今年の読書(60)『落日』湊かなえ(ハルキ文庫)
10月
5日
新進気鋭の映画監督「長谷部香」は新人脚本家「甲斐千尋」に、映画の脚本の依頼を持ち掛けます。その元となるのは、15年前、引きこもりの兄が高校生の妹を自宅で刺殺後、放火して両親も死に至らしめた『笹塚町一家殺害事件』でした。そして事件が起きた小さな町、笹塚町は「甲斐千尋」の生まれ故郷でした。
判決も確定しているこの事件を、「香」はなぜ映画として撮りたいのか。「千尋」はどう向き合うのか。生き詰まる展開が待ち受けています。
物語は、主人公「香」と「千尋」の二人の目線でそれぞれの過去が語られていき、ジグソウパズルのピースを埋めるように衝撃の真実に辿りつきます。