「物理AI」推進@「米エヌビディア」開発者会議閉幕
3月
23日
米エヌビディアがカリフォルニア州サンノゼで開いた年次開発者会議が21日、閉幕しました。人工知能(AI)向け半導体のさらなる性能向上の追求を表明。「チャットGPT」のような対話サービスを超えた半導体の活用を広げる周辺技術も追加投入する。特にロボットや自動運転を支える「フィジカル(物理)AI」を推進する姿勢が際立ちました。
<フアン最高経営責任者(CEO)>は18日の基調講演で、フィジカル(AI)の重要性を強調しました。摩擦や慣性、因果関係など物理法則を理解する(AI)は、ロボットや自動車が自律的に現実世界を行き交う未来には欠かせません。
今回の開発者会議では、世界基盤モデル(WFM)「コスモス」の本格提供を発表。人の動きなどを計2000万時間学習しており、センサー情報なども取り込めます。仮想環境を作り、天候など膨大な条件で(AI)を訓練し、動作の精度を高められる。自動運転の安全性向上にも活用します。
人型ロボットでは、基盤モデル「Isaac GR00T N1」も発表。エヌビディアが事前に(AI)にデータを学習させており、ロボットが周囲を認識し適切な動作を選択する。開発者は、自社で保有するデータで変更を加えられます。
エヌビディアの技術は、ソフトバンクグループが投資する1Xテクノロジーズや、アマゾン・ドット・コムが出資するアジリティ・ロボティクスなどの新興ロボット開発企業が活用。エヌビディアは、ウォルト・ディズニーのロボット開発でも、グーグルと協力体制を築いています。
エヌビディアは、(AI)を支える高速処理にたけたデータセンター向けの半導体で、生成AIブームに乗ります。一方で、アマゾンなどの巨大IT企業は自社半導体も開発しています。製品・サービスの充実は、成長を維持する上でも重要となる故プ目です。