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- 今年の読書(31)『朝が来る』辻村深月(文春文庫)
気になる文庫本の新刊も見当たらず、昨年2020年10月23日より公開されました<河瀬直美>が監督を務めた映画『朝が来る』の原作を読みました。著者の作品としては、第32回吉川英治文学新人賞受賞作の『ツナグ』以来になります。
映画『朝が来る』は、第92回米アカデミー賞国際長篇映画部門の日本代表作品であり、<河瀬直美>監督は第44回日本アカデミー賞の優秀監督賞を受賞しています。
同じ建設会社に務める「清和」と「伊都子」は遅い結婚ということもあり、子供の出産に積極的ではありませんでした。40歳を目前に不妊の原因を調べますと、「清和」は無精子症という病気であることが分かります。何回かの不妊治療を行いますが改善が見られず、子供を持つことを諦めたときに、テレビで「浅見」が主催する『ベビーバトン』という特別養子縁組のテレビ番組を見たことにより夫婦で興味を持ち、説明会に出向きます。
中学生の「片倉ひかり」は、当時付き合っていた「巧」と性行為をしたのち、望まない妊娠をしてしまいます。その後、「ひかり」の父母が紹介してくれた『ベビーバトン』と呼ばれる特別養子縁組団体によってひかりの授かった子供は「清和」と「伊都子」夫婦に引き取られ「朝斗」と名付けられ、平穏な生活を過ごしていました。
それから6年後のある日、「伊都子」は「片倉ひかり」と名乗る女から「子供を返してください。厭ならお金をください」との電話を 受け取るのでした。
実写化された映画を観ていませんので、原作に忠実な構成なのかどうか分かりませんが、読んでいて原作の「片倉ひかり」の過去から現在までの描写は必然性がよく理解できませんでした。中学生で妊娠する過程、その後の人生の苦労など不要に思える描写に疑問を感じながら、読み終えました。なお。この文庫本の解説文は、<河瀬直美>が執筆しています。
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