「旧優生保護法は憲法違反」@最高裁判所
7月
3日
旧優生保護法のもとで障害などを理由に不妊手術を強制された人たちが国に賠償を求めた裁判で、最高裁判所大法廷は、「旧優生保護法は憲法違反だ」とする初めての判断を示しました。その上で国に賠償を命じる判決を言い渡し、原告の勝訴が確定しました。
不法行為から20年の経過で損害賠償請求権が消滅する「除斥期間」を適用しませんでした。法律の規定について最高裁が憲法違反と判断するのは戦後13例目で、国は被害者への補償など、対応についての議論を迫られることになります。
旧優生保護法のもとで障害などを理由に不妊手術を強制された人たちが「差別的な取り扱いで憲法に違反していた」などと主張して国に賠償を求める裁判が、2018年以降、被害者ら39人が全国12地裁・支部に提起しています。
このうち札幌、仙台、東京、大阪の高等裁判所で判決が出され、上告されていました5つの裁判で、最高裁判所大法廷の<戸倉三郎裁判長>は3日、「旧優生保護法は憲法違反だ」とする初めての判断を示しました。
その上で、4件について国に賠償を命じる判決を言い渡し、原告の勝訴が確定しました。
一方、宮城県の原告の裁判については、訴えを退けた2審判決を取り消し、審理をやり直すよう命じています。
1996年まで48年間続いた旧優生保護法は精神障害や知的障害などを理由にした不妊手術を認め、手術を受けた人は、本人が同意したとされるケースも含めるとおよそ2万5000人にのぼるとされています。
国は不妊手術から長い時間がたっていることを理由に賠償責任はないと主張してきましたが、最高裁の判決を受けて、被害者への補償など、対応についての議論を迫られることになります。