成虫の【ヤマトシジミ】は、多種多彩な花の蜜を餌としていますが、幼虫は「カタバミ」の葉しか食べません。
【ヤマトシジミ】の周りに、「カタバミ」の葉が何枚か見えていますが、カタバミ科カタバミ属の多年草で、地表の葉を刈り取ってもまた芽吹きをする元気な野草です。
ハート型の三出複葉で、マメ科の 「クローバー」 とよく似た葉形状をしていますが、「クローバー」の葉は丸く白い線があり、全く異なる科の植物です。
「カタバミ」の漢字表記は<酢漿草>ですが、葉や茎にはシュウ酸水素ナトリウムなどの水溶性シュウ酸を含んでいるために、噛むと酸っぱく感じます。
【ヤマトシジミ】は、幼虫の食草として他の昆虫が嫌がる味の「葉」を、あえて選んできたのかもしれません。
この時期。蜜をたくわえた花を多数付けています 「ヤブガラシ」 の花に、【キイロスズメバチ(黄色雀蜂)】が吸い蜜に来ていました。
ハチ目(膜翅目)スズメバチ科スズメバチ属に分類され、日本に生息するスズメバチの中では、本種が最も小型で、女王蜂で25~28ミリ、働き蜂で18~24ミリの大きさです。
逆に営巣規模が最も大きく、大きな巣では直径1メートルにも達し、蜂の数も1000匹を超えます。
攻撃性が強く、都市部の生活に対応しており、蜂の被害が多いのが本種です。
頭部は黄色、胸部は黒色で肩板などが黄色、腹部は濃褐色と黄色の縞模様で全体的に黄褐色の毛で覆われています。
「ハエ」や「アブ」類はハエ目に分類され、後翅が退化して2枚の翅(前翅)しかないことにより、「双翅目」と名付けられています。
またハエ目の昆虫は、触角の形態により、「長角亜目」と「短角亜目」に分けられ、「長角亜目」では、触角が長く1/2以上の節に分かれており似た節が並んでおり、「蚊」や「ガガンボ」がいます。
「短角亜目」では、形態の異なる3つの節に大別され、写真の 【アメリカミズアブ】 もそうですが、「ハナアブ」や「ハエ」などが該当します。
【アメリカミズアブ】の特徴である腹部1対の白い紋が撮影できると喜んでいましたら、<平均棍(へいきんこん)>がきれいに写せました。
退化した後翅の位置に、ごく細くて小さな棒状で先の膨らんだ形の器官が<平均棍>で、飛翔中には前翅の羽ばたきと同じ速さで振動させています。
役割には諸説あるようですが、この器官を除去しますと「双翅目」の昆虫は全く飛翔することが出来ないため、航空機のジャイロスコープの働きをしているという説が有力になっています。
まだまだ活動時期の【イチモンジセセリ(一文字挵)】ですが、 横からの姿や後ろから翅を広げた姿 は撮影してきていますが、顔の真正面から捉えたのは初めてです。
いつもなら危険を察知して飛び去る筈ですが、今回はにらめっこが出来るほど動きませんでした。
正面から見ますと、筋肉の発達した太い胴体も隠れており、大きな顔立ちが目立ちます。
複眼の眼には、わたしがどのように映っているのか、気になるところです。
「イノコズチ」の花穂の先に、ササグモ科ササグモ属の体長6ミリほどの【ササグモ(笹蜘蛛)】がいました。
前足を構えて、獲物の捕獲体制を維持しているようで、横からの撮影になりましたので、全身に生えている棘のような毛と共に、体形の特徴がよく分かります。
蜘蛛といえば「糸」と切り離せない存在で、すべての蜘蛛は「糸」を出すことができます。
造網性でも「ハエトリグモ」やこの【ササグモ】のような徘徊性でも、写真から分かるように、すべての蜘蛛は歩く時に必ず<しおり糸>という「糸」を引いて歩いています。
外敵からのがれるために網から飛び逃げる蜘蛛は、必ず「糸」を引いており、再び「糸」をたぐって元の位置に戻ります。
「ハエトリグモ」や【ササグモ】などが獲物に飛びつくときに、誤って落下しても落ちることなく、安全帯の役割を果たしています。
【ヤマトシジミ】の翅裏には黒い斑点模様がありますが、この黒点ひとつの違いで「ルリシジミ」がいます。
せわしく飛び回りますので、飛翔中には黒点の確認をする余裕もなく、期待しながら小さな蝶を写してきていますが、いまだ「ルリシジミ」とは遭遇出来ていません。
今回は、メスの後ろ姿を追いかけました。
オスの表翅の色は青藍色をしていますので、雌雄の区別はすぐにつきます。
いつか「ルリシジミ」と出会えるだろうと期待しながら、これからも小さなシジミ蝶を、記録を兼ねて追いかけたいと考えています。
体長15ミリ、翅を広げた開張は20~25ミリと小さな【シロオビノメイガ(白帯野螟蛾)】です。
チョウ目(鱗翅目)ツトガ科ノメイガ亜科の「蛾」で、濃褐色の翅に白い帯が入り、これが名前の由来になっています。
河川敷から草原などに広く分布しており、見つけましてもすぐに危険を察知して葉の裏などに隠れてしまいます。
幼虫の食草はホウレンソウ・ホウキギサ・ヒナタノイノコズチ・アカザなど幅広く、家庭菜園の害虫として駆除されているようです。
写真の左上隅にぼんやりと映っていますが、黄色い花を咲かせる 「パキスタキス」 の葉の上で【イチモンジセセリ(一文字挵)】が、休憩中でした。
チョウ目(鱗翅目)セセリチョウ科イチモンジセセリ属の蝶で、年3~4回発生します。
幼虫で越冬した成虫は6月頃、第一世代の成虫は7月中旬から8月上旬、第二世代の成虫は9月上旬から中旬に現れ、9~10月にもう一度現れることがあります。
山野や畑、都会の公園・花壇などを選ばず一般的なセセリチョウの代表種で、群れをなして移動する<渡りをする蝶>という面白い習性を持っています。
体長8ミリ、幅3ミリ程度、翅の端部は茶色、翅の地は赤茶色で上部は淡黄白色に近く、頭部も赤茶色という特色がありますので、すぐに同定できるかなと考えましたが、今回も無理でした。
色彩的な特徴がはっきりしているのに、似た色合いの翅の模様が見つかりません。
この<蛾>も、体型の特色からチョウ目(鱗翅目)ハマキガ科ヒメハマキガ亜科だと見ています。
時間の余裕がある時に、いままでの未同定の<蛾>を含めて、じっくりと腰を落ち着けて調べてみたいと考えています。
白い 「センニチコウ」 の花で吸い蜜中の【ヤマトシジミ(大和小灰蝶)】です。
白色同士で分かりにくかったのですが、お馴染みの黒い斑点模様が目立ちました。
【ヤマトシジミ】の登場も(20)回目を数えていますが、いまだ同じ花での撮影はなく、成虫の蜜を求めて飛び回る活動性の広さに驚かされます。
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