花壇の花を観察していましたら、体長5ミリ前後の昆虫が人差し指にとまりました。
<吻>の長い形状で、すぐに「ゾウムシ」の仲間だと分かります。
甲虫目(鞘翅目)ゾウムシ科タコゾウムシ属に分類され、原産地はヨーロッパですが、日本では1982年6月に福岡県で、7月に沖縄県で確認され、西日本を中止に繁殖、今では関東方面まで分布しているのが確認されている、「日本の侵略的外来種ワースト100」の昆虫です。
名称通り「アルファルファ」を含み、「アカツメクサ」・「シロツメクサ」・「ヤハズノエンドウ」・「レンゲ」等のマメ科牧草を食草としてする害虫です。
体型は楕円形で、<吻>は太短く、夏眠後の11月頃から活動を開始、12月~5月上旬に産卵、羽化した新成虫は樹皮下や石の下など集団で夏眠を行います。
ヒラヒラとゆっくりと飛翔していましたので、すぐに【ツマグロヒョウモン(褄黒豹紋)】だとわかりました。
チョウ目(鱗翅目)タテハチョウ科ヒョウモン族に分類されています。
雌雄で翅の模様が違い、写真の蝶は<メス>で、前翅の先端が黒色で斜めに白い帯があり、ほぼ全面に黒色の斑点が入ります。
翅の裏側は薄黄褐色の地に、やや濃い黄褐色の斑点があり、表翅の白い帯の裏側もやはり白い帯となっています。
この時期最後の活動だとおもいますが、この種は幼虫や蛹で越冬をし、幼虫はスミレ類を食草とし、パンジーやビオラなども食べますので、花壇では要注意です。
まだまだ越冬の準備ではないでしょうが、【キタキチョウ(北黄蝶)】がせわしなく 「ツワブキ」 の花の蜜を吸っていました。
今迄、チョウ目(鱗翅目)シロチョウ科キチョウ属と分類されていた種は、南西諸島に分布する「ミナミキチョウ」と、本州~南諸島に分布する「キタキチョウ」に分けられていますが、外見から見分けることはできません。
前翅長は25ミリ前後で近縁の 「モンキチョウ」 よりもやや小型で、翅の色はオスのほうが濃い黄色をしており、翅裏には褐色の斑点が入ります。
発生する時期により、夏型は外縁の黒帯の幅が広く、秋型は黒色の縁が先端にすこしあるか、もしくは見られません。
< 複眼の迷路のような模様 >
兵庫県庁の南側に、1902(明治35)年に建てられたフランス・ルネッサンス様式の「兵庫県公館」があります。
各種レセプションやイベントに利用されていますが、普段も一般開放されています。
正面玄関周りに植え込みがあり、「ヒャクニチソウ」などが咲き誇っていますが、その蜜を求めて【オオハナアブ(大花虻)】が飛来していました。
ハエ目(双翅目)ハナアブ科ハナアブ亜科の昆虫で、<オオ>と名が付いていますが、「ナミハナアブ」と体長は変わらず15ミリ前後です。
ハナアブの代表格で、丸っこい体形や透明な翅が印象的で、黒色の腹部には太い黄色の帯が目立ちます。
頭部の複眼には迷路のような模様があり、またその間には3つの単眼を持っており、写真の【オオハナアブ】は、複眼が接近していますので<オス>です。
体形の特徴から、すぐにオサムシ科の昆虫だと分かりました。
体長20ミリ強で、せわしく動き回る昆虫ですが、枯葉が昨日の雨に濡れていますので、歩き回りづらそうでした。
コウチュウ目(鞘翅目)オサムシ科スナハラゴミムシ亜科に分類されており、雑木林などの地面に生息しています。
オサムシ科は、 「ヤコンオサムシ」 や 「クロツヤヒラタゴミムシ」 などを記録してきていますが、どれも良く似た姿で、頭部や胸部の形、上翅の縦筋の模様が微妙に違います。
本種は前胸の後部に凹みがあり、触角第4節以降は赤味がかった色をしているのが特徴です。
「蛾」の種類も多くて同定するのが難しいのですが、「蠅」の世界も日本だけで約60科、3000種近い「蠅」が分類されています。
白い壁に休憩中の「蠅」を見つけました。
腹部に生える毛などの特徴ある姿から、ハエ目(双翅目)の「ヤドリバエ科」か「ニクバエ科」かと分かるのですが、どちらも良く似た感じです。
「ヤドリバエ科」は、ハエ目の中で最大の種類をもち、「ニクバエ科」だけでも100種類を超えています。
最終的には腹部側面に対としてある白斑を決め手として、間違っているかもしれませんが、ニクバエ科ヤドリニクバエ亜科の【ギンガクヤドリニクバエ】と同定しました。
名称通りオスは、額の部分が左右2枚の鏡のように銀白色に輝くとされています。
「ハチドリ」に似て、ホバリング(空中停止)をしながら花の蜜を吸う【ホシホウジャク(星蜂雀)】です。
体はずんぐりむっくりで、小さな花や細長い花には止まることが出来ません。ホバリングで体を停止、時に後退を繰り返しながら、長い口吻を花に刺し込み、吸い蜜行為をせざるを得ません。
チョウ目(鱗翅目)スズメガ科ホウジャク属の「蛾」で、初夏から晩秋にかけて発生を繰り返します。
成虫は全体的に焦げ茶色で体長50ミリ弱、後翅中央から付け根にかけて黄橙色をしており、飛んでいるとよく目立ち、「蜂」の模様に擬態していると考えられます。
腹部には、2対の橙色の紋があり、また腹部後側にある白い帯も目立ちます。
成虫はアベリア、コスモス、ラベンダーなど多くの花に訪れますが、幼虫は「ヘクソカズラ」を食草としています。
夏から秋にかけて個体数が増すセセリチョウですが、コスモスの花で蜜を吸っている【オオチャバネセセリ(大茶羽挵)】を見つけました。
幼虫の食草は笹や竹類、ススキなどのイネ科ですので、山間部で見かけることが多い種です。
チョウ目(鱗翅目)セセリチョウ科オオチャバネセセリ属に分類され、ロシア沿岸・日本・朝鮮・中国・台湾などの東アジアに分布しています。
「チャバネセセリ」や「イチモンジセセリ」に似ていますが、本種は翅がやや長めで、裏翅に入る白紋が 「イチモンジセセリ」 のように一直線で4個ではなく5個あり、がたがたとした模様です。
黄色い花を咲かせている 「セイタカアワダチソウ」 の花穂に、潜り込むようにして蜜を吸っている【シロオビノメイガ(白帯野螟蛾)】です。
撮影しようと近付きますと、すぐに危険を察知してかすぐに飛び立ち、近くの葉の裏側などに隠れてしまいます。
上からの翅の模様 は何枚か撮影出来ていますが、翅の裏側から撮影できる機会に巡り合えるとは思ってもいませんでした。
頭部が欠け、体全体を写し込めてはいませんが、昆虫好きとしては貴重な記録になりました。
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「チェリーセージ」の花の蜜を必至で吸っている、【クマバチ(熊蜂)】と遭遇しました。
ハチ目(膜翅目)コシブトハナバチ科クマバチ属の大型のハナバチで、約500種が分類されています。
日本固有種の蜂で、北海道から九州にかけて広く分布する<キムネクマバチ>を指すのが一般的です。
体長は3センチほどあり、ずんぐりとした体形で、胸部には細かい黄色の毛が目立ち、全身・翅とも黒色をしています。
大きな翅音をさせて飛行し、体形と合わさりますと獰猛な感じがしますが、性格はいたっておとなしく、オスは針をもたず、メスだけが毒針を持っています。
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