アメリカ原産の食虫植物【サラセニア・フラバ・マキシム】はツツジ目サラセニア科サラセニア属で、葉の形が筒状 になっています。名称の由来は、この植物の標本をヨーロッパに送ったカナダ人の医師<ミシェル・サラザン>に因んでいます。
和名は「ヘイシソウ(瓶子草)」といい、葉の筒状の形が、酒器の瓶子に似ているところから名付けられています。
春から初夏に画像のような花をつけます。茎の先端から伸びる花茎は、先端に丸い蕾をつけて立ち上がり、次第に伸び上がりながら、やがて茎の先端は曲がって蕾は下を向く。花は葉よりも高く伸びた花茎の先端に一つだけつく。花は非常に独特のもので、萼は五枚、花びらも五枚。雄しべは多数、雌しべは先端が五つに分かれる。こう書くとごく普通の花の形状ですが、雌しべの形状が変わっています。雌しべの先端は大きく五つに分かれ、先端は大きく反りかえり、実際にはその間に水掻きのように組織がつながっているので、その形は五本の骨を持った雨傘のような形です。しかもそれぞれの先端に小さく突出する柱頭は内側に向かっている。花びらはこの雌しべの柱頭の間に位置し、下向きに長くたれる。したがって、花びらの間から柱頭の部分が少し突き出ている。萼は花びらよりはるかに短く、花の基部で平らに広がる。雄しべはすべて花びらの内側に収まっています。
この形は、昆虫による花粉媒介に対応した構造です。花粉をつけた昆虫が内部に入り込むと、花から出る場合、花びらの隙間から出なければならず、その時に必ず柱頭に花粉をつけることになります。
「ササユリ(ササ百合)」は、ユリ科ユリ属の球根植物。8種類ある日本固有種のひとつで、日本を代表するユリです。地域によっては、「ヤマユリ」とも呼ばれています。
本州中部地方以西から四国・九州に分布しています。
成株の茎は立ち上がり、葉は互生する。葉はやや厚く、披針形で長さは8-15cmである。百合の仲間より開花時期は早くて5月-7月頃に淡いピンク色の花を咲かせます。
花被片の長さは10-15cm位で漏斗状に反り返る。雄しべは6本で芳香性があります。花粉の色は赤褐色であり、「オトメユリ」と区別するポイントになる(ただし花粉の色が黄色のササユりも存在する)。
希に花が純白のアルビノ種のものもあります。葉や茎の形状が「笹」に似ていることが名称の由来です。
< 神戸大大学院の末次健司特命講師提供 >
台湾で1917年に発見されたものの記録が不正確で、「サネカズラ」と同種と考えられていた植物が沖縄県で見つかり、実際は「新種」だと確認されました。神戸大大学院の<末次健司>特命講師や岐阜大の<三宅崇>准教授らの研究チームが30日付の国際誌電子版『Phytotaxa(ファイトタクサ)』に発表した。
確認されたのは、ほかの植物に巻き付いて育つ「つる性」植物の一種で、「リュウキュウサネカズラ」と命名されています。
<末次>氏らは台湾の研究者とも協力して分析し、おしべの葯の形状が違うため、サネカズラとは別種と断定した。過去の標本の調査では沖縄県や台湾に分布している植物のようです。
植物好きとしては、新種の発見は興味ある出来事で、これからも新種の発見に期待を寄せています。
<ロバート・ワイズ>監督・<ジュリー・アンドリュース>主演のミュージカル映画『さうんど・ミュージック』(1965年)でお馴染みの花が【エーデルワイス】です。
ヨーロッパ各国に於いて単に【エーデルワイス】といえば、キク科ウスユキソウ属の【セイヨウウスユキソウ(西洋薄雪草】を指します。
20~30センチほどの花茎を伸ばし花は星のように長く白い花弁を伸ばしているように見えますが、花弁のように見えているのは 「ポインセチア」 や 「オレガノ・ケントビューティー」 などと同じ<苞葉>であり、本当の花はその中心部にある。径5~6ミリの黄色い筒状の花序部分です。
高山地帯の自生地では、7月~9月頃が開花時期ですが、栽培下では、5月~8月と早めの開花です。
花の色は淡い青色ですが、落下までの間に薄紅色、濃い紫色、藍色などに変化する性質があります。
山紫陽花との違いは、両性花が退化していて花が咲く前に落ちてしまうことと、装飾花が重弁花していることです。
和名の【シチダンカ(七段花)】は、萼片が7段重なるところから命名されています。
江戸時代に栽培され、ドイツ医師<シーボルト>の『日本植物誌』でも紹介され、130年間幻の花となっていましたが、神戸の六甲山に自生しているのが1959(昭和34)年に発見されました。以後六甲山を中心に分布を広げています。
クリンソウ(九輪草)は、日本原産のサクラソウ科サクラソウ属の多年草で、学名は「Primula japonica」です。
北海道、本州、四国の山間地の、比較的湿潤な場所に生育し、せせらぎや渓谷の湿地などに時に群生しています。兵庫県では40万株と言われている、宍粟市のちくさ高原(ちくさ湿原)が有名です。
高さ30-90cmほどになり、日本に自生するサクラソウ科の植物のなかでは最も大型です。10-20cmほどの鋸歯を持つ葉のロゼットを作り、花期は4~6月にその中心から花茎が伸びる。花は花茎を中心に円状につき、それが数段に重なる姿が仏閣の屋根にある「九輪」に似ていることが名前の由来となっています。
花径は2~3cm、花冠は左記で5つに裂け横に平らに開きます。雄しべは5本、雌しべは1本の構成です。花の色は濃い紅紫色が普通ですが、ときにピンクや白、絞り咲きなどの変種もあるようです。
【ビワ(枇杷)】は、中国南西部を原産地とする、バラ科の常緑高木です。
日本にも野生種があったという説がありますが、現在栽培されているのは中国からもたらされた品種がもとになっています。
ビワに関する文献は奈良時代に記述された書物が最も古いものです。日本で栽培が始まったのは江戸時代の中期頃で、千葉県の富浦では宝暦元年(1751年)に栽培がはじまったといわれています。その頃の果実は小ぶりだったそうですが、そこで栽培されたビワは江戸に出荷されていたようです。
その後、江戸時代の末期(天保から弘化の頃)に中国の品種が日本に入ってきて、現在のような大玉のビワが本格的に栽培されるようになりました。
<桃栗三年柿八年枇杷は早くて十三年>と言われていますが、種を蒔くと簡単に発芽し成長も早く、とても実ができるまで時間がかかるとは感じさせてくれません。
【ヒトツバタゴ(一つ葉田子】は、モクセイ科ヒトツバタゴ属の一種で、同じモクセイ科の「トネリコ」(別名「タゴ」)に似ていて、「トネリコ」が複葉であるのに対し、本種は小葉を持たない単葉であるので、「一つ葉タゴ」の和名がつけられています。
別名として、「ナンジャモンジャノ木」と呼ばれていますが、「ナンジャモンジャ」と名付けられている植物には、「クスノキ(樟)」・「ニレ(楡)」・「イヌザクラ(犬桜)」・「ボダイジュ(菩提樹)」などもあり、特定には注意を要します。
花期は5月頃で、新枝の枝先に10センチ程度の円錐形の集散花序を付けます。花冠は、深く4裂しています。
本種は、雄株のみという株はなく、雌株か雄株・雌株の両性株があります。
秋に直径1センチほどの果実を実らせ、黒く熟し、大きな種子を内包しています。
ロウ質の光沢をもつ質感の花を咲かせる【セリンセ・マヨール】は、ムラサキ科セリンセ属の一年草です。
ヨーロッパでは10種ほどあり、そのうちの4種ほどが栽培されていますが、本種はその代表品種で、最近目にする機会が増えました。
筒状部分は長さ3センチ程度、先は開いて5裂に分かれています。基本種の花色は、先端が黄色く、暗紫色の二色ですので、和名は、「黄花瑠璃草」と表記されています。
写真は、全体が暗紫色になる品種<プルプラスケンス>だとおもいます。
別名「ケリンテ」、長日植物で、開花時期は4月~5月になります。
熟し過ぎたのか、昆虫にたべられたのか、姿の崩れたバラ科キイチゴ属の【クサイチゴ】です。
【クサイチゴ】は、木本の落葉低木ですが、背丈が20~60センチと低いため草本のように見え、これが名称の由来となっています。
花期は3月~4月、花は白色で5弁花、花弁は卵円形で、長さは15~20ミリ程度、果実はやや大型で5月~6月に赤く熟します。
果実は、酸味が少なく、甘い味がして、食用になります。
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