植木鉢が並べられた所に、【ホソヒラタアブ】がホバリング中でしたが、この時期の登場ですから、越冬した成虫です。
ハエ目(双翅目)ハナアブ科ホソヒラアブ属の昆虫で、「アブ」と名が付いていますが、「ハエ」の仲間です。
成虫は花の蜜や花粉を食べ、幼虫は「アブラムシ」を餌として育ちます。
メスは、「アブラムシ」の繁殖した奇主植物に卵を産みつけ、約6日ほどで孵化します。
全長は11ミリ程度で3~11月を活動時期とし、頭部には大きな複眼があり、胸部は黒っぽく、腹部は細長く平らで黄色と黒色の縞模様が入ります。
写真のように、一番上の黄色の帯が左右に分かれているタイプが多いのですが、つながっているタイプもあり、個体差がある縞模様です。
< 【アカタテハ】の翅表 >
< 【アカタテハ】の翅裏 >
昨日の神戸は気温が高くなり、4月上旬並みの17度という気温でした。
プランターに植え込まれている 「パンジー」 の花に、成虫で越冬した【アカタテハ(赤立羽)】が、吸蜜に訪れているのを見つけました。
チョウ目(鱗翅目)タテハチョウ科アカタテハ属の蝶で、成虫の前翅長は約35ミリほどで、開張が約65ミリと中型の大きさで 「ヒメアカタテハ」 よりも大きいです。
前翅の表側に鮮やかな橙色の帯模様があり、名前はこれに由来します。
前翅の先端は黒く、白色の斑点が点在しています。後翅の表にも橙色の縁取りがはいりますが、この蝶は越冬の苦労か翅がちぎれていて、その模様が途切れています。
翅の裏側はほぼ灰褐色で、白くて細い網目模様が入り、不規則な軌道を描きながらも速く飛ぶ蝶です。
この時期に遭遇しました【ムラサキシジミ(紫小灰)】ですので、成虫で越冬した蝶です。
チョウ目(鱗翅目)シジミチョウ科ムラサキシジミ属に分類され、翅を広げた開張は30~40ミリ、翅の表側には青紫色に輝く模様があり、周囲は黒茶色で縁どられ、前翅の先が尖っています。
翅の裏側は、輝く青紫色の模様をもっているとは思えないほど地味な黒褐色をしており、黒っぽい斑と帯が入っています。
「ヤマトシジミ」 のように頻繁に花を訪れる機会を観ることはなく、成虫が何を餌にしているのかは、まだ究明されていません。
幼虫は、「アラカシ」や「イチガシ」・「クヌギ」・「コナラ」などのブナ科の葉を食草としています。
黄色い「ノゲシ」の花に、しがみつくようにして食事をしている【フタホシヒラタアブ】を見つけました。
ハエ目(双翅目)ハナアブ科フタホシヒラタアブ属に分類され、ハナアブ科の「ヒラタアブ」と名が付くのは本州に16種います。
和名に「アブ」と付いていますが、いわゆる「アブ」の仲間ではなく、「ハエ」の仲間です。
体長約10ミリ、腹部に黄色の太い帯が入るのが特徴で、幼虫は「アブラムシ」を餌としていますので、刺されることもなく園芸的には嬉しい昆虫です。
太陽の光線を受けてきれいな花姿の「サザンカ」を写そうとしましたら、蕊の中に黒い昆虫を見つけました。
体長4ミリほどの小さな昆虫で、どうやら顔つきをみますと<額嚢>がありませんので【ハナアブ(花虻)】のようです。
和名では「アブ」と付いていますが、いわゆる<アブ(直縫短角群)>の仲間ではなく、<ハエ(環縫短角群)>のハエ目(双翅目)ハナアブ科に属しています。
日本国内には、知られているだけで89属約400種の【ハナアブ】がいますので、同定をしようといろいろと調べましたが、分かりませんでした。
体長4ミリということで、「キアシマメヒラタアブ」かなと考えていますが、拡大写真が撮れませんでしたので、保留です。
成虫は花に飛来して蜜や花粉を食べる者が多く、虫媒花の役割を担う昆虫で、特にキク科の植物には【ハナアブ】に依存したモノが多いです。
春先から秋頃まで、雑木林やその周辺で活動をしている【オオスナハラゴミムシ(大砂原芥虫)】です。
コウチュウ目(鞘翅目)オサムシ科ゴミオサムシ亜科の昆虫で、体長23ミリ前後、ミミズやカタツムリなど、地上性の各種小動物や死骸を餌としています。
12月も終わりのこの時期には、日当たりが悪く湿度のやや高めの砂地の崖や法面などに坑道を掘り、単独で越冬しています。
移植ゴテなどで砂地を注意深く掘り起こしますと、本種だけでなく、他のオサムシ類が冬眠している姿が観察できます。
今年最後の昆虫記になりそうですが、まだまだ活動中のようで、元気な【オオスナハラゴミムシ】に驚きました。
12月も半ば、昨日の神戸の最高気温は9度でした。
昨夜の帰宅時、路上に開張20ミリほどの小さな<蛾>を見つけましたが、薄暗い街灯だけの明るさの中で、我ながらよく発見できたなとおもいました。
黒いアスファルトの上でしたので、チラチラと動くものが目に止まり、近寄りますと驚いたことにこの時期には珍しい<蛾>でした。
こまめに翅を動かす中でのストロボ撮影ですので、きれいには撮れていませんが、前翅の前縁が淡い茶色と後翅の白色の特徴がなんとか見て取れます。
帰宅時から<蛾>の資料と見比べているのですが、特徴ある翅を持つ種類が同定できません。
昆虫好きとしては時期的に嬉しい発見でしたが、昨夜から頭を悩ませています。
白色のサザンカの花を写そうと近寄りましたら、【ニホンミツバチ(日本蜜蜂)】がオシベの中に頭を突っ込んで、吸い蜜行為中でした。
【ニホンミツバチ】は、 「セイヨウミツバチ」 に比べて体が一回り小さく、黒っぽい体色です。
飼育が難しく蜜の採集量が少ないこともあり、養蜂的には1877(明治10)年に導入されたイタリアン種の「セイヨウミツバチ」が主流です。
【ニホンミツバチ】の蜂蜜はさっぱりとしていて、季節ごとの花の花粉を多く含んでいますので独特の風味が味わえます。
本日の神戸は昼からお天気が崩れる予報で、今のうちにたくさん蜜を蓄えてほしいなと眺めておりました。
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気温も下がり、寒い時期になり蜂も活動期ではないとおもいますが、コンクリートの舗道の上で動かずにじっとしている【キアシナガバチ(黄脚長蜂)】を見つけました。
ハチ目(膜翅目)スズメバチ科アシナガバチ属に分類され、日本産アシナガバチの中ではもっとも攻撃性があり、また毒性も強い「蜂」です。
寒さに弱っているのかカメラを近づけますと、ピッと翅を広げたのが威嚇の動作に見えましたが、やはりじっとしていました。
体長25ミリ前後で、 「セグロアシナガバチ」 と並ぶ大型種です。
黒色の地に黄色が目立ち、脚にもはっきりとした黄色の部分があり、触角の先三分の一がやはり黄色です。
くびれた腹部の左側の「前伸腹節」に、半月形の黄色い縦筋がふたつあるのが【キアシナガバチ】で、「セグロアシナガバチ」にはありません。
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ヒラヒラと 「ヤマトシジミ」 のような飛び方をしていましたが、一回り小さい体形に興味がわき、どこかにとまるを待っていました。
【マエアカスカシノメイガ(前赤透野螟蛾)】は、チョウ目(鱗翅目)ツトガ科ノメイガ亜科の、開張2センチばかりの小さな「蛾」で、尻尾の部分に黒い毛の毛束がありませんので<メス>だと同定できます。
長い和名が付けられていますが、前翅の前縁部が赤褐色で、翅は鱗粉がすくなく、透けて見えるところから名付けられています。
とまっている壁の青灰色の地が、翅から透けているのが見て取れるとおもいます。
幼虫は薄い緑色の小さなイモムシで「キンモクセイ」 ・ 「ネズミモチ」 ・ 「イボタノキ」 などを食草としていますが、集団で発生することもなく、また個体も小さいので樹を枯らすことはありません。
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