映画監督による暴力行為や性加害について声明発表@<是枝裕和>他
3月
22日
声明文は「被害にあわれた方々がこれ以上傷つくことがないこと、また当該の映画監督の作品において権限のある立場の関係者は、その現場で同様の問題がなかったかを精査すること、もしあった場合には被害者のために何ができるかを検討することを望みます」「『映画に罪はない』と拙速に公開の可否を判断する前に、まず被害者の尊厳を守ることに注力すべきです。被害者への誹謗中傷、二次被害、三次被害につながらないための配慮が、メディアにも、私たちにも求められます」として始まっています。
そして「映画監督は個々の能力や性格に関わらず、他者を演出するという性質上、そこには潜在的な暴力性を孕み、強い権力を背景にした加害を容易に可能にする立場にあることを強く自覚しなくてはなりません。だからこそ、映画監督はその暴力性を常に意識し、俳優やスタッフに対し最大限の配慮をし、抑制しなくてはならず、その地位を濫用し、他者を不当にコントロールすべきではありません。ましてや性加害は断じてあってはならないことです。撮影現場の外においても、スタッフや俳優の人事に携わることのできる立場にある以上、映画監督は利害関係のある相手に対して、自らの権力を自覚することが求められます。ワークショップのような講師と生徒という力関係が生まれる場ではなおさらです」と警鐘を鳴らしています。
撮影現場や映画館の運営における加害行為は以前から繰り返されてきたことに触れながら、「私たちには、自らが見過ごしてきた悪しき慣習を断ち切り、全ての俳優、スタッフが安全に映画に関わることのできる場を作る責任があります。そのために何ができるかを考え、改善に向けたアクションを起こしてゆきます」と述べています。
なお3月25日より公開でした<榊英雄>の監督作『蜜月』は公開中止、『ハザードランプ』は予定通り4月15日に公開されます。