『ホタル』<降旗康男>監督@NHK BSプレミアム
1月
4日
激動の昭和を生き抜いた特攻隊の生き残りである男と、その妻の人生を描きます。監督は、『駅』(1981年) ・ 『夜叉』(1985年) ・ 『鉄道員(ぽっぽや)』(1999年)の<降旗康男>が務めています。脚本は、『義務と演技』(1997年・監督: 一倉 治雄)の<竹山洋>と<降旗康男>の共同で担当、撮影は『鉄道員』の<木村大作>が担当しています。
物語は、鹿児島県知覧。カンパチの養殖を生業としている「山岡秀治」(高倉健)は、肝臓を患い透析を続けている妻「知子」(田中裕子)とふたり暮らし。子供がいない彼らは、漁船〈とも丸〉を我が子のように大切にしています。
激動の昭和が終わり、平成の世が始まったある日、「山岡」の元に青森に暮らす「藤枝」(井川比佐志)が雪山で自殺したとの報せが届きます。「山岡」と「藤枝」は共に特攻隊の生き残りでした。
それから暫く後、「山岡」はかつて特攻隊員に〈知覧の母〉と呼ばれていた富屋食堂の女主人「山本富子」(奈良岡朋子)から、ある頼みを受けます。それは、体の自由が利かなくなった自分に代わって、南の海に散った「金山」少尉、本名、「キム・ソンジェ」(小澤征悦)の遺品を、韓国の遺族に届けて欲しいというものでした。
実は、「金山」は「知子」の初恋の相手で、結婚を約束した男でした。複雑な心境の「山岡」は、しかし「知子」の余命が長くて一年半だと宣告されたのを機に、ふたりで韓国へ渡ることを決意します。