12日、国際通貨基金(IMF)は世界の金融システムの安定度を分析した報告書を発表しています。経営危機に直面している中国不動産開発大手「中国恒大集団」について「デフォルト(債務不履行)への懸念が市場で高まっている」と指摘しています。
中国経済をけん引してきた不動産業界全体に危機が波及すれば「世界の資本市場に影響を及ぼす」と警告しました。
「恒大集団」は多額の借り入れと積極的な投資で急成長しましたが、住宅価格の高騰を受けて中国政府が不動産業界への融資引き締めを強化したために資金繰りが悪化。(IMF)は報告書で、「恒大集団」の負債総額が約3040億ドル(約34兆円)に達し、今年半ば以降に株価が7割以上下落したとしています。
中国の不動産業界には財務体質に不安を抱える企業が多く、海外からの借り入れに頼る傾向がみられます。(IMF)は「金融システムが大きなリスクにさらされる」と予測。中国で不動産バブルが崩壊すれば「地方政府の財政悪化や消費の減少を招き、中国の経済成長が妨げられる」とみています。
中国政府は住宅価格の抑制を重視し、不動産業界の救済に消極的とされ、(IMF)は「政府が介入するタイミングや、金融機関をどこまで支援するかを判断するのは難しい」と分析しており、「大きすぎてつぶせない」企業として救済を急げば市場の規律が損なわれかねないと指摘する一方、「金融システムへの政府支援が後手に回るほど、より幅広い対策が必要になる」と警鐘を鳴らしています。
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