花期は7~8月。
 和名は高山に生えるビランジ意だが、ビランジの由来は不明。
花弁が白色品種は、シロバナタカネビランジと区別されることもある。

地蔵岳稜線から見る山々は、南ア... 地蔵岳稜線から見る山々は、南アルプスらしい光景。
登山者にとって疲れある頃に癒や... 登山者にとって疲れある頃に癒やしの如く出迎えてくれる。
南アルプスでは鳳凰三山の稜線、岩の割れ目に咲く姿は絶景。
《 北岳の花〝高嶺ビランジ〟8...

《 北岳の花〝高嶺ビランジ〟8月山花ⅩXVIII  ❖ 1970~/夏 ❖ 》
北岳にみられるタカネビランジは、ほんのわずかに桃色を帯びている。
微妙に進化した花をシロバナタカネビランジとも呼んでいる。
鳳凰三山に観るタカネビランジ、シロバナタカネビランジもあるが、
ほとんどが濃淡ある赤色に近い色。隣りあう山で、花の色が違う。
鳳凰三山のタカネビランジは、砂化した花崗岩の地に根を張って。
高山植物の生育環境を観ていると、不思議だが我々に活力を送ってくる。

「令和陸年(皇紀2684年)8月28日、記」
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《雅羅・/・襍懐古〝山花ⅩXVII〟❖ ’24-240 ❖》

キンロバイ(金露梅)バラ科(R... キンロバイ(金露梅)バラ科(Rosaceae)
学名:Dasiphora fruticosa (L.)Rydb.
落葉性の小低木で樹高0.3-1... 落葉性の小低木で樹高0.3-1m。枝はよく分枝する。
葉は互生し、3小葉または5小葉の奇数羽状複葉になる。
小葉は、長楕円形で5-15mm。伏毛が多く、厚みがあってザラつく。
葉裏には葉脈が浮き出ている。花は径20-25mm、花期は6-8月。
分枝した各茎先、または葉腋に集... 分枝した各茎先、または葉腋に集散花序をつけ、1~数個の花をつける。
花の径は2-2.5cm。花柄があり白毛が生える。萼片は5個あり三角状の卵形。
花弁も5枚あり、ほぼ円形で長さ幅ともに約1cm、先端は円頭、全縁。
花弁色は黄色、ときに白色のものがあり、ハクロバイとよばれる。
雄蕊20個で淡黄色。葯は黄色から黄褐色で心形状長楕円形。
花床筒は皿形、花床は半球形で長毛が生える。
心皮は多数あって離生し、子房に汚白色の毛が密生する。

《 北岳の花〝金露梅〟8月山花... 《 北岳の花〝金露梅〟8月山花ⅩXVII  ❖ 1967/夏 ❖ 》
キンロバイ(金露梅);
維管束植物、離弁花類 ARCHICHLAMYDAE 
絶滅危惧Ⅱ類 (VU) / 環境省レッドリスト2020 , 2020。
蛇紋岩や石灰岩地で見られることが多い落葉低木。
蛇紋岩地の代表的な高山植物で、北岳のはみごたえがある。
キジムシロ属であるが、同属にミヤマキンバイがある。
だがキンロバイは、れっきとした小低木。枝を見れば木とわかる。
花は次々と咲いていくので花期は... 花は次々と咲いていくので花期は長く、7月から9月まで見れる。
又、山のスケールと同じで北岳のキンロバイは至仏山よりも大型である。
北岳のキンロバイ株の中には樹齢何十年にもなる物がある。

「令和陸年(皇紀2684年)8月27日、記」


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《雅羅・/・襍懐古〝山花ⅩXVI〟❖ ’24-239 ❖》

イワオウギ(岩黄耆)マメ科(F... イワオウギ(岩黄耆)マメ科(Fabaceae /Leguminosae)
学名:Hedysarum vicioides ssp. japonicum var. japonicum 
別名:タテヤマオウギ(立山黄耆)
イワオウギ(岩黄耆); 多年草... イワオウギ(岩黄耆); 多年草。マメ科 イワオウギ属
北海道~本州(中部地方以北)の高山礫地・草原に自生する。
草丈20~80cm。葉は奇数羽状複葉で11~25個の小葉からなる。
小葉は狭卵形~狭楕円形、長さ1~3cm、幅0.4~1cm。
先は円形で、裏面に白い軟毛がある。
托葉は狭披針形、膜質で帯褐色。
葉に対生する側でほとんど先端まで合着し、長さ1.2~2cm。
花は長さ8~23cmの総状花序となり、蝶形の花を10~30個つける。
花は黄白色、長さ1.2~2cm、竜骨弁は旗弁。翼弁より2mm以上長い。
萼は5中裂し、長さ4~6mm、側裂片は三角形で長さは約1mm、
背軸側裂片は長さ2~3mm、萼筒と同長かやや長い。花期、7~8月
尾根のいたるところで自然景観が... 尾根のいたるところで自然景観がみられたが・・・。



《 北岳の花〝岩黄耆〟8月山花ⅩXVI  ❖ 1967/夏 ❖ 》
イワオウギ(マメ科)[岩黄耆];
花名は漢方の黄耆に似て岩場に生えることから名付いたもの。
中部地方以北の高山に登ると、まずこの花を観ないことはない。
花と実が同時に見られれることもあるという(私的未見)。
岩黄耆は亜高山帯だけでなく、北岳稜線でも生育している。
そして同じ稜線に生育しているタイツリオウギと区別出来なかった昔。
古くは、稜線で点在していたイワ... 古くは、稜線で点在していたイワオウギだが、今は???


昨今、PCでweb検索すれば鮮明に識別できる。何か玉手箱ようで絶句だ。
そんな花達を観たい願望が強く沸き起こるきょうこの頃である。
ところが、調べているうちに悲惨な事実を知った!?!
しばらく前まで北岳の亜高山帯にあった群生地が消滅した、との記述。
消滅原因は、シカによる食害!!
南アルプスでもシカの食害が甚大である由。
「数十年前と比べ花が十分の一になってしまった」と聞くと、絶句。
“岳人2016年8月号 ”の記事を観てのことだった。
低山帯上部~高山帯の崩壊地の岩場等で目を楽しませてくれた花々。
自然界での異変は致し方ないことかもしれない。
生物共同体的均衡。如何にすべきかは、人間の責務だろう。
春に紫陽花鑑賞に東伊豆方面に行った。
帰り道の途、箱根の観光的場のすぐ近くの住宅地で鹿と出会った。
こんな所で昼間、ごく普通に歩いているのか、と唖然!!
鹿の食害、伊豆の山間でも深刻だ、と知った。

咲くも無心、散るも無心、花は嘆かず、今を生きる。
不生不滅・・・。


「令和陸年(皇紀2684年)8月26日、記」

 


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《雅羅・/・襍懐古〝山花ⅩXV〟❖ ’24-238 ❖》

トウヤクリンドウ(当薬竜胆) ... トウヤクリンドウ(当薬竜胆) リンドウ科(Gentianaceae)
学名:Gentiana algida Pall. 
トウヤクリンドウ(当薬竜胆);... トウヤクリンドウ(当薬竜胆); 多年草。
本州の中部以北の高山砂礫地や乾いた草地に自生。開花は、8~9月。 
草丈10~30cm位。根茎は短く茎は1又は2本、直立し分枝せずほぼ無毛。
花をつける茎は根出葉がなく、上部に数対のロゼット状茎葉がある。
茎葉の葉身は、茎を抱き披針形で長さ2~5cm。葉柄は長さ5~10㎜。
花をつけない茎は新しい短枝の先に根出葉を束生し、葉身は線状披針形。
花は茎頂か上部葉腋につく。花冠は筒状、長さ3.5~4cm、黄白色で青緑色斑紋がある。
花冠の先は5裂、裂片は斜上し、ほとんど平開せず、裂片の間にある副片は低い。
萼は、鐘形。長さ1.5~2cmで5裂し、萼片は三角状披針形で筒部と同長かやや長い。 
雄蕊は花冠筒部の中間につく。花糸は長さ1.3~1.6㎜。
葯は狭楕円形、長さ2.5~3.2㎜。花柱は長さ4~6㎜。柱頭は裂片が線形。


北海道に自生してるものは、草丈... 北海道に自生してるものは、草丈が低く花が5cm以上ある由。
クモイリンドウ(雲居竜胆)と呼ばれている。
大雪山のみで見られるもので別名はエゾトウヤクリンドウとも言われる。
本州で見られるトウヤクリンドウの亜種とも考えられている。
北岳に見えるトウヤクリンドウは、8月下旬に開花するようだ。
リンドウ類は天気が悪いと花冠が開かない傾向がある。
が、このトウヤクリンドウの花は、良い天気でも余り開かず半開状態。
《 北岳の花〝当薬竜胆〟8月山... 《 北岳の花〝当薬竜胆〟8月山花ⅩXV  ❖ 1967/夏 ❖ 》
北岳周辺は、高山植物の宝庫である。
そこは、他の有名な高山植物観察地と異なり真の岳人の世界だった。
山歴も重ねて夏の剣岳に登攀し、下山。
日にち余裕があって剣沢キャンプ場で一泊。
別山まで行ってみた事があった。
その別山でトウヤクリンドウを観ていた人たち、
スカートをはいた観光客の団体客だった。
随分と昔の事だ。
又、八ヶ岳の硫黄岳では、この花を観ると秋を実感できた。
思いである花の一つだ。

「令和陸年(皇紀2684年)8月25日、記」


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《雅羅・/・襍懐古〝山花ⅩXIV〟❖ ’24-237 ❖》

タカネヨモギ(高嶺蓬)キク科(... タカネヨモギ(高嶺蓬)キク科(Asteraceae)
学名:Artemisia sinanensis Y.Yabe 

タカネヨモギ(高嶺蓬); 在来種(日本固有種)、多年草。
本州の中部地方、東北地方に自生し、高山帯の日当たりが良い裸地に生育する。
地下茎は太く横に這う。ロゼットをつける短茎と花をつける長い花茎がある。
花茎は、斜上し茎高は20 - 50cm以上になり,若い時は白い絹毛がある。
ロゼットや花茎の下部につく葉の葉柄は長さ3.5-7cm、葉身は長さ8cm位。
葉は緑色でやわらかく,根生や下部の葉には長い柄があり3回羽状に深裂。
終裂片は、線形で幅1mm位になり、裂片の先端は尖る。
若い頃の毛は、花の頃には脱落。もんでみると芳香が立ちあがる。
頭花は黄色で直径約1 cm以上で、茎に総状に下向きにつく。
舌状花がなく,花冠の筒部に毛がある。総苞は約6 mm位の半球形で無毛。

《 高嶺の花〝高嶺蓬〟8月山花... 《 高嶺の花〝高嶺蓬〟8月山花ⅩXIV  ❖ 1967/夏 ❖ 》
本州の高山系のヨモギの中で葉が細かく裂け線形になる種は、2種類か??
タカネヨモギとキタダケヨモギしか知らない(浅学なので)。
日記には、キタダケヨモギは記録していない。
バイトの合間に先輩にバットレス登攀に連れて行ってもらった。
登攀後の北岳頂上付近のお花畑は色々な種類がみられ箱庭のように綺麗だった。
キク科の特徴である頭花(頭状花)の中に小さな花(小花)が集まっている。
なんとも可愛い花たちであった。その日たまたま行きあった山女集団に驚いた。
全員が地下足袋!! 後で知ったのだが山岳界では有名な(特異な)大学山岳部。
リーダーの方は、メチャクチャ高山植物に詳しかった。
合宿後の個人的山行だったようだ。二回生の二人は楽しい山女達。
花達の前でザ・ピーナッツの“恋のバカンス”を歌わせられていた^^)。
地下足袋にニッカボッカー姿での歌唱・・・未だに印象に残っている。
高嶺の花的、関西では有名な大学だそうだ。

「令和陸年(皇紀2684年)8月24日、記」


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《雅羅・/・襍懐古〝山花ⅩXIII〟❖ ’24-236 ❖》

タカネコウリンカ(高嶺高輪花)... タカネコウリンカ(高嶺高輪花)キク科(Asteraceae/Compositae)
学名:Tephroseris takedana (Kitam.) Holub
タカネコウリンカ;  日本固有種。準絶滅危惧(NT)種。
キク科オカオグルマ属に分類され... キク科オカオグルマ属に分類される多年草。
本州の中部地方
(奥志賀、湯ノ丸山、飛騨山脈、八ヶ岳、赤石山脈)
そして埼玉県(秩父市)に自生地がある。
亜高山帯上部から高山帯にかけての乾いた草地や礫地に生育する。
亜高山帯の石灰岩地にも生育すると資料にある。
ヤガ科のミヤマセダカモクメの幼虫が食草とするらしい。
茎は単一で直立し、高さ15-40 cmで、全体にクモ毛がある。
根性葉と下部の茎葉は細毛が密生し、長さ5-12cm、幅1.5-3cm。
卵状へら形で、基部は茎を抱き、縁には浅い鋸歯がある。
根性葉には長柄がある。頭花は直径2-2.5cmで数個が散房状につく。
総苞は長さ0.7-1cmの筒型で黒紫色になり、総苞の基部に苞葉がある。
総苞の色が黒っぽい点が高原に生育するコウリンカに似ているが、
コウリンカの舌状花は長く反り返る。
舌状花は、橙黄色で7-8個で、短く完全には開かない。
筒状花は橙赤色、長さ4mm、幅2 mm。花期は7月下旬-8月。

《北岳の花〝個性的な高嶺高輪花... 《北岳の花〝個性的な高嶺高輪花〟8月山花ⅩXIII  ❖ 1967/夏 ❖ 》
学名の種小名(takedana)は、植物学者の武田久吉への献名。
武田さんは、日本山岳会を牽引していた岳人でもあった。

我が若き頃、南アルプスは奥深い山々という感じで取っ付き難い山だった。
学生の身、夏休み而して山岳地でのバイトで高山植物と出会えた。
今年は、多忙で高山植物を観に出掛けていない。
恩ある御仁を高山植物を観にお連れしたく思っているが北岳は無理か。
八ヶ岳のオーレン小屋から硫黄岳なら・・・?
来年は、と思うが・・・。

「令和陸年(皇紀2684年)8月23日、記」
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《雅羅・/・襍懐古〝山花ⅩXII〟❖ ’24-235 ❖》

シロウマチドリ(白馬千鳥) ラ... シロウマチドリ(白馬千鳥) ラン科(Orchidaceae)
学名:Platanthera convallariifolia (Fisch. ex Lindl.) Lindl.
別名:ユウバリチドリ
シロウマチドリ(白馬千鳥); ... シロウマチドリ(白馬千鳥); 環境省絶滅危惧Ⅱ類(VU)
高山帯で森林限界を超えた日当たりの良い場所や湿った草原、
亜高山帯の渓流沿いの林縁・草原で自生がみられる。
草丈25-50cm程の多年草。花も含め全身緑色のラン科高山植物。
最近では鹿の食害により激減している。
根は紡錘状に肥厚し、茎はやや太く稜がある。
太い茎に葉が互生、上部には無数の黄緑色の花と包葉が密集してつく。
花と包葉が絡み合うような姿は、独特で趣があり、特徴的である。
葉は、5~8枚つき斜上し、苞が長く花序下部では花より長い。
花は茎頂に穂状に10~30個の花を付る。
黄緑色の花が、唇弁が垂れ、穂状に10~30個の花を付る。
苞は下方の花では花よりずっと長い。
唇弁は長楕円状卵形、側花弁は横に広がり、距は短く下向きに曲がる。
背萼片は広卵形で鈍頭、長さ4~5mm、側萼片は斜卵形、平開し長さ6~7mm。
側花弁は狭卵形、背萼片と同長。唇弁は長楕円状卵形、先は垂れ鈍頭。
花の距が下向なので、幅広の唇弁の奥に隠れてあまり目立たない。
唇弁の先端は尖らず、細長い舌を連想させる。
側萼片は横に全開し、側花弁は前方へ伸び互いの先端がくっついている。
見れば観るほどに不可思議な花構造である。

《雅羅・/・襍懐古〝山花ⅩXI...
上2画像は、花構造解説。 《 ...
上2画像は、花構造解説。


《 後立山連峰白馬岳周辺の花〝白馬千鳥〟8月山花ⅩXII  ❖ 1967/夏 ❖ 》
白馬岳・鑓温泉近くに白馬千鳥の自生地がある(現在は分らない)。
その自生地に行くには4時間位は登らなくては到達出来なかった。
また、雪渓の状況によっては花期も変わる。
それ故、観に行く登山客も少なく秘境的で幾度か写真を撮りに行った。
最近は、各地の山で鹿の食害で植物が減っている。少し心配だ。

「令和陸年(皇紀2684年)8月22日、記」


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《雅羅・/・襍懐古〝山花ⅩXI〟❖ ’24-234 ❖》

シロウマアサツキ(白馬浅葱)ヒ... シロウマアサツキ(白馬浅葱)ヒガンバナ科(Amaryllidaceae)
学名:Allium schoenoprasum var. orientale

日本原産で、ヒガンバナ科ネギ属エゾネギ種の高山性多年草です。
白馬連峰だけにあるわけではない... 白馬連峰だけにあるわけではないですが、中部山岳以北の高山の砂礫地で出会えます。
砂礫地といっても、 やはり目に... 砂礫地といっても、
やはり目につくのは白馬連峰の蛇紋岩が露出した砂礫地で出会うことが多い気がします。
蛇紋岩質を嫌う植物も多いなか、シロウマアサツキは適応力が高いのかもしれません。
高山植物はそれぞれ得意な地形や... 高山植物はそれぞれ得意な地形や地質があるので、
花単体だけでなくそのロケーションを観察してみると面白そうですね。
見た目にもネギっぽいですが、茎... 見た目にもネギっぽいですが、茎を少しだけ擦ってみるとネギ属特有の匂いがします。
登山道を踏み出さない範囲で出会えたら観察してみてください。
*     *     *
以上画像と説明文は、借り物です。
https://tomotrek.jp/(TomoTreck)



《 後立山連峰・白馬岳周辺の花〝白馬浅葱〟8月山花ⅩXI  ❖ 1964/夏 ❖ 》
シロウマアサツキ(白馬浅葱);多年草。
北海道,本州の中部地方以北に自生。
花茎は高さ30〜50cm、葉の幅4〜5mm、
花序は直径3.5〜4cm、花被片は長さ7〜8mm。
花糸は花被と等長。花期は6〜7月。(原色日本植物図鑑)
よく似たアサツキは雄蕊の長さが花被片の1/2〜2/3と短い。
今ひとつ、シロウマアサツキ(白馬浅葱)の自生地(分布)も不思議だ。
中部地方以北の分布とされるが、京都府北部、対馬、隠岐にも分布する。
高所と低所で自生している。よく云われる生態型の進化の現れか??
北アルプスの白馬岳には、大雪渓の上部に「葱平」と呼ばれる場所がある。
まさしく葱平(ねぶかだいら)と実感できる。シロウマアサツキ群落だ。
実際は、地名から連想するほどの群落ではない、多い程度。
でもシロウマアサツキは葱平を代表する植物の一つということは確か。
山で言う“平”は、草が茂った斜面を言う。アサツキ=葱。
アサツキが見られる場所、すなわち葱平(ねぶかだいら)である。
日本語表現の豊かさを思った花名。机上で思いを馳せた・・懐古。
 
「令和陸年(皇紀2684年)8月21日、記」
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