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今年の読書(70)『この世の春(上)』宮部みゆき(新潮文庫)

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本書『この世の春』は、著者<宮部みゆき>の作家生活30周年を記念した作品で、江戸時代を舞台とした時代小説として、2017年(平成29年)8月に(上・下)2巻として刊行され、2019年(令和元年)12月1日に(上・中・下)の3分冊として文庫本化されています。

宝永7年の5月、長尾村の元下野北見藩・作事方「各務数右衛門」の隠居所に、「伊藤十郎兵衛成孝の乳母と嫡男「一之助」が逃げ込んでくるところから物語は始まります。応対した長女の「多紀」は、一度嫁いだことのある22歳ですが、六代目藩主「重興」の御用人の「伊藤成孝」が父「各務数右衛門」を、なぜ頼ってきたのか分からないまま、二人を筆頭家老「脇坂勝隆」の遠縁にあたる住職がいる円光寺へと連れて行きます。

北見藩内では、6代目藩主「重興」が心の病で「押込」(強制的な隠居)扱いになり、「伊藤成孝」は切腹させられたとの噂が流れる中、「多紀」の父「数右衛門」が、53歳で亡くなり、従兄の19歳の「田島半十郎」が「多紀」を、かって「重興」の別邸であった「五香苑」へと連れて行きます。

「五香苑」では、「重興」の座敷牢が作事されており、「多紀」は切腹したと噂のあった「伊藤成孝」が岩牢に綴じ込まれていきているのを知り、やがて彼の口から自分の出生の背景を知ることになります。なぜ「成孝」が藩主「重興」に近づいたのか、「亡くなった人の霊魂を呼び寄せる<みたまくり「御霊繰」>であった「多紀」の母との関わりもあり、理由も知らされます。

「重興」は、<みたまくり>たちが住む出土村を焼き払ったために3人の亡霊が乗り移っているとされ、「五香苑」において、かって江戸家老であった「石野織部」を館主として、「多紀」たちの「重興」の看護が始まるのでした。
#ブログ #文庫本 #読書

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