<伊藤匠叡王>、王座戦挑戦権獲得@第73期将棋王座戦挑戦者決定戦
7月
4日
3日、第73期将棋王座戦の挑戦者決定戦が、東京都渋谷区の将棋会館で指され、後手の<伊藤匠叡王>(22)が<羽生善治九段>(54)を破って挑戦権を獲得しています。
この日の挑戦者決定戦は「角換わり腰掛け銀」という人工知能(AI)を使った研究の最先端の戦型となり、中でも最も激しい変化に進んでいます。研究家として知られる<伊藤匠叡王>の事前準備が深く、<羽生善治九段>が長考を繰り返す展開となりました。両者、最善手を続け長く均衡が保たれましが、残り時間で優位に立った<伊藤匠叡王>が<羽生善治九段>の攻めを見切り、最後は自玉の不詰めを読み切って勝っています。
2年連続で挑戦者決定戦で敗れた<羽生善治九段>のタイトル獲得は歴代1位の99期。大台まであと1期の状況が続いています。激務の日本将棋連盟会長を2025年6月に退任。退任後初のタイトル戦登場まであと一歩でしたが、届きませんでした。
<藤井聡太王座>(22/竜王・名人・王位・棋聖・棋王・王将の七冠)との五番勝負第1局は9月4日、シンガポールのアマラ・サンクチュアリ・セントーサで指されます。
<伊藤叡王>は現在、<藤井聡太王座>以外でタイトルを持つ唯一の棋士です。自身初となる二冠を目指す五番勝負となります。対する<藤井聡太王座>は3連覇がかかります。同い年の若きライバルである2人のタイトル戦は、<藤井聡太王座>の八冠独占が崩れた2024年の叡王戦五番勝負以来4回目となります。