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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(31)『決断』小杉健治(双葉文庫)

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芝浦のマンションで銀座の高級クラブのホステス<石本真由>の死体が発見される。現場を見た東京地検検事の<江木秀哉>は、殺人現場として奇妙な違和感を覚えます。

司法解剖の結果、被害者は妊娠3か月だったことが判明。マンションの防犯カメラから不審な男の存在が明らかになり、やがて東京地検の公金不正流用疑惑を追及する代議士の<芦田俊弥>が容疑者として浮かび上がります。

余命半年と診断され入院している<秀哉>の父は、名刑事と謳われた<江木秀蔵>で、現役時代の唯一の未解決事件は、20年前のグラビアモデル<香月美穂>殺害事件で、その時にも<芦田>の名が出ていたことが判明します。
当時、容疑者だった<戸山洋司>を訪ね、死体遺棄は時効だからと説き伏せると、<芦田>に頼まれて死体を遺棄したことを認めた。当時、<芦田>の父親が次期警視総監と目される警視監の地位にあったことから、事件はもみ消されたらしい。

<秀哉>は家庭を顧みなかった父と絶縁状態にあったが、自分自身も、東京地検の上司の圧力に屈せざるを得ない立場に置かれ、父の隠された20年間の苦悩を知り、時を経た2つの事件を絡め、親子の絆が甦る感動のミステリーでした。
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今年の読書(30)『ケモノの城』誉田哲也(双葉文庫)

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著者の作品は、『ジウ』シリーズ (Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ) をはじめ、テレビドラマ化や映画化された 『ストロベリーナイト』 に始まる<姫川玲子>シリーズが好きでした。

また、農業の世界で頑張る女性を描いた 『幸せの条件』 も異色な作品で楽しめました。

今回の本書は、いやはやなんともグロテクスな描写の連続で、衝撃的な内容でした。

自ら警察に身柄保護を求めてきた17歳の少女は、全身に暴行の跡がありました。彼女の証言により監禁されていたマンションの部屋には<アツコ>と名乗る女がおり、部屋からは多数の血液反応が発見されます。

<アツコ>は取り調べに対して、すべて<梅木ヨシオ>なる男の犯行だと言い続けますが、男の正体がつかめません。

人間は監禁状態になると「学習性無力感」という無気力な感情に陥り、無抵抗にならざるを得ないようですが、それにしても衝撃的な殺人事件を扱った作品です。怖いもの見たさの人にお勧めします。
#文庫本 #読書

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今年の読書(29)『上州すき焼き鍋の秘密』倉阪鬼一郎(宝島社文庫)

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重たい「刑事物」が続いていますので、息抜きに時代小説を手にしてみました。

主人公は関東八洲を取り締まる役人<藤掛右京>ですが、小料理屋を構える料理人という裏の貌を持っており、店を預かっているのは、強盗の一味から抜け出した<佐吉>です。

今回の取り締まりは、「鬼瓦の喜三郎」の残党を捕まえる役目に相方の<江坂三十郎>と上州に出向きます。

宿泊に出向いた旅籠が残党一味の店で、そこで供された「すき焼き」が、仲間内の合図で、<藤掛>の暗殺の実行を意味していました。身の危険を察した<藤掛>は事なきを得ますが、「すき焼き」の具材である<牛肉>から、一味の裏の世界の繋がりを知り残党の処理を行います。

各地各地の名物料理を楽しみながら、<藤掛>一家のほのぼのとした家族に癒され、面白く読み終えれました。
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今年の読書(28)『自覚:隠蔽捜査5.5』今野敏(新潮文庫)

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今年の読書(28)『自覚:隠蔽...
本<隠蔽捜査>シリーズの主人公<竜崎伸也>は、第1作目の 『隠蔽捜査』 では警察庁長官官房総務課課長。階級は警視長。第2作目の 『果断』 からは警視庁大森警察署署長へ異動後も降級せず警視長。私利私欲とは無縁で、国家公務員としてあるべき姿を、そして、原理原則に忠実な官僚。周囲からは「組織の犬」「変人」と陰口を叩かれているが、逆に「自分の為」というのが無く官僚としても優秀なため、部下からも上司からも信頼は厚い。若い頃は東北地方の所轄署で署長をしていた。

本書は、大きな事件を解決するのではなく、<竜崎>を取り巻く関係者の苦悩を中心にすえた短篇集で、7つの逸話が収められています。

どの短篇も、改めて<竜崎>の計り知れない人間性を感じさせる言動と判断で、事件解決の物語以上に、楽しめる構成でした。
#文庫本 #読書

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今年の読書(27)『宰領・隠蔽捜査5』今野敏(新潮文庫)

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今年の読書(27)『宰領・隠蔽...
<隠蔽捜査シリーズ>として、第1作目の 『隠蔽捜査』 にはじまり、前作 『転迷』 に次ぐ6作目が本書です。

衆議院銀の<牛丸>が、行方不明との連絡が、<伊丹>刑事部長から連絡を受けた大森署長の<竜崎>は、空港から事務所への通り道となる大森管内ということもあり厳戒態勢を引きますが、議員の運転手の他殺死体が発見され、誘拐犯からの電話がかかってきます。

誘拐と殺人事件は警視庁の管轄下で発声していますが、電話は神奈川県内ということで、警視庁と神奈川県警の合同捜査になり、指揮を命じられたのは、大森署長の<竜崎>でした。

階級社会が顕著な警察組織の人間関係と反目しあう組織の板挟みにあいながらも、<竜神>は、自分の信念のもと事件の解決に向かいます。

ほんsyは、第1作目の『隠蔽捜査』を背景としている要素が強く、息子<邦彦>も東大受験3回目の正念場を迎え、警察官として、父親としての<竜崎>の人間性が、浮き彫りにされています。
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NHK土曜時代ドラマ@『みおつくし料理帖』

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NHK土曜時代ドラマ@『みおつ...
昨日土曜日、18:15から<NHK土用時代ドラマ>として『みおつくし料理帖』がスタートしています。

<高田郁>の原作で、ハルキ文庫から 『八朔の雪』(2009年5月)から始まり 『天の梯』(2014年8月)まで全10巻の物語のドラマ化です。

大坂で発生した大水害で孤児となった少女<澪>が、料理の腕だけを頼りに江戸に出向き、大坂と江戸の料理の違いに戸惑いながらも、やがて一流の女料理人となっていきます。

文庫本では、作中に登場した料理のレシピが巻末にまとめられているのですが、ドラマの最後にも料理の手順が出てきたのには驚きました。

#ドラマ #文庫本 #料理 #読書

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今年の読書(26)『奪還の日』堂場瞬一(中公文庫)

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今年の読書(26)『奪還の日』...
第一作目の 『ルーキー』 で登場した千代田署勤務の新米刑事<一之瀬拓真>は、巡査長試験に受かり、本庁の捜査一課に移動して一年が過ぎ、後輩の<春山>とコンビを組んでいます。

また長年の恋人<深雪>とも結婚しましたが、彼女が1年間のドイツ留学のため、新婚でありながら、別居生活状態です。

新橋で発声した強盗殺人事件緒犯人<島田>が郷里の福島県にて逮捕され、犯人護送の為福島県に出向きますが、駅までの護送中に襲われ、<島田>を逃がしてしまいます。

検問中に強奪犯の外国人が射殺され、<島田>の大学生時代の留学生だと判明、過去に遡って身辺捜査が行われるなか、<島田>は、強盗に入った会社の社長を刺殺する二度目の事件を起こします。

事件の背景が読み取れない中、<一之瀬>たちの必死の捜査が続き、幼馴染として一人の女性<美羽>の名前が浮上してきます。

一人前の刑事としての<一之瀬>の成長が楽しみなシリーズですが、本書では、同期の福島県警の<城田>と妻<由布子>、犯人<島田>と<美羽>、<一之瀬>と<深雪>の関係が底辺に流れ、物語に奥行き感を感じさせる構成でした。
#文庫本 #読書

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今年の読書(25)『所轄魂』笹本稜平(徳間文庫)

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今年の読書(25)『所轄魂』笹...
<笹本稜平>といえば、骨太の山岳小説がたのしめますが、『越境捜査』 シリーズをはじめ 『駐在刑事』 シリーズの刑事物も面白く目が離せない作家の一人です。

警視庁捜査一課といえば、ノンキャリアの警察官の誰もが憧れる地位です。しかし、<葛木邦彦>は日々殺人事件を追いかけたあげく妻の死に目にあえなかった悔恨から、そのステータスを捨て異動を申し出て、現場の最前線である所轄の捜査係長になりました。
一方、誠実な父の背中を見て育った息子<俊史>はキャリア警視に。職場での立場が逆転した葛木父子の連携を軸に、個性あふれる刑事たちの奮闘を描き人気を博す「所轄魂」シリーズ。本書は2作目にあたります。

空き家で老夫婦の白骨死体が発見されたのを発端に、高齢者失踪事件が相次ぎ明らかに。他殺の線で捜査を進める<葛木>たちですが、本庁による不自然なまでの消極姿勢に事件つぶしの疑惑が浮かび上がります。

地をはうような捜査を重ね、犯罪や権力と相対する現場の刑事たち。彼らが積み重ねてきた時間をさかのぼって味わいたい、読後感清涼な警察小説です。
#文庫本 #読書

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今年の読書(24)『ともえ』諸田玲子(文春文庫)

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今年の読書(24)『ともえ』諸...
タイトルからでは、本書の内容は把握するのは難しいですが、<松尾芭蕉>の晩年を描いています。

<芭蕉>は、郷里の伊賀上野でもなく、江戸でもなく、近江の義仲寺に祀られているのかがよくわかる内容でした。

その義仲寺境内で、一人の尼<智(智月)>に声を掛けた旅の途中の芭蕉は、年上の<智>に恋心を抱きます。
またこの義仲寺には、<芭蕉>が敬愛する<源義仲>と<巴御膳>が祀られていて、この二人の悲恋になぞるように<芭蕉>と<智>の交流が描かれていきます。

<巴御前>は、平安末期の信濃の国の女性で、『平家物語』では、源義仲に使える女武者ぐらいの知識しかありませんでしたが、本書で改めて彼女のすさまじい生き様を知りました。
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今年の読書(23)『夜の署長』安東能明(文春文庫)

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安東能明には、新潮文庫にて 『撃てない警官』 に始まる元エリート<柴崎令司>を主人公とするシリーズがありますが、これは警察組織の中で復讐と再起を図っていく物語です。

東大法学部を卒業してキャリアとして入庁した新人刑事<野上>は新宿署に配属されます。日本最大のマンモス署にして夜間犯罪発生率が日本一の新宿署ですが、何故か移動もなく10年勤務している「夜の署長」の異名をとる<下妻>がいました。

本書には、中短篇が四話収められており、各事件の捜査を通して、<野上>は捜査のイロハを<下妻>から教わりながら刑事として叩き込まれていきます。

4篇目の事件で、なぜ<下妻>が新宿署に居続けるのかが判明、刑事魂の熱さを感じさせる締めくくりとして味わい深い内容でした。
#文庫本 #読書

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